2025年1月の記事
拝啓 石川一雄さま・早智子さま
2025年の新春にあたって、一雄さん、早智子さんに御挨拶を申し上げます。昨年末から、インフルエンザ、新型コロナがダブルで急増しています。私どもも高齢化し他人事ではありませんが、何より気がかりなのは、一雄さん、早智子さんのお体です。5年前のパンデミックいらい、持病をお持ちの一雄さんの行動範囲は極度に抑制を余儀なくされましたし、ようやく昨年から徐々に「解放」され安堵しておりました。くれぐれもご自愛され、目前に迫りつつある「その時」のためにお備えいただきたい、と心から願っております。
第三次狭山再審もいよいよ佳境に入ろうとしています。万年筆・インクの鑑定を焦点に、東京高裁の裁判長が50年ぶりの事実

私たちの先頭には、全国連婦人部がいます。「いまどき婦人部なんて」と言われますが、そんじょそこらの婦人会ではない、歴史ある固有名詞としての「全国連婦人部」です。
ご存じかと思いますが、この婦人部が、万年筆を全国津々浦々から108本集め、万年筆・インク実験をしています。普段の生活で万年筆など持ったことがない彼女たちです。そういう人が、なぜ「万年筆100本」を思いついたのか。それは、石川一雄さん、早智子さんの訴えに接し、これに応えるには、自分たちに何ができるか、東京での行動とは別に、自分たちの日常の場で何かできることはないか、悩み抜き、考え抜いたからです。正直に言えば、他方で、昨今の裁判官、検察、しいていえば弁護団の様子に地団太踏む思いからです。
いうまでもなく敵は国家権力です。史上最大の部落差別であり、その下手人は警察、検察、地裁・高裁・最高裁、ときの政府であり、まさに国を挙げた権力犯罪です。「生きた犯人をふん捕まえる」。まるで江戸時代の手法さながらに部落民狩りをし、わずか半年のスピード裁判で死刑に処し、歴史の闇に葬り去る寸前だったのです。ですから、証拠など、ことごとく、はなから捏造だらけです。袴田さんの裁判以上に、ここを真正面から相手にし、「証拠の捏造」粉砕で勝負しなければ話になりません。こういうと、「司法の品位に反する」と言われそうですが、「品位に反する」ことをしたのは、誰でしょうか。
言いたいことは山ほどあります。しかし、愚痴や哀願では無力です。「自分たちの行動で勝利をきりひらく。たとえ自分たちが報われなくても構わない。ただひたすら石川さんのために。部落解放のために」そう思い、思う存分はみだす、これしかありません。
狭山の勝利は、戦争と人権蹂躙をきりさく一条の雷光です。パレスチナやウクライナ、全世界の圧迫された人々に送り届ける希望です。まずは、今年こそ、家令裁判長に鑑定人尋問―事実調べをかちとりましょう。
一雄さん、86歳のお誕生日、おめでとうございます。
2025年1月元旦
部落解放同盟全国連合会