2018年01月の記事

狭山意見広告運動を全力でたたかおう

(2018年01月22日)

12月14日、狭山の再審開始を訴える意見広告を新聞に掲載しようと、呼びかけ人が東京のむさん法律事務所に集まり、運動のスタートが切られました。

 全国連は、この呼びかけを全面的に支持し、総力を挙げて推進するものです。


1,多くの人士が呼びかけ人に

 これまで金聖雄監督、沖縄の安次富浩、反差別国際運動の武者小路公秀、関西生コン労組の武健一、布川事件の桜井昌司、評論家の菅孝行、弁護士の長谷川直彦、ノジマミカの各氏をはじめ、全国から37名の人士が呼びかけ人になっています。

 その呼びかけ文は次のように訴えています。「狭山事件は権力犯罪です。権力犯罪とたたかう大きな運動が必要です」「石川一雄さんは79歳。もうこれ以上は待てません。下山博士の万年筆・インキの科学的鑑定は、DNA鑑定にも匹敵します。下山鑑定ー万年筆問題での事実調べの実現、その一点で世論を喚起し、裁判を監視する国民運動が必要です。そのための一石を投じたい一念です」

 まさしくその通りです。下山鑑定は、捜査官による証拠のねつ造を証明する決定的な新証拠ですが、まだまだ多くの国民には知られていません。

 下山鑑定の事実調べを訴える意見広告運動は、東京高裁を包囲する一大国民運動です。再審実現の突破口として大々的に展開していきましょう。


2,切迫する狭山第3次再審闘争

 検察は、昨年7月に下山鑑定に対してケチつける意見書を提出しました。

 この検察意見書を徹底的に批判した下山博士の再反論書が1月にも出される予定です。

 年明け、万年筆の証拠ねつ造をめぐる弁護側と検察側の証拠が出そろうことになり、いよいよ東京高裁が事実調べを行うか否かの決定的段階を迎えます。

 昨年12月、東京高裁は新たに後藤眞理子裁判長の体制になりました。後藤裁判長が狭山の記録を読み込んだ5月、「東京高裁は下山鑑定の事実調べを行え、再審を開け!」という新聞広告を目の前につきつけてやりましょう。


3,朝鮮侵略戦争反対と一体で

 アメリカのトランプ政権は、北朝鮮に対する米韓合同軍事演習を史上最大規模に拡大し、軍事挑発を強めています。

 安倍政権はこれを全面支持し、自衛隊機を訓練に参加させました。まさに宣戦布告ともいえる軍事行動です。

 これに対して北朝鮮の金政権は、核開発やミサイル発射など武器開発に頼る政策を強め、いま朝鮮では戦争ー核戦争の危機が目の前に迫っています。朝鮮侵略戦争を絶対に許してはなりません。

 トランプの白人優先主義をはじめ、世界各国で移民への排斥など、差別排外主義が強まっています。

 安倍政権のもとで、今年は憲法改悪をめぐって国民的な大闘争がたたかわれます。自民党は、9条改悪、天皇元首化、基本的人権制限などを柱とする改憲案をすでに発表しています。

 狭山意見広告運動は、狭山事件の再審を目的としてたたかわれますが、今年の反戦・改憲阻止・反差別の大きな国民的うねりと合流していく展望を持った取り組みです。

 狭山差別裁判糾弾闘争の勝利をもぎりとることが、これらの差別主義者たちへの根底的な打撃になることは明らかです。

 今年を狭山勝利の年とるために、全国連の一人一人が責任をもって「1人1口1万円、5百万円」を集めきる、その決意でたたかいましょう。

大同団結して、狭山意見広告を成功させよう

          2018年新春   部落解放同盟全国連合会中央本部

(2018年01月22日)

明けましておめでとうございます


全国の兄弟姉妹の皆さん!共闘の皆さん!新年、明けましておめでとうございます。今年も、よろしくお願いいたします。

異常ともいえる早い寒波の襲来でしたが、思いのほか、新春は好天続きです。中央役員を務めていた、3人の戦友が故人となりました。共闘においても、恩人が亡くなりました。北部九州の豪雨災害では、大勢の方が亡くなり、家や田畑を奪われました。新春にあたり、故人の叱咤激励を受け、身の引き締まる思いがします。

生き残った者には、何がしかの使命があると言われます。故人は何を望み、何を私たちに託したのか。私たちは、命ある限り、何をなすべきであり、何をしたいのか。

なんだか、坊主の説教みたいで、新春の号令としては、ふさわしくないかもしれません。でも、新春くらいは、決まり文句をくりかえすよりは、戦友の声、仲間の声、自分の声に耳をすまし、それらの声の手先となって、喧噪な世の中に立ち向かう決心をしてみるのも、許されるでしょう。


反戦争、反差別の旗印となって


今年の課題は、すでに昨年の状況のうちに、定められています。あと3年くらいは、始まった新たな状況のなかにあります。

アメリカ・トランプ政権の登場、日本の安倍政権の居座りは、朝鮮侵略戦争・核戦争の危機を瀬戸際においやり、南北朝鮮ばかりか、アジア・全世界をギロチンの下に置いています。

安倍政権は、この状況を口実に、平気でウソをつきまくり、日本を再び戦争のできる国に変えつつあります。北朝鮮、中国、ロシアに届く巡航ミサイルも「専守防衛」、最新鋭のイージズも「専守防衛」、空母を持っても「専守防衛」。これなら、憲法9条を変えても「専守防衛」!医療・介護、生活保護をバッサリ削っても、「未来につづく社会保障」!

大嘘をつきまくり国民総ダマシにして、実際に戦火を交わし、憲法を変えてしまう。この3年、改憲の発議、天皇代替わり、オリンピック・・・と、大イベントをしかけています。陶酔から目が覚めたとき、私たちを待っているものは何か。

55年前、埼玉県で狭山事件が発生した時代も、皇太子結婚・ミッチーブーム、安保改定、オリンピックと、似たような状況でした。酔いから覚め、権力犯罪の大差別事件と気づくまでに、数年かかりました。二の轍を絶対に踏んではなりません。

昨秋、37人の著名人によって、狭山意見広告運動が発足しました。「事実調べぬきの再審はありえない」「DNA鑑定に匹敵する下山鑑定の事実調べを」その一念で、

今年5月(狭山事件55年)に、新聞掲載を目標にされています。

 この運動は、石川一雄さんの再審無罪とともに、これからの3年、ウソ、ペテン、差別、弱者蹂躙、戦争に向かう状況にたいして、反差別・反戦争で大同団結し、手を組んで行進する旗印となるでしょう。

紹介   狭山意見広告運動・賛同の御願い

狭山事件・下山鑑定の事実調

(2018年01月22日)

 55年前、埼玉県狭山市で、女子高生誘拐殺人事件が発生しました。この狭山事件では、石川一雄さん家から見つかった万年筆が、被害者のものとされ、「石川=犯人の決め手の物証」とされてきました。


 DNA鑑定に匹敵する下山鑑定を事実調べさせよう

 ところが、近年の証拠開示であきらかになったインキを、「ゴッホの黒猫」でも有名な下山博士が鑑定し、インキの違いは明らか、万年筆は警察のねつ造であると結果がでました。実は、事件当時の科警研の鑑定でも、同じ結果だったことも判明。

血痕、指紋など一切ない狭山事件では、DNA鑑定にも匹敵する決定的な新証拠です。これが、ラストチャンス。東京高裁に、事実調べをさせましょう。


石川一雄さんは79歳。これ以上、待てません。

 しかし、下山鑑定はまだ全然、世に知られていません。このままでは、宝の持ち腐れ。どんなに有利な材料があっても、狭山事件では、何度も煮え湯をのんできました。石川さんは79歳。もうこれ以上待てません。裁判を監視する、大きな世論の力が必要です。新聞への意見広告は、その風を呼び起こします。


賛同金・一口1万円、計数百万円をあつめ新聞に広告を

 これを、皆さんの賛同金で全額まかないます。皆さんの御苦労を思うと、心苦しいかぎりです。しかし、日々の生活に追われるわれら民衆の叫びとして、生活費を削ってってでもお金を出し合い、石川さんの無実を晴らしたいのです。石川さんの無罪には、部落差別を無くす希望があります。それを、皆さん、一緒に実現しようではありませんか。賛同への御協力を、心からおねがいします。



             20171214

               狭山意見広告運動           

狭山意見広告運動のよびかけ

権力犯罪をうち破ろう

狭山事件は権力犯罪です。司法の舞台で、冤罪性をあばき、無実を証明することと、もう一つ、権力犯罪とたたかう大きな運動が必要です。

事件当初、身代金を取りに来た犯人を、警察官40人が張り込んでいながら、まんまと取り逃がしました。シェパード・警察犬一匹、連れていたら、済む話だったのに。

ほんの一月前、東京での吉展ちゃん事件に続く大失態でした。

 警察にたいする批難が沸騰し、警察庁長官が辞任しました。警察はおろか、政府まで吹っ飛びかねない政治問題に発展しました。

当時池田内閣の国家公安委員長が「死んだものに用はない」「生きた犯人をふんづかまえる」と号令。首相夫人の被害者宅への弔問。そこからすべてがはじまるのです。

狭山市内の被差別部落への集中した見込み捜査が行われ、マスコミをフル動員して「部落ならやりかねない」と露骨に部落差別を煽り、その国家ぐるみの謀略のなかで、犠牲にされたのが石川一雄さんです。

狭山事件は、権力犯罪であり、現代日本の差別の壁です。

部落差別解消推進法ができても、この差別の壁を無くさなくては、部落差別は無くなりません。示現舎をはじめ、各地で悪質な差別事件が増え、差別者の居直りは目に余るものがあります。やはり、狭山で勝たないと、差別し放題の状況は後を絶たないのです。権力犯罪、差別の壁を、大きな運動のうねりでうち破ろう。


「決めての物証」万年筆は警察のねつ造!下山鑑定の事実調べを

現在、狭山事件の3回目の再審が東京高裁にはかられています。

第3次再審になって、裁判官、検察、弁護士の三者による協議が始まり、そのなかで、新証拠として、「被害者のもの」とする万年筆のインキがだされました。下山博士が鑑定した結果、インキの違いは明白、万年筆は被害者のものではなく、警察のねつ造であるという結果がでました。

狭山事件では、血痕などはないとされるなかで、この万年筆・インキの科学的鑑定は、DNA鑑定にも匹敵します。

この事実調べの実現ぬきに、狭山事件の再審はありません。どんなに有利な材料があっても、裁判官に期待するのでは勝てるものも勝てない、狭山では何度も煮え湯を飲んできました。石川一雄さんは、79歳。もうこれ以上は待てません。

下山鑑定―万年筆問題での事実調べの実現、その一点で世論を喚起し、裁判を監視する国民運動が必要です。そのための一石を投じたい一念です。

よびかけ、賛同への御参加を、心よりお願いします。

2017年10月

 よびかけ人(参加順です)   

酔虎智伝(すいこ ちでん)・部落解放運動家

     森島吉美・広島修道大学名誉教授

     長谷川直彦・弁護士

     大口昭彦・弁護士

     新井滄吉・狭山事件と人権を考える茨城の会代表、利根町町会議員

     山本隆久・水戸・狭山事件と人権を考える会代表

     福岡「SAYAMA」上映実行委員会

     木幡(こわた)ますみ・福島県大熊町町会議員

     山中幸男・救援連絡センター事務局長

     ノジマミカ・フェイスブック「狭山事件の再審を実現しよう」

     武者小路公秀・反差別国際運動(IMADR)共同代表理事

     桜井昌司・布川事件元被告・再審無罪

     知花昌一・元沖縄反戦地主・真宗大谷派僧侶

     菅 孝行・評論家

中村益行・熊本県山都町元町会議員、背梁の原生林を守る連絡協議会代表

松平要・東大阪市議会議員

     金聖雄・映画[SAYAMA見えない手錠をはずすまで]監督

趙博・歌手

青柳行信・原発止めよう!九電本店前ひろば村長

     安次富浩・

海上ヘリ基地建設反対・平和と名護市政民主化を求める協議会共同代表

     伊藤健一・元自治労茨城県本部委員長

     杉森弘之・茨城県牛久市議会議員

     松田秀代・沖縄の高江・辺野古につながる奈良の会共同代表

     玉浦勝康・沖縄の高江・辺野古につながる奈良の会共同代表

     田村隆幸・沖縄の高江・辺野古につながる奈良の会事務局長

     家正治・神戸市外国語大学、姫路獨協大学 名誉教授

     大橋浩治・自治労奈良市従業員労働組合委員長

     鵜飼哲・一橋大学教員

     仲里効・映画評論家

     三角忠・編集工房朔

     木村公一・牧師、大学教員

     仲村渠(なかんだかり)政彦・

高江ヘリパッド建設に反対する現地行動連絡会共同代表  

     金子和雄・つくば市議会議員(元議長)


     垣沼陽輔・全日本建設運輸連帯労働組合近畿地方本部執行委員長

武建一・全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部執行委員長

     広瀬英司・全日本建設運輸連帯労働組合近畿地区トラック支部執行委員長色見勝徳・全日本建設運輸連帯労働組合関西クラフト支部執行委員長


                     1221日現在 

                     

連絡先 

東日本 105-0003 東京都港区西新橋1-9-8 

南佐久間町ビル2階 むさん法律事務所内

             ℡ 070-3127-0011

              sayamajiken_higashi@yahoo.co.jp


西日本 577-0809 東大阪市永和2丁目14-11

松平要東大阪市会議員事務所内 

             ℡ 080-9752-2122

              sayamajiken.kansai@yahoo.ne.jp


 ●メールアドレス sayamajiken_koukoku@yahoo.co.jp

第4回中央執行委員会を開催 11/26大阪

(2018年01月22日)

26期第4回中央執行委員会が、1126日、大阪で開催された。1029狭山中央闘争を総括し、来春27回大会にむけた討議を開始した。


10・29狭山闘争の総括

台風のなか、集会・デモともやりきった。何より、下山鑑定の意見広告運動を、よびかけ人の提起をうけ、全国方針として確認した。「何としても事実調べを」という石川メッセージ。よびかけ人からの提起。これらを受け、主催あいさつ、基調報告、まとめ、などをはじめ、参加者の総意で全面賛同・全面推進することを確認した。

    

27回大会の位置、イメージ

27回大会は、どんな状況下でむかえ、どんな位置をもつのか。この2~3年のスパン(朝鮮戦争情勢、憲法改悪、天皇代替わり、オリンピック・・・)で、全国連が何をもって切り込んでいくのか。狭山意見広告運動は、その現実方針にほかならない。

大会の頃には、掲載のメドがつくところまで。この点が大会を決定づける。

全国連の側が、各支部の現状にふまえ、具体的にどんな取り組みにできるか、踏み込んだ論議が必要だ。長時間の論議の末、①ノルマを設定する②額については、次回の中央執行委員会で決定する、と確認した。

 示現舎はじめ、差別糾弾闘争について検討した。


大会までの大枠を決定

・議案書起草委員会は中央執行委員会を兼ね1月14日。

・拡大中央委員会は2月17~18日。

・全国大会は4月14~15日。

 さらに青対部からは、次回全青交を8月18~19日・大阪で開催と報告された。

婦人部からは、次回全婦は9月8~9日・茨城つくばで開催、3月に狭山要請行動と報告された。河内合同労組の労働裁判が公開法廷になれば、傍聴支援。奈良市の住宅民事裁判―控訴審の勝利判決が報告された(奈良市は上告)。

柿収穫ボランティア活動レポート

(2018年01月22日)

九州北部豪雨からちょうど5か月経った今月6日,豪雨で行方不明になっていた女性の遺体が、遠く離れた久留米市の筑後川河川敷で見つかりました。これで犠牲者は38名となり,依然と3名の方が行方不明のままです。また,11月末までにすべての避難所が閉鎖されましたが、朝倉市と福岡県東峰村では仮設住宅107戸で220人が生活。みなし仮設住宅や公営・公的住宅で生活する人も,福岡・大分の両県で1000人以上に上り、今も合わせて1300人以上の方が自宅外での暮らしを強いられています。

 今回の豪雨で,朝倉市内の部落も大きな災害に見舞われましたが,村内の住宅10棟と村の主要産業である柿園に大きな被害が出た杷木S地区も,生活再建の取り組みが懸命に続けられています。この地区はブランド富有柿「志波柿」の産地として有名ですが,今回の豪雨で,村の人たちが営む12町歩の柿園に通じる農道は至る所で崩落、路面がデコボコに剥がれ,園内は大石や砂利、土砂-流木が流れ込み約6割に甚大な被害が出て,一時は今年の柿の収穫が絶望視されていました。しかし,村の人たちは,全国から寄せられた義援金などの支援にも支えられながら,農道の自主整備など懸命の復旧活動に取り組み,例年の収穫量には到底及ばないものの,被災を免れた柿園には見事な富有柿が一面に実っているのです。

 ところが,ここで新たな問題が持ち上がりました。災害復旧活動に時間をとられ,ただでさえ今年の収穫作業の開始が出遅れていたのに,先月末からの厳しい寒波が農家に追い打ちをかけているのです。柿は何度も霜が付くと果肉が柔らかくなって商品価値が下がってしまいます。寒さや霜で実が凍ると味や食感が落ちてしまうためです。二重被害を恐れ、柿農家は家族や親戚総出で収穫のピッチを上げなければなりませんが,部落では高齢化が進み,若手の人出が圧倒的に足りません。また,村の柿農家はそれぞれ一斉に作業をしなければならないので,村の人たち同士の助けあいも限られます。農協に人出を頼むと,柿の収入以上の人件費がかさんでしまいます。  

こうした村の状況を憂いた村上副委員長が,今月初めからS地区の柿収穫作業支援に連日入っていましたが,柿の収穫は全くの手作業のため,圧倒的に人手が足りません。そして時間との勝負です。急遽,村上副委員長から連絡を受けた災害対策本部は,12月9日と10日の二日間,柿の収穫ボランティアに取組みことにしました。急な呼びかけにもかかわらず,県下の兄弟や支援の方が二日間で延べ15名参加してくれました。

作業に入ったのは,S地区の近くにあるOさんの約1町歩の柿園。無数の富有柿が,まだ全く手つかずに実っています。Oさんに何本の木があるのか尋ねてみましたが,数えたことがないので,わからないとの返答。村上副委員長によると300本以上はあるとのことでした。作業に入る前に,自らも柿農家である村上副委員長に,収穫作業の注意点などを教えてもらい,各々が収穫かごやハサミをもって,柿の収穫作業に取り掛かります。

初めは,どの柿を採っていいのか戸惑う参加者でしたが,とにかく全部の柿をハサミで切り取り,商品になりそうな物はコンテナの中に,迷うものはコンテナの横に置くよう指示があり,少しずつ作業に慣れていきます。厄介なのは,熟し過ぎた柿です。最初にこれを取り除かないと,木が揺れたはずみで熟し過ぎた柿が頭の上から落ちてきます。実際に帽子の上から熟した柿の洗礼を受けた人もいました。片手で柿を持ち,もう一方の手のハサミで柿を切り取り,切り取った柿のヘタで他の柿を傷つけないように,ヘタをもう一度短く切り取る,そして収穫かごに入れ,溜まったら選別しながらコンテナに入れる,この作業が延々と続きます。コンテナに溜まった柿は,Oさんが運搬車で回収して回り,園内の作業小屋に運ばれます。作業小屋に運ばれたコンテナの柿は,選別作業に移りますが,ここはOさんの奥様が,高く積まれたコンテナの横で一人で黙々と作業をしてありました。

一日目は,昼食休憩をはさんで16時半まで,二日目は,朝から雨が降り出すという悪天候だったため,15時頃に作業を切り上げましたが,二日間でコンテナ400個近い柿を収穫することができました。しかし,作業を終わって柿園を眺めてみると,無数の富有柿が柿園いっぱいに実っており,どこを収穫したんだろうと気持ちになります。それだけ,まだまだ多くの富有柿が収穫を待っています。しかし,時間がありません。今週は,また寒波の襲来が予想されており,村上副委員長によると,残された収穫期限はあと1週間位が限度ではないかとのことです。

このため,災害対策本部は,12月16日と17日にも柿の収穫ボランティア活動に取り組むことにしました。みなさんの引き続きのご支援を訴えます。そして、完熟した甘い柿をぜひ現地でご賞味ください。


2017年12月11日

      福岡災害対策本部