2022年5月の記事

部落解放運動の歴史を変える、

100年に1度の狭山最終決戦へ!


第3次再審は大詰めを迎えた

 4月26日に、第50回三者協議(裁判所、弁護団、検察)が開かれた。そこにおいて、弁護団は、6月中に下山第2鑑定(万年筆・インク)、赤根鑑定(死体関係)に対する検察意見書への反論を提出する予定を伝えた。検察は、7月末をめどに、総括的な意見書を提出すると述べた。次回の三者協議は、これまでの3カ月毎のペースをとばして、9月上旬に行われることになった。事実調べー鑑定人尋問を訴えて第2次狭山意見広告 【5月8日(日)毎日新聞全国版2面見開きカラーで】掲載される ここに第3次再審請求は大詰めを迎えた。まだ断定はできないが、ようやく9月には、弁護団から鑑定人尋問の請求が出されるものと思われる。検察側も「反論を待っている」(1月要請行動での発言)と構えている。総括意見で、下山鑑定・第2鑑定をはじめ、新証拠をことごとく否定し、「事実調べの必要なし」と主張することは不可避だ。「水洗い」論をはじめ、検察のデタラメな総括意見を粉砕し尽し、裁判所によるこれの採用を絶対に許さず、鑑定人尋問を実現しよう。
 石川一雄さんのお連れ合い、早智子さんから、全国連婦人部の寄せ書きに返信がきた。「復讐に燃えた日もあり泣いた日も 今は黙して三次で決着」と、一雄さんの短歌が添えられていた。「今年は勝負の年です」と述べておられる。

最終決戦が始まった

 下山鑑定・第2鑑定を超える新証拠はない。下山博士の鑑定人尋問の実現無しに事実調べなし。第3次での勝利なしに、狭山の勝利はない。59年間たたかってきた、石川一雄さん(83歳)に「次は無い」。余り、こういう表現は使いたくはないが、それでも敢えて、狭山最終決戦と言い切っても何ら過言ではない。
 この一戦に、石川一雄さんと我々一人一人の人生がかかっている。しかし、そればかりではない。部落解放運動史上、水平社時代も含めた、この100年で、対権力糾弾闘争の最大最高の決戦だ。水平社創立100周年のうち、実に59年が狭山闘争。この一戦で、全国連の真価が問われ、部落解放運動の流れも変わる。
 この機会にあることの幸せと栄誉を、亡くなった人の分まで五感に刻んで勝利のために、為すべきことを悔いを残さずやりきろう。しかも、この決戦は、ウクライナ侵略戦争と日帝の戦争国家化・改憲攻撃と切り結んでたたかわれる。こころおきなく、たたかいぬこう。
 5・8の第2次狭山意見広告は、三者協議の密室での攻防を、一気に社会問題に押し広げた。恐るべき権力犯罪を打ち砕く、反撃ののろしだ。ここからが勝負だ。意見広告を足場に、下山鑑定・第2鑑定と「水洗い」論粉砕を大社会問題に、攻めて攻めて攻めまくろう。そこに勝利のカギがある。
 5・22集会で、共にたたかう新たな主人公が登場した。狭山意見広告運動が、意見広告の作成に重要な役割を果たし、報告集会を主催し、新たな大人民運動の誕生を宣言された。全国連は、心からの敬意を払い、共にたたかいぬくものである。

決戦方針のもとに闘い抜こう

 決戦方針の1は、5・8意見広告の効果を発揮し、新たな大運動を思い切り拡大することである。5・22東京・狭山意見広告報告集会は同時に、「狭山事件の再審を実現する大運動」の結成式となった。さらに、夏秋にかけて全国に広がっていく。
 何のための大運動か。「下山博士の鑑定人尋問を実現しよう」を唯一の合言葉に、同盟員を含めよびかけ人、賛同人は漏れなく大運動の会員になろう。さらに、意見広告コピーとよびかけ文、ハガキ運動で思い切り拡大する。
 決戦方針の2は、波状的集中的な要請行動・高裁前行動である。全国で10班を編成し、夏場以降、20日を基本に、毎月最低1班、高裁前行動もセットでとりくむ。
 決戦方針の3は、全国ハガキ運動である。切手つきハガキで5・22から開始する。
 決戦方針の4は特別カンパである。ハガキ代、遠方からの要請行動の交通費、宣伝費等に支出する。すでに100万円、退職金よりカンパが寄せられた。中執・中央委員は1人1万円、給与ある人は3万円を拠出する。別途、大運動の会費も集める。


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土浦市の児童クラブで教育支援者

3名が悪質な差別発言を繰り返す


    (「部落解放新聞茨城版384号」―2022年3月1日より転載)

◆経過について

 今年1月、県連事務所に実名での投書がありました。それは土浦市内の小学校の児童クラブ支援員3名が、悪質な部落差別発言をしている、市の担当者に訴えても動いてくれないと言うものでした。
 告発の内容は、支援員Aは、部落からクラブに通っている子供が、大便の粗相をした際に、「部落出身だからねえ、ウンコも漏らすよねえ」と発言した。Bは部落の別の子供の家庭について「被差別部落カーボを○○の連中と呼ぶのだけれど、▲▲の家はゴミ屋の仕事なんです。ゴミ屋なんて普通やらないでしょう。○○人(じん)だからなんですよ」と発言した(○○は地元の部落の呼び名)、Cは同僚がクラブを異動する際に「(この地区は)部落が沢山あって、親が普通じゃないから、あんな所に行ったら大変だわ。私なら怖すぎて行けないよ。部落だよ、相手は」と差別発言したというものです。
 これらは2年前ですが、当時この事実を市役所の担当係長に訴えたが、調査指導もせず「そんなことが親や団体に知れたら大変だぞ」と言って事件を放置したということです(告発者は係長がそんなことが知れたら殺されるまであっかんな」と言ったと証言しています)。

◆確認会で認める

 支援員は「先生」と呼ばれて、教室で子供たちの学習や生活を指導しています。3名の支援員は、当時は委託先のNPO職員、現在は市役所の会計年度職員です。そのような立場の者が告発にあるような発言をしていたなら決して許すことはできません。
 市職員でもあるため私たちはまず市に事実を伝えて3名への聞き取り調査を依頼しました。しかし結果はいずれも「そんな発言はしていない」と完全に否定するものでした。
 また係長は「当時そのような報告は受けた」ということでした。
 そこで3月25日、土浦市役所で3名と告発者も参加して事実確認会を開きました。
 そこでも3名は当初「差別発言はしていない」と言い張りました。しかし次々と事実関係でウソが明らかになり、最終的にBとCは差別発言していたことを認めました。
 差別発言の内容も極めて悪質ですが、市の調査に対しても「知らぬ、存ぜぬ」とウソを繰り返してきたことも悪質です。
 Aは最後まで「言ってない。部落も知らない」と言い続けました。そこで再調査することになりましたがウソはすぐに明らかになるでしょう。
 現在、差別事件の事実の一部が明らかになったに過ぎません。また児童クラブの中で発達障害のある子や貧困家庭、外国人親の子供などへの差別も日常的に行われているという報告もされています。これから事件の背景や、市役所の責任なども、明らかにしていきます。