2021年04月の記事

コロナ下で行動制限も 止まらぬ基地建設工事

「戦後76年」「復帰49年」沖縄の現実

反戦の階級的共同闘争を貫き
沖縄県民に連帯しよう!


この5月15日、沖縄は「本土復帰」49年をむかえる。本来ならこの日を軸に沖縄全県にわたっておこなわれる平和行進『ピースアクション』と県民大会という大々的な行動がある。そこには全国各地から多くの人々が現地に決起、合流する。
 しかし、コロナ情勢下で今年は昨年よりもさらに限定的なものとなり、大行動は事実上なくなった。だが、我々は沖縄の現実を忘れてはならない。

中止された全国行動

 今年の2月~3月にかけ、全国連から平和行進実行員会の事務局(沖縄平和運動センター)に何度も電話を入れた。最終的にはつぎの通り。【以下、事務局の話の要旨】
「結論から申し上げると、今年は(今年も)平和行進に関する全国のみなさんへのよびかけと案内はしません。ようやく昨日(3月3日)の会議で決定しました」
「ピースアクションはおこないますが、昨年よりも参加対象をより厳しく限定することになりました。県外ばかりでなく県内からも自由参加などの飛び入り参加は認めず、受け入れません。県内の諸団体とは連絡を取り、人数制限を設け、参加登録をおこないます。それ以外は受け付けないということです」

「現地では年末からたくさんの時間を使って開催すべきか否か、ケンケンガクガクの議論を続けてきました。昨年からの経緯もあるのでご理解いただけると思いますが結果としてものすごい数の人々が沖縄を出入りする、動く。それはこのコロナ下で踏ん張っている県民の理解を得られない。そういう点から苦渋の決断です」
「沖縄に心を寄せていただく全国の仲間のみなさんには本当に申し訳ないのですが、どうかご理解ください。来年、これまでに倍する行動を、と目指していますのでその時はよろしくお願いします」
とのことだった。残念でやるかたない。

 中止されない新基地工事

昨年、安倍から菅に、トランプからバイデンに、日米の政権が移行してもなお当然のように憲法改悪の策動は進められ、日米安保体制は強化されている。沖縄はとりわけ名護の辺野古新基地建設をめぐる攻防の只中にあり、文字通り軍備増強・安保体制強化の最前線である。そんな沖縄現地で闘う人々は昨年のコロナ感染拡大時、全国的な「緊急事態宣言」のもと、新基地建設阻止闘争をやむなく休止した。そして今年4月12日「まん延防止等重点措置」が適用され、『辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議』は、警戒レベル4への引き上げに伴って4月13日~5月5日のあいだ、再び抗議活動の中止を決定。5月1日に予定していた『県民大行動』も休止すると発表した。「抗議現場から一人たりとも感染者を出さないため」にである。
 にもかかわらず、辺野古では埋め立てが続けられ新基地の建設工事は強行されている。沖縄防衛局は「税金は新基地工事ではなくコロナ対策に!」「感染拡大する米軍基地の閉鎖を!」という沖縄県民の叫びを無視し続けている。
 辺野古の海の埋め立て工事をめぐっては防衛省が工事の契約変更を繰り返し、発注から2年半で工費が当初の259億円から416億円へ1・6倍に増えていることが今年3月7日の報道であきらかになった。しかも入札を経ずに増額を重ね、理由についても書類には「計画調整」などとしか記されていないという。
 また、先の国会で新年度の「思いやり予算」が2017億円に決まった。この「思いやり予算」とは何か。日本に駐留するアメリカ軍の経費のうち日本政府が負担している分であり、アメリカ軍施設の光熱水費やアメリカ軍の訓練移転費などに支払っている。1978年に当時の防衛庁長官だった金丸が「思いやりをもって対処すべき財政問題」などと発言したことからそのように呼ばれている。大災害から苦しんでいる被災者や、コロナで苦しむ患者・高齢者・医療労働者に充分な補償もせず思いを馳せることもせず、アメリカ軍・基地維持・新基地の建設には莫大な予算をつぎ込む政府。こんなことをこのままいつまでも許していていいのか!

 止めてはならない支援・連帯

日本の全国土の0・6%というわずか1%にも満たない沖縄の地に、日本のアメリカ軍専用施設70%以上が集中している。この現実をあらためて直視しなければならない。財政・予算だけの問題ではない。なにより自然を破壊され、海を埋められ、「演習」による轟音・公害・事故・事件に毎日毎日苦しめられている沖縄県民の、命・生活・尊厳がかかっているのである。
 全国連は2010年、沖縄県民大会と同時におこなわれる『人間の鎖・普天間基地包囲行動』へのよびかけに応え、『第19回全国大会』での議論と特別決議によって組織的派遣を大会決定し、現地に決起した。以来、階級的共同闘争とは何かを問い、青年部を中心に学んできた。座り込み、現地や住民との交流も含め、その内実を積み重ねてきた。しかし、三里塚闘争同様、軍事基地撤去のその日まで闘いは終わらない。全国連の三大闘争路線は不変であり、反戦・反核・反差別は一体のものである。そのことを再確認しよう。
〝沈黙は容認〟である。全国のすべての兄弟姉妹が沖縄に注目し、階級的共同闘争の矜持にかけて現地への理解・協力・支援を続け、共に闘い続けよう。

沖縄現地のようす、近況はぜひ『ヘリ基地反対協議会』のホームページなどへアクセスし、注目してください)