2017年10月の記事

インターネットによる差別への取り組み報告 茨城県連

(2017年10月12日)

県連では、インターネットで「酒と荊の日々」というサイトを立ち上げて、全国連や守谷支部長を名指しでヒボウ中傷してきたAに対して、差別サイトをやめさせるとりくみをしてきたが、Aは「削除する。守谷支部長に謝罪したい」という回答を寄せてきた。


 Aはこのインターネットのサイトに「私は中学生の時に守谷市に引っ越してきたが、父も部落民に恐喝された。全国連の守谷支部長の指示で古河の県連事務所に連れて行かれ、身に覚えのないことで糾弾された。卒業後、地元の郵便局に勤めたが、そこでも支部長の娘や部落民に嫌がらせを受けて精神的な病気になった」「部落民はヤクザと同じだ。部落民は骨まで腐っている。つきあわない方がよい」などと、何年にもわたって書き連ねてきた。

 しかしこのような事実は全くない。これはAの被害妄想であり、名指しされた守谷支部長をはじめ全国連の会員はだれもAを知らないし会ったこともない。

裁判闘争を決定

 その後Aの妄想はさらにひどくなり「部落民に復習する」というような書き込みを何度も行うようになった。

 私たちは「部落民」という言い方で差別と憎しみをまき散らすAを糾弾し、この差別サイトをやめさせたかったが、インターネットは匿名であり、どこの誰かはずっと分からなかった。

 昨年の暮れ、調査によってAの身元が判明した。Aは千葉県に住んでいた。

 Aに対してどのような行動を取るか、何度か執行委員会で論議した結果、「Aは自分で言っているように精神的な病気があって通院治療をしている。それをふまえて、直接的糾弾ではなく、弁護士を通じて裁判闘争でインターネットからの削除を要請していく」ということにした。

相手が和解を提案

 県内の尾池弁護士に相談すると、「裁判所には、相手に対して損害賠償=慰謝料を要求するかたちになる。その中で差別サイトをやめるように言っていこう」ということになった。賠償要求は300万円として、今年6月に裁判所に申し立てを行った。

 私たちは裁判が始まったら大衆的な傍聴などの裁判闘争をとりくんでいくことにした。

 これに対して、8月Aは次のような内容の和解を申し入れてきた。

①インターネットのサイトについては、すぐに削除します。②全国連の守谷支部長に謝罪します。③慰謝料は50万円で分割払いにしてほしい。

 本当にAは差別サイトを削除するのか確認すると、すでに削除されていた。100パーセント私たちの勝利だ。

 県連では「①最大の目的だった差別サイトがインターネットから削除された、

②謝罪については、直接会って謝罪することはいらない。ただ二度とこのような差別サイトをやらないことを誓わせる、③慰謝料については、お金が目的ではないので相手の要望通りでよい」という内容で和解を受け入れることを執行委員会で確認した。

匿名で野放し状態

 今回は、たまたま相手を特定できたために、法的な手段で行ったとはいえ削除と謝罪をかちとることができた。

 また相手が愉快犯や確信犯ではなく、被害妄想をかかえているという事情のために、こちらも慎重な対応をとることになった。

 しかしインターネットで差別をばらまいている連中は(示現舎の宮部らを例外として)その匿名性に隠れてほとんど相手が分からず野放し状態になっているのが現状だ。

差別は許さない

 今回の取り組みも、当初どのように取り組んでいくかというという話し合いでは「そんなやつは放っておけ」「相手にしない方がいい」という意見もあった。

 年配者でインターネットなど見ない役員にとっては、別世界の話のように受け止められていた面もある。糾弾闘争は、あらかじめの前提ではなかった。

 しかし話し合いを重ねる中で、このサイトを見た人は本当だと思うし、部落民はこわいという差別意識をばらまくことはまちがいない。そんな差別事件を放置せずに、どんなかたちでも取り組むことを決め、実行した。

 その結果、私たちの予想以上に早く差別サイトを削除することができた。

 これから茨城で差別事件があった時に、今回の取り組みは大きな教訓になるだろう。

 直接の大衆的な糾弾闘争や裁判闘争などかたちは様々だが、差別は許さないという取り組みだけが問題を解決していく道だ。

パネルで広めよう 下山鑑定

(2017年10月12日)

・・・リーフ、署名と三点セットでムラへ!街頭へ!

フレット、署名用紙せは全国連本部


 決めての物証は警察のねつ造だった

万年筆・インキは被害者のものではない


2度の家宅捜索で見つからなかった万年筆 

 ・1963年5月23日 逮捕された石川一雄さんの自宅に対する1回目の家宅捜索。捜査の専門家の刑事12人が、2時間以上も家宅捜索しています。

 ・1963年6月18日 2回目の家宅捜索。この日も刑事14人が、2時間以上かけて家宅捜索しています。

 ・3回目の家宅捜索で、石川さんの自宅の鴨居の上から万年筆が発見さ れます。兄の六造さんに素手で持たせています!

 ・事件から23年、「最初の捜索の際、同じ場所を調べたが何も見つからなかった」と、捜索をした刑事も証言。


万年筆には疑問がいっぱい???

 ①3回目の家宅捜索で発見?

 ②簡単に見つけることができる鴨居の上から発見?

 ③兄の六造さんに素手で取らせた?

 ④一雄さんや被害者の指紋は一つもない?

 ⑤被害者が使っていたインキとはまるで別物?


科警研もインキが別物と鑑定していた!

 実は、科学警察研究所おこなったインキの鑑定(荏原第1、第2鑑定)で、インキの色が違うことがわかっていた。検察は、その事実すら隠していた。

 第三次再審になって、2014年に開示された証拠によって、被害者がふだん使っていたインキが、「パイロット社製のジェットブルー」というインキであったことがわかったのです。 


裁判所は「インキを補充した可能性がある」と言う。

 ところが・・・!

 色素の研究で著名な下山博士が鑑定したところ、「インクを混ぜれば両方のインクが検出できる」「しかし、発見万年筆からはブルーブラックしか検出されない」

  ●左が発見万年筆のインキ。ブルーブラック。

  ●真ん中がインキを混ぜたもの。

    被害者が使っていたジェットブルーのインクが無くなって

    ブルーブラックのインクを補充したという裁判所が認めたケース

●右が、被害者が使っていたジェットブルー


警察は「発見万年筆は級友や郵便局のインキと同じ」と言い逃れ。 しかし・・・

 分析した結果は、パネルにあるように「級友」や「郵便局」のインクもブルーブラック。発見万年筆と同じ。この場合も、被害者が使っていたジェットブルーのインキはどこにもないのです。


下山鑑定で科学的に証明された万年筆・インキの違いは、狭山事件では、DNA鑑定に匹敵する決定的な新証拠です。(狭山事件では、血痕などの証拠は存在しないとされています)。下山鑑定を裁判所が事実調べすることが、真実への扉を開きます。

下山鑑定を事実調べさせよう!全国民に知らせ、裁判を監視しよう。①まず、自分たちで、パネルの説明練習をしよう。

②地域で、街頭で、職場や学校でパネルで宣伝しよう。

③署名、ハガキで東京高裁・検察に届けよう。

反戦の党に一票を!翼賛選挙にさせるな! 10.29から狭山半年間決戦へ!

(2017年10月12日)

衆議院が解散し、10月22日投票日となりました。

今度の選挙は「政権選択選挙」と宣伝され、しかも「安倍政権の継続」か「希望の党への政権交代」かと、あたかも二択の選挙のごとく言われています。

民進党は事実上解消し、小池百合子を代表とする「希望の党」に合流するといいます。これにたいして、小池は「安全保障や憲法への考え方で選別する」「考えが違えば排除する」と言い切っています。何がおこっても不思議ではない、そういう政治状況です。

この政治状況にあって、何をどう見ればいいのか、選挙ではどうすればいいのか、とまどいを感じる方も少なくないでしょう。

安倍政権は、アメリカのトランプ大統領の掲げる「北朝鮮完全壊滅も辞さない」侵略戦争・核戦争に、「完全一体で行動する」と表明しています。自分の疑惑には蓋をして、憲法を変え、戦争のできる国にしようと暴走しています。

しかし、では、小池百合子はどうなのか。小池は、自民党の役員、第1次安倍内閣の防衛大臣なども歴任し、「国際情勢によっては核武装も検討すべき」と発言した、安倍に負けず劣らずの戦争屋です。

「政権選択」とか、「安倍か小池か」とか言われても、中身はこの通りです。決してごまかされるわけにはいきません。

では、私たちの基本はどこにあるのか。戦争反対です。米日による朝鮮侵略戦争・核戦争に絶対反対です。政治の主人公は国民です。安倍や小池ではない。

重要なことは、主権者たる国民の多数が、戦争反対、9条改憲反対なのに、国会の構図では、まるっきり別の結果になろうとしていること、このことです。この、からくりを、しっかり見抜かねばなりません。翼賛国会許すな!

しかし、反戦を貫き、改憲に反対する候補も、皆無ではありません。民進党からも、立憲民主党が誕生しました。比例区は社民党、選挙区は各地の事情に違いがありますが、社民党を軸に「野党共闘」の候補に投票しましょう。

総選挙から一週間後、10月29日、私たちは、東京・日比谷で狭山事件の再審を求め、戦争に反対する集会、デモをします。共に、行動しましょう!


下山鑑定(万年筆・インキ)の事実調べを!

 10・29の集会で、全国連は狭山事件の再審を実現する、半年間決戦を宣言します。

 石川一雄さんは無実です。「部落差別解消推進法」ができても、狭山事件が解決しないかぎり、生きた部落差別は無くなりません。1974年、無期懲役を下した、東京高裁寺尾・確定判決から43年。現在、3回目の再審が東京高裁にはかられています。

そのなかで、「被害者のもの」とする万年筆のインキを下山博士が鑑定した結果、インキの違いは明白、万年筆は被害者のものではなく、警察のねつ造であるという結果がでました。これにたいし、検察はまともに科学的鑑定で反論できず、「民間人の意見書」を出してきました。今後、弁護団の再反論、さらには事実調べの要求へと、焦点化します。

今度こそ、公正な事実調べを。その実現以外にありません。

しかしながら、下山鑑定はまだまだ世に知られていません。裁判は、10月から来春にかけ、結論に向かう可能性もあります。はっきりしているのは、下山鑑定の事実調べぬきには、再審のチャンスはないと言っても過言ではありません。このままでは宝の持ち腐れです。この状況に全国連は先陣をきります。

下山鑑定の大々的キャンペーンと事実調べを求める国民的な運動へ。

 10・29を狭山「半年間決戦」宣言の日に。


10・29狭山中央集会 昼12時30分 東京・日比谷図書文化館

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