2021年05月の記事
2021年06月の記事
2020年度活動報告・案
~総括のなかから来期の課題を展望して~


新型コロナウイルスが猛威をふるうなかにあって、何ができ、何ができなかったか?

コロナ禍での活動の心棒

 その前に、一昨年12月に瀬川委員長、昨年9月に中田書記長を亡くした。全国連創立いらい、もっとも大きな出来事のひとつ。
 遺族を軸にした葬儀、不十分だがコロナ禍の昨年9月の拡中委(29回大会に準じる)や荒本支部大会、全婦の場で追悼した。改めて全国連にとって、失ったものはとても大きい。御二人の全国連における果たしてきた役割を埋め、カバーするのは並み大抵ではない。だが、全国連は、個人の寄せ集めではなく、一個の有機的な運動体である。運動体として為すべきことは、遺された者の使命として、力を合わせ、継続しなければならない。たいへんでも、踏みとどまり、必死に格闘するなかで、必ず人は育つ。この全国連としての営為のなかで、故人は運動の姿にあってよみがえる。瀬川さんも中田さんも、全国連のなかで生き続ける。例えば、狭山意見広告運動のなかに、さらに狭山再審闘争の勝利のなかに、日々の地域活動のなかに、御二人もまたよみがえり、生き続ける。二人に限ったことではない。我々ひとりひとりと全国連は、みんなそういう関係で存在している。
 このことが、その強い自覚が、この一年余りの活動の心棒である。コロナ禍のなかでもそうである。新型コロナウイルスの猛威にあっても、全国連運動として為すべきことをなす。確かにこのウイルスは手ごわい。感染を防ぐ原則的な対策は必要である。対策はしつつ、運動の火は消さない、為すべきことは為さねばならない。リモートも必要だが、やはり基本は対面である。精一杯、集まることを追求して、それでも無理なケースはリモートで代行する。そうした心構えは、実は御二人が自分の死をもって示した。死の瞬間まで、委員長、書記長だった。最後まで生き様、死に様の手本を示した。コロナ禍でこそ、御二人の示したものに立ち返り、我々みんなの活動の手本にしよう。
 
活動のあり方改革

 新型コロナウイルスが発生し、世界中に感染が拡大、パンデミックとなった。日本においても、昨春から発生・拡大し、今日では新種株もあらわれ、第4波の急拡大となり、天井の見えない状態になっている。
 果たして人類は、この手ごわいウイルスに勝てるのか?ワクチンはウイルスの変異に対応できるのか?この問題は、感染対策・疾病対策の面、社会経済活動の面―とりわけ倒産と失業の増大、収入の激減、社会的不安の増大と患者・家族、医療従事者に対する、またアジア人に対する差別と排除の面など、巨大で多面的な問題を投げかける。
 全国連にとっても、確かに甚大な影響を受けている。会議や集会の開催においても、デモや街頭宣伝や交渉においても、また個別訪問・対面においても、大きな制約を受ける。
 また短期のうちに収束する問題ではなく、長期にわたることはほぼ間違いない。一時的には自粛を余儀なくされても、それがもしも数年におよぶ場合、自粛自粛では大衆運動は衰退してしまう。
 ピンチはチャンス。いまや、本気でそう考え、英知をしぼり、団結してチャンスに転化する在り方を創造すべき時が来た。そうしなければ生き残れない。
 基本は、一方で感染対策はそれとしてしっかりやりつつ、他方で一層の創意工夫をして、集まり、会議・集会・デモ・オルグをやりきろう。リモートも必要だが、核になる集まり・対面がまずあって、それを命がけで貫徹して、それを囲む形でどうしても集まれない人のリモート参加、いや普段来ない人も一緒にリモートを見てもらい全国連に参加してもらおう。
 リモートは両刃の剣。えてして、リモートや電話会議で参加者が縮小するばかり。その危険がある。会議にますます足が遠のく。実際に一部ではそうなっている。がんばって集まろう。それにプラスして、リモートで拡大しよう。リモートは縮小のリモートから、拡大のリモートへ。そのために、パソコンだけでなく、スマホでのリモートにも習熟をしよう。本部においては、電波状況から、事務所でのリモートは可能だが、会議室では音が途切れ、このままでは使えない。改善する。

全国大会・中執会議をいかにかちとるか

 コロナ禍のもっとも大きな影響を受けたのは、全国大会である。痛恨の極みである。第29回全国大会は4月に予定した開催は、会場の使用停止で延期となり、9・27拡中委を規約第14条に基づき全国大会に準じる場として開催した。1年の活動基準を定める議案書は、起草委を1・19に開催し、原稿を書き進め、公表し、冊子にして9・27拡中委で採択された。しかし、まだ大量に本部に残っている。通常の大会参加者にいきわたっていない。改めて、購入・学習を訴える。役員人事は、委員長、書記長の代行のみ拡中委で決定し、正式には次回大会で決めるとした。
 中執会議を5・30関西メンバー、5・31全国メンバーと分割開催を本部会議室で行った。また、7・26、12・13に中執会議を行った。全員マスク、最大限密集をさけ、換気をし、消毒するなど、コロナ対策をしつつ、断固為すべきことを為した。この方法で、これまで感染者を出さずに貫徹してきた。また、事務局長・書記長代行は、親の介護もあり毎月1回大阪と福岡を往復している。もちろん三密回避・マスク・手洗いを励行している。それで、感染せず無事に過ごしている。
 全国大会の延期は断腸の思いである。やはり、大会に代わるものはない。提案だが、次の第30回大会は、1日のみの開催、代議員に参加を限定、全員マスク、1時間ごと換気、消毒の徹底など対策を厳格にして、断固全国結集で開催すべきと思います。企画も数時間で終了、なお充実したものに全面的見直しすべき。そうした方向でどうでしょうか。なお、リモートは追求します。
*全国大会は限定した規模、狭山中央闘争は全力結集という考えもあるのではないか。
 
 婦人部は、コロナ禍にあっても、第29回全婦を、9月12日に大東・野崎を会場に、日程を一日に縮小、関西勢の参加+全国はリモートの形でやりきった。幹事会を、1・26、5・17、7・12と開催し(リモートもあり)、さらに今期にはいって12・6、1・24と継続している。リモートは役に立っているが、やはり課題は集まりの減少である。第30回全婦は、茨城を軸とするが、茨城・関東の婦人が最もやりやすい方向で英知を結集している。
 青年は、8・29に予定した全青交を中止した。電話会議は継続している。課題は、核になる青年の結集である。青年部建設でも同じことが言える。数名の青年部幹事で定期的に連絡をとりあっていることはとても貴重だが、一つでも、長野に続き、地域での青年の群れをつくりだすことが、何より肝心なのではないでしょうか。関西、茨城、西日本で、一つでもそれをつくれたら、景色は全然変わってくる。これは、本部、中央青対、支部が、青年と一体になってやるべきことです。今からでも遅くない。今年、リベンジしてほしい。

 狭山は決戦に突入した
 意見広告を実現し10・31へ


 狭山闘争もまた、コロナ禍によって、大衆的展開の制約をもろに被った。第二次狭山意見広告運動では、街宣などでのビラ受け取りの激減、勢いのある対面オルグ・ローラーの困難など、基本活動で苦闘した。11・1に予定した中央闘争は中止した。要請行動では、検察庁の人数制限(3人に制限)はては拒否に直面した。
 しかし、こうしたなかでも、意見広告運動では、賛同金が目標の3分の2に届くところまできた。一口千円が前回に比べて大きなネックになってはいるが、プラス効果にもなっている。荒本支部では団地ローラーで、千円を出す人が前回よりも増えた。再建も含め拒否はほとんどない。コロナでも玄関を開けてくれる。また、大阪勢の京橋街宣では、毎回一人づつだが、賛同者を得ている。諸集会でのビラまきやネットのホームページを見て、賛同する人もかなりいる。コロナの影響は大きいが、千円を活用した広がりは展望あり。9月のしめきりまで、全国で精一杯がんばり、目標を絶対に実現して、10月掲載を実現へ。
 要請行動は、3・17、6・8とやりぬき、12・7は検察の拒否で中止した。今後も検察は人数制限してくるが、4・20は5人まで押し返した。石川一雄さんの高裁前行動がコロナ禍で中断したままのなかで、こうした制約はあっても、検察と直接やりあい裁判所にデモをかける要請行動は貴重である。今後も、コロナに負けずやりぬこう。
 他方では、福岡・天神での定期街宣、大阪の京橋街宣、全国的な5・23や10・31統一行動での映画・ビデオ・学習会のとりくみ、署名運動、こうした草の根運動を展開してきた。
 今年も1・31に、住民の会による市民の集いが大阪でもたれた。狭山意見広告運動を軸に協賛し、全国連としても参加してきた。石川さん夫妻はビデオ参加。狭山再審勝利への大統一戦線として継続したい。そのような機会をもつことが困難な、福岡はじめ各地からも代表派遣し、しっかり記録して報告会をしてはどうか。石川さん夫妻のビデオメッセージも活用を。
 昨年6月、狭山担当の裁判長・後藤眞理子は、結局何らの判断もしないまま定年退官しました。新たに大野勝則裁判長が就任しました。三者協議では、いよいよ今年、弁護団からの事実調べが請求されます。下山鑑定人の尋問をはじめ事実調べの実現が、待ったなしの焦点になってきます。
 検察は意見書において、万年筆の「水洗い」論を出してきました。下山鑑定に対する科学での反論の放棄=敗北宣言であり、しかしこれまでの「インク補充」説をみずからひっくりかえし、土俵際の逆転をねらった悪辣なものです。しかも、「水洗い」を科学的に証明したものでもなく、推論として並べ立てています。この検察意見書を粉砕し、裁判所の「水洗い」採用を断じて認めず、下山鑑定の事実調べを実現しましょう。もはや、勝利はこの一点にしぼられました。
 第二次意見広告を、このタイミングで実現し、下山鑑定人尋問への大世論をまきおこしましょう。10月掲載を誓いあい、場合によっては前倒しも覚悟しましょう。要請行動、草の根運動を両輪に継続したとりくみをして、10・31(日曜日)決戦にたちましょう。今年は、全国結集で10・31中央闘争をたたかいましょう。

「宮部にここが聞きたい」を集中しよう

 示現舎糾弾の第二次公開質問状の案はつくり、いつでも発出できるが、他方で「ショート質問状」を各地から募集したい。
 示現舎の糾弾・社会的追放に向けては、本部が長い文書でやりあうだけではなく、大勢の参戦が必要です。宮部にたいして、「自分なら宮部にむけてこう言いたい」「私は宮部にここが聞きたい」の質問、怒りの一言でもいい。中執はそれを責任もって「ショート質問状」にして、本部に集中してほしい。
 9月27日本部派がおこした裁判の判決がある。判決で宮部が変わることはありえない。要は、大衆的怒りの結集であり、宮部・示現舎の社会的追放なのです。9・27はそのひとつの節目です。宮部を裁判だけで逃がしてはならない。私たちの手で、徹底糾弾・追放しましょう。

コロナ禍での要求闘争

 要求闘争の領域ではコロナ禍に対して、新たな、具体的なとりくみが問われた。特別定額給付金(10万円)や個人事業主・法人向けの持続化給付金の申請、緊急事態宣言などに伴う休業や時短の営業協力金や緊急小口資金の申請、中小企業などの労働者向けの休業支援金、等々こういった制度を活用し、部落の生業と生活防衛のため支部としての対応を迫られた。他方、コロナ解雇への対応や労働者の生活支援の必要から、茨城県連のとりくみ、河内合同労組での労働相談がとりくまれた。
 これまでは、制度に対する申請中心の個別対応に追われたが、感染状況から言っても、これからが本格的になることは間違いない。支部としての宣伝、説明会や相談会、要求者組合や労組の結成など、全国連の要求闘争に育てていこう。コロナ禍は、超ド級の普遍的で長期的な大災害とも言える。これまでの教訓の交流、成功例や壁にぶつかったことなどを大会にむけて出し合い、要求闘争の課題として確立していこう。
 昨年の大会(拡中委)で、医療・福祉のところで提案された、非課税の重要性をはじめ制度活用の習熟は、まさにコロナ禍に負けず生き抜いていく要求課題に膨らんでいく。

長野・災害復興 要求闘争の可能性

 長野県連の災害復興のとりくみは、要求闘争の新たな可能性を切り開いています。一昨年10月、台風19号による千曲川の決壊・豪雨災害が、豊野支部をはじめ部落のきょうだい、地域一帯を襲いました。救援活動・全国からの義援金の集中、ボランティア・炊き出しが初期の活動でした。さらにそこで終わらず、住民の困窮、要求への聞き取りに全力で入りました。聞き取りや講習会の積み上げのなかで、中村俊二さんを代表に災害復興要求者組合を結成しました。次に、組合として要求のとりまとめ・申し入れ文の作成から、国・国土交通省、長野県、長野市への行政交渉に決起しました。そして、ついに組合要求であるアーマーレビー工法による河川の再建を約束させました。実に大きな成果です。
 しかし、千曲川の抜本的改修はもとより、一帯の地域ぐるみで、安心して暮らせる生活の再建はこれからです。この要求闘争のさらなる成長は、住民要求を代表する議員の必要性を必然的に高めていきます。
 災害対策を救援に留めず、地元主体の要求闘争に発展させよう。熊本地震、朝倉・九州北部豪雨、広島・西日本豪雨、そして長野・台風19号災害、熊本南部豪雨と毎年の災害が続き、本部派を上回る義援金やボランティアにとりくむなかで、現実問題としてそこに直面した。
 また、1995年の阪神大震災のときの教訓を、どう今日的に活かすことができるかということでもありました。大量の現闘を投入し、「要求・権利・団結・組織・行動」にそって、まったくゼロから大衆決起をつくりだしていったのだが、現闘方式が今やとれない条件のなかで、どうやって地元の決起をつくり、要求闘争を組織できるのか、解答を迫られました。長野県連のとりくみは、その挑戦であり、可能性を大きく示しています。コロナ禍で大衆行動の制約を受けるなかでも、新たな要求闘争の先陣を切り開いています。全国の熱い連帯と教訓化を。
 
住宅・医療・介護、 労働の要求

 寝屋川では、昨年1月に住民自身の手による新たな住宅の組合が結成されました。「団地に住んでいる住民全員が安心して住み続けられるために、今ある団地を住民の要望にそって改修・統合せよ」という要求を掲げ、粘り強く行政交渉を続けています。

 荒本では、コロナ対策、住宅、生活相談、税対策や減免申請など、毎日生活全般の要求にとりくみつつ、診療所を守り、医療・介護を守るために全力で苦闘しています。署名を集め、行政交渉をし、11・15には住民医療と診療所を守る会の総会を開催しました。ここに荒本の生き死にがかかっています。コロナなど蹴散らして、住民の新たな生きる寄る辺の獲得へ挑戦しています。

 河内合同労組は、労働相談にとりくみ、11・15に組合大会を開催し、月例定例会を開いています。コロナ禍での解雇、休業、収入減などの切迫した課題と結びつき、飛躍しようと模索しています。単独でも、労組の旗を守り抜いていることは貴重です。ただし、前の大会でも言いましたが、とくに部落の企業や施設に対する場合、果たして相手が資本と言えるものなのかどうか、本部や当該支部と厳格に検討してみなければなりません。これから本格的にコロナ禍の猛威に立ち向かうからこそなおさらです。

沖縄・三里塚と連帯し、 8・6ヒロシマへ

 天皇代替わり儀式の最後の仕上げ、立皇嗣の礼は、当初の昨年4・19が縮小・延期となり、11・8に強行された。これによって、秋篠宮が皇位継承順位第一位となり、同時に秋篠宮の息子悠仁が順位第二位となった。
 前天皇・明仁が2019年4・30に生前退位し、同5・1に徳仁が即位していらい、およそ2年間に渡って日本中を興奮の坩堝と化し、天皇万歳に染め上げるねらいをもって、代替わり儀式は企まれた。時の安倍政権は、2020オリンピックも跨いで、国民の目を欺き、憲法改悪へ突き進む腹であったことは間違いない。しかしそれはコロナ禍による自粛もあって、決して安倍のプランどおりには進まず、安倍辞任の顛末となった。
 全国連は、反天皇制の立場から、代替わり儀式に断固反対し、反天皇の統一戦線の一翼でたたかった。奈良・大久保では、代替わり儀式のたびに隣接する橿原神宮一帯が戒厳令下におかれるなかで、洞部落強制移転の歴史を糾弾してたたかいぬいた。

 8・6ヒロシマは、コロナ禍による会場の人数制限もあったが、婦人を中心とした地元の結集、山口、関西からの参加でとりくんだ。コロナがあろうと、ヒロシマの火を消してはならない。8・9ナガサキと併せ、今年も断固、あらゆる困難をおしてとりくみましょう。

 沖縄行動は、昨年、今年と中止となった。実行委での喧々諤々の論議の結果であるという。現地の人々は誰より断腸の思いであろう。
 しかし、沖縄の基地の現実、辺野古新基地建設の強行は、日々つづいている。県民のたたかいも日々不屈である。全国連は、沖縄連帯を忘れない。

 三里塚では、市東さんの農地取り上げとのたたかいが正念場だ。11・17に不当判決があったが、最高裁に請求異議裁判を起こして、農地死守で頑張っています。昨年は日程上の重なりもあり、集会参加はできなかったが、今年は何としても駆け付けたい。支援の署名・カンパに全国でとりくもう。

 関西生コン支部の労働者に対しては、昨年10・8に大阪地裁で不当判決があり、12・19に「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」を発足して不屈に産業別労働運動を守り抜いています。全国連は、大阪、奈良から連帯して共に行動しています。7・13には、大阪地裁で武委員長に対する判決(求刑は8年!殺人罪に近い)があります。この弾圧は決して人ごとではない。明日は我が身の問題として、とりくんでいきます。

 動労西日本は10・26に定期大会を開催、コロナ禍を労働者に犠牲転化するJR当局と対決しています。一貫した熱い連帯のもとに進んでいきます。

 反原発では、福島と連帯しつつ、茨城・東海村、愛媛・伊方、関西など各地でとりくまれています。東海村では、1999年核燃料加工会社JCOで作業員3人が大量被爆し、うち2人死亡という臨界事故が発生しました。「事故を絶対に二度と許さない」思いで、東海第二原発の再稼働を認めない水戸地裁での3・18勝利判決をかちとりました。関西では「老朽原発を動かすな」を掲げ、9・6集会、9・23関電デモ、1・24集会に参加してきました。伊方原発をめぐっては、広島高裁の運転差し止め決定に対し、同じ広島高裁の別の裁判官が決定を覆す暴挙に手を染めた。許すことはできません。

朝鮮学校の授業料無償化を

 2013年安倍政権は、高校授業料無償化の対象から朝鮮学校を除外した。これに対し、全国で5つの学校法人や卒業生が取り消し訴訟をおこし、無償化を求めてきた。
2017年、大阪地裁は「教育の機会均等をうたった無償化法の趣旨に反している」と原告勝訴の判決を出した。ところが翌年、大阪高裁判決はこれを覆す判決を出した。昨年10・16には広島高裁判決があり、一審広島地裁の原告敗訴の判決を支持し控訴を棄却した。10・30には、福岡高裁も同様の判決を下した。断じて認められない。 
 朝鮮学校は、もともと第二次大戦後、朝鮮語を話せない在日朝鮮人弟妹に言葉を教えるための「国語講習所」として設けられた、民族教育の場が学校に発展したものである。朝鮮語を奪ったのは、日本の植民地支配、皇民化教育の強制であり、民族教育の保障は在日朝鮮人の当然の権利である。授業料無償化は、国が払うべき、ささやかな賠償なのだ。
 さらに、一昨年には幼児教育・保育の無償化の対象から、朝鮮学校幼稚園を除外し、そればかりか、新型コロナ対策事業(空調・換気など)からも朝鮮学校を除外してきた。重ね重ねも、差別排外主義そのものだ。
 全国連では、署名への協力、茨城での交流・学習など非常に限られたことしかできていない。大衆的な学習・交流の機会を創造的に設けていこう。無償化要求署名などの具体的連帯にとりくんでいこう。

荒本、茨城につづき、全支部で大会を

 荒本支部では、昨年は8・30に支部大会をおこなった。30人に参加を限定し、密を回避、全員マスク、検温・消毒も励行して。また、今年もコロナをおして、年始の旗開きを行った。2月から4月にかけては、税申告・家賃減免などの生活相談が集中する、最も多忙な時期だ。コロナ対策では、定額給付金の申請相談、業者の持続化給付金の申請相談に対応した。狭山意見広告運動では、数度に渡る団地ローラーを行った。診療所の改修を要求して守る会の大会、定例会をもち署名を集めて、行政交渉を 行った。昨年度に事務所を荒本会館から14棟に移転し、総がかりでひっこし作戦を行った。こうした全方向の日常活動と結合して、執行委員会、婦人の会などの月例会を行い、全国連の会費、支部費、機関紙代は、家賃と一緒に定期徴収し、遅滞なく本部に納めている。
 茨城県連も、7・5に、参加を限定して、第29回定期大会を行った。コロナ禍で制約を受けつつも、支部研修会、行政研修会、婦人部の各支部交流会・県大会ととりくんできた。また、狭山人権の会が主催するシリーズ学習会に参加。ここも、遅滞なく本部会計を納入している。
 例年大会をもってきた支部でも、昨年度はコロナ禍でお休みしたところも多い。しかし、今年は断固やりましょう。近年できていないところも、天神町支部に習って、挑戦しましょう。
 これまで述べてきた三大闘争をただやれば自然に組織ができるわけではない。やはり、支部大会を節目に、例会、新聞、会費集めを毎月きちんと継続していくことで、組織は組織として成立する。逆にいえば、支部大会のできる、月例活動を励行することです。婦人、青年の結集は、支部の宝です。支部が責任もって、交流会や茶話会からでもおおいにけっこう、集まる場をつくっていこう。

総がかりで本部建設を

 本部建設について、まず役員人事問題に触れなければならない。2020年度は、9・27拡中委(29回大会に準じる)での決定により、委員長代行に村上久義さん、書記長代行に楠木吉秀という暫定措置をとりました。
 2021年度は、30回大会において、正式な役員人選をおこなわなければなりません。断固瀬川さん中田さんをひきつぐ、委員長、書記長を選出しなければなりません。さらに、次世代への橋渡しとなるような人材の育成が待ったなしに必要です。中執を先頭に、総がかりで本部新体制を確立しよう。
 次に、新聞編集体制の確立です。当初は中田書記長のもと数名で編集会議を開いていましたが、最近は滝岡編集長のもと、4名のスタッフで編集会議を開いてきました。ところが、スタッフのあいつぐ闘病で現在は2名となってしまいました。スタッフの補充が急務で、追求中ですが、なかなか人材に苦心しています。それだけでは、十分ではありません。そこでたってのお願いですが、各地に通信員を1人、取材、原稿・写真の作成、編集部への集中を特別に位置付けして、任命してほしい。スタッフ、通信員、この両面から手を入れなければ、もはや新聞発行自体もままならない、ギリギリのところにきています。
 本部会計については、全支部からの会費等の完納を強く訴えます。予算的には、人件費の大幅削減によって、会費、新聞代、基金がとどこうりなく集中されれば、ギリギリで運営できるように編成しています。毎月きちんと励行されている支部、および基金協力者の皆さんには、心から感謝申し上げます。皆さんの毎月の奮闘に支えられ、本部は何とか踏ん張ってきました。しかし、他方、残念ながら、滞りがちな支部、ひどい場合は1年を超えて未納の支部が全国に数か所存在します。その分は、そっくり赤字となり、ほかでカバーのしようがなく、借金で賄うほかありません。もはや、健全支部から定期納入される会費、新聞代、基金だけでは、遣り繰りのしようがありません。誇張でなく、本当に借金財政が1年以上続いています。滞納支部、未納支部には、即刻改善を要請します。 (了)