2019年01月の記事

今年こそ狭山の再審かちとろう!

(2019年01月)

傘寿の石川一雄さんに再審勝利でお祝いを!

                                                    2019年1月

                                部落解放同盟全国連合会 中央本部

          

全国の兄弟姉妹の皆さん!共にたたかう仲間の皆さん!新年明けましておめでとうございます。昨年は狭山意見広告運動への尽力、ご苦労様でした。

昨年も西日本豪雨をはじめ、熱波、台風、大地震など、すさまじい災害が起こりました。多くの被害が部落にもありました。被災者は、復興までの遠い道のりのなか、日々の戦いとして生活再建に立ち上がっています。

全国連としては、緊急の義援金にはとりくみましたが、あいつぐ災害の集中には力不足を痛感させられました。「災害には、義援金やボランティアをこえて、生活要求闘争を組織して生活再建にとりくむ。現地を要求の主体として組織し、それと連帯して全国の団結で支援する」という方向は、朝倉の教訓からうちだしました。しかし、まだ第一歩を踏み出すこともできていません。悔しい限りです。たいへん巨大な課題ですが、決して過ぎさったことにすることはできません。

 

辺野古基地建設反対、憲法改悪・天皇代替わりと対決しよう

 

沖縄ではたいへんなことが起こっています。辺野古の海に、土砂投入が強行されています。2.24県民投票は、国家暴力と沖縄差別にたいして、県民の自己決定権をかちとる場です。断固支持し、共にたたかいましょう。

安倍政権は、憲法九条を改悪する行動を開始しました。同時的に、430日現天皇の退位、5月1日(何とメーデーの日に)新天皇即位を決定し、秋の即位の礼、大嘗祭まで大騒ぎを計画し、天皇ブームを煽っています。

天皇制は、支配と戦争の要であり、身分的差別の頂点に位置するものです。天皇制の賛美は、反面で差別を耐え難いものにし、だからこそ分裂と差別を超えた「超階級的」存在として暴力的に強化されます。

冗談ではありません。代替わりだの、結婚式だの、なぜ奴らのために税金を湯水のように使い、万歳三唱しなければならないのでしょう。全国連は天皇代替わりに反対します。

また、2020年オリンピック、さらに2025年大阪万博と数年にわたる大イベントを進めています。戦争国家への、どんでんがえしを策動しているのです。沖縄と連帯し、改憲阻止・安倍打倒へ、きむら選挙を先頭に統一地方選(4・21投票日)、7月参議院選挙をたたかいましょう。

 

後藤裁判長は鑑定人尋問をやれ!

 

狭山第3次再審は、その激動の一角で大詰をむかえます。天皇代替りと対峙しながら、部落解放運動としての決算が問われる年になります。後藤裁判長は1年半後に定年退官を控えています。今年がまさに、ラストチャンスでワンチャンス、狭山一年間決戦です。狭山事件の決め手の証拠とされた万年筆の、警察による捏造を証明した下山博士の鑑定人尋問を、何としても実現させましょう。1月14日で傘寿(満80歳)をむかえた石川一雄さんを、再審勝利で御祝しましょう。差別糾弾闘争で狭山に勝利し、示現舎を追放しましょう。

・組織の高齢化問題、青年部建設の困難を原因に組織の停滞が言われてきました。それは確かにそうだが、何回それを確認しても、何の展望も開けない。運動の問題、その魅力の問題として考え直し、高齢であろうと何であろうと、元気のでる部落解放運動をやろうではないか、その発想から昨年の方針をだしました。

・全国連は世間からどう見られているのか。そこに視点を置いて考えてみるということでもあります。これは、もう理屈ではない。立ち位置、姿、現象そのものの認識なのです。はっきり言って、これまでの枠、「色」を大胆に変えないと、それを1つからでも目に見える現象として示さないといけない。

・青年の困難も、根っこはそういう問題ではないでしょうか。

・まだ少しだが、運動の現象として、必死でもがいて、ようやく脱皮を開始しました。それは、狭山意見広告運動のスタートをきったこと、九州北部豪雨災害への地元と支援のとりくみ、茨城のネット差別事件での勝利において、変革の芽生えが顔を出した。

 逆も言える。狭山意見広告運動で、全国連の10年の踏ん張り、存在に期待をあらわしてくれた。狭山闘争―下山鑑定の登場もあいまって、ギリギリで全国連はその期待、実は全国連の存在してきた価値でもあるが、それを形にした。

・脱皮、変革は始まったばかりにすぎない。5月にも、山、試練がある。何が何でもそれは成功させなければ、全国連は見捨てられる。しかし、その成功の暁には、夢が開ける。


2、2018年、全国連は何をするのか

それはもう決まっています。昨年、決めたことです。

  1. 朝鮮侵略戦争・核戦争、憲法改悪に反対する「国民運動」の一翼を担う。全国

統一署名にとりくむ。各地のアクションに参加し、可能なら狭山意見広告運動のチラシをまく。狭山意見広告運動の旗が「国民運動」の一翼にもなる。

  1. 狭山意見広告運動を成功させ、事実調べ・再審勝利を5年のうちに実現する。

それが、糾弾闘争復権の土台だ。逆に狭山と結びつくことなしに、個別糾弾も進まない。まず狭山意見広告運動に総力をあげ、そのうえで絶対に示現舎糾弾会をやる。

  1. 家賃値上げ反対運動をこえる、要求闘争をつくりだしましょう。○○反対運動

はやってきたし、一定の経験、ノウハウはある。しかし、あえていえば、そうではなく、部落の生活実態を基礎に、そこからの「叫び」を聞き、それを一緒に何とかしようともがきながら、助け合い、団結して生活と命を守る。特別法もその制度もない、他方、地域経済の支柱となる若者・労働者層はムラを追われ、一般より何倍も深刻な地域的ハンディを課せられている。そのなかで団結して生きていくしかない。そのために必要なことをこそ、要求として組織していきましょう。自然災害はもはや想定外ではない。要求闘争の課題に。

この3つです。イメージしてみましょう。この3つの1つ1つを実現したときに、どんな全国連に変貌しているだろうか。脱皮し、輝く全国連の姿にしていこう。そうなってこそ、青年も集まってくる。これが今年の課題であり、大会のテーマです。

 

入管法改悪を弾劾し、外国人労働者と連帯しよう

(2019年01月7日)

                                     2019年1月7日

入管法改悪を強行

 安倍政権が今国会の最重要法案とした「改定入管法」が12月8日に可決成立し、4月から施行される。

 現在の外国人技能実習制度の上に、新しく特定技能という最長5年の資格をつくり、最大で34万5千人の外国人労働者を受け入れるというものだ。家族の同伴は許されない。

 無権利な奴隷労働を一層拡大しようとする安倍内閣の入管政策を許してはならない。

 

暴露された技能実習の実態

 これまでも政府は、労働人口の減少や人手不足への対応として、技能実習生というかたちで外国人労働者を入れてきた。しかしそれは「労働者」ではなく「日本の技術を学んでもらう国際貢献」がタテマエだ。

 そして現在28万人もの技能実習生が働いている。その実習生の労働・生活環境がいかに劣悪であるか、その一端が今回の国会で明らかになった。

 一昨年の調査では、全国の71%の実習実施機関で労働基準法違反が見つかった。

 失踪した実習生約3千人について、法務省は最低賃金以下だったのは22人などと発表していたが、これは資料の改ざんで、実際は7割の2千人にのぼる。1割が過労死ラインを超えており、労災は日本人労働者の2倍。またこの8年間に174名が溺死、自殺、凍死などで死亡していることも明らかになった。

 このような技能実習制度の問題をそのままにして、国際貢献といったタテマエもかなぐり捨てて、大規模な「労働力の導入」に転換するのが、今回の入管法改定である。

 

さらにひどい環境を拡大

 新しい資格には、現在の技能実習生の5割~9割が移行することを見込んでいる。要するに、この間明らかになった技能実習生への権利侵害、奴隷労働の現実を変えることなく、さらに拡大するものだ。

 いや、技能実習制度を、国際貢献でなく労働力不足を補う労働力の確保としてホンネをむき出しにし、新たな労働資格の下支えをするものに再編するものだ。

 技能実習生として来日した外国人労働者は、日本で長く働きたかったら、5年間の実習生としての期間を逃げ出さず、文句を言わずにガマンして働け、そうすればあと5年間、新たな資格を与えて日本で働かせてやる、というものだ。

 どんなにひどい環境でも技能実習生がガマンして働いているのは、日本に来るに当たって、本国の送り出し機関やブローカーに巨額のお金を払っているからだ。そのために何十万円も借金しており、返すまではやめられないのだ。日本の受入機関とそれらはつながっている。

 新しい制度のもとでも、このブローカーを排除する仕組みはつくられなかった。

 

新しく入管庁を設置

 今回の入管法改定のもう一つの柱は、法務省に新しく「出入国在留管理庁」がつくられることである。「労働力の受け入れ、雇用対策」といっても、厚労省が中心になるのではない。あくまで法務省が中心であり、現在の入管局は入管庁に格上げされ、巨大化される。

 新たに入ってくる特定技能資格の外国人労働者も含めて、出入国時はもちろん、日常の生活の隅々まで入管に監視され、違反があれば常に強制送還をちらつかせて管理を強化していくのだ。

 

連帯してたたかおう

 今回の入管法改悪は、安倍内閣の憲法改悪への策動と一体である。それは使い捨ての若い労働力を大量に入れるだけにとどまらず、日本人労働者の労働条件の引き下げ、外国人労働者への差別排外主義の拡大をもたらすものだ。

 私たちは、今よりもさらに多くの外国人労働者が隣人となる。彼らは機械のような労働力ではなく、生きた人間だ。日本人労働者はどうすべきなのか、彼らは私たちの生き方を告発する存在でもある。

 入管体制の強化、憲法改悪を許さず、外国人労働者の存在とたたかいに連帯する部落解放運動をすすめていこう。

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