2020年12月の記事

2021年を狭山再審開始の時としよう!


 私たちはほぼこの1年のあいだ、新型コロナ感染の拡大という状況のなかで、活動の制約を余儀なくされました。狭山第3次再審闘争が下山鑑定をはじめとした新証拠の事実調べををはじめとした新証拠の事実調べをめぐる大きな山場を迎えるこの時期に、思う存分活動できない悔しさは、私たち以上に石川さん自身の思いであったと思います。
 2021年はかけ値なしの第3次再審の最大の山場となることは、この間の三者協議の推移を見れば明らかです。三者協議の推移を見れば明らかです。
 2021年を狭山再審開始の年ととするため全力で闘い抜きましょう。

万年筆「水洗い」説?で逃げを打つ検察意見書徹底弾劾!

インク補充で誤魔化す裁判所

 「発見された万年筆」は、「自白」にもとづいて発見された物的証拠として、「石川さん=犯人」を裏付けるものとされてきました。
 しかしこの「万年筆」をめぐっては、その発見経過やインクの色の違いなど、当初から被害者のものかどうか疑わしいものでした。
 被害者の使用していたインク(ジェットブルー)と発見万年筆のインク(ブルーブラック)が違うという歴然とした事実を、どう言い繕うか、上告棄却決定や第1次・第2次再審棄却決定は確かな証拠もなしに「ブルーブラックインクを補充した可能性」を持ち出してこの大きな矛盾に蓋をしようとしました。

補充説を覆した下山鑑定

 第3次再審になって行われた証拠開示によって、被害者が使用していたインク瓶や発見万年筆で書かれた文字などが開示され、事件当時では出来なかった「蛍光X線分析」という方法で、インクの成分分析が可能となったのです(下山第2鑑定)。
 鑑定によれば、被害者が使用していたジェットブルーインクにはクロム元素が含まれており、発見万年筆で書かれた文字からはクロム元素は一切含まれていませんでした。
 また、万年筆にジェットブルーインクを入れて、これを一旦排出し、ブルーブラックインクを補充したインクにはジェットブルーインクの成分であるクロム元素が検出される事も明らかにしました。
 発見万年筆で書かれた文字からはクロム元素は一切検出されていません。
 裁判所が言う「インク補充」という推測や可能性が完全に否定されたのです。

実証実験なしの水洗い説

 検察は下山第2鑑定が提出された当初、これに反論するために実証実験も含めて検討中と表明していました。
 しかし下山鑑定に打撃を受けた検察は、2年近くも反論を引き延ばしたあげく今年5月、実験抜きの「意見書」を提出し、裁判所の「インク補充説」では説明がつかぬとばかりこれをあきらめ、あらたに「水洗い説」を主張し出しました。
 「万年筆に残っているインクをすっかり洗い出したところへブールブラックインクを入れたので、ジェットブルーインクのクロム元素は検出されないのだ」という可能性を言い出したのです。
 発見万年筆にブルーブラックだけが入っていたことを見れば、万年筆を水洗いをしたのは事件当日のペン習字授業が終わった後でなければなりません。しかしそれでは被害者が万年筆を水洗いまでしてブルーブラックインクに入れ替える理由がありません。ペン習字授業が終われば帰宅して自分のインクを補充することが出来るからです。それとも、万年筆と無縁な石川さんが水洗いしてまでインクを入れ替えたとでもいうのでしょうか。
 検察は下山鑑定に追い詰められ、「水洗い」という方法を持ち出して、「インクを入れ替えた、だから下山鑑定ではクロム元素が検出できなかったのだ」としたいのです。
 整合性もない検察の「新説」を絶対に許すことは出来ません。
 下山鑑定の鑑定人尋問を実現し、「水洗い」の可能性を言い立てるだけで実証もしない検察意見書を徹底的に粉砕して再審開始を勝ちとりましょう。

 確定判決と検察の破綻をつき、鑑定人尋問―事実調べを迫る第2次意見広告運動を、全国の部落の兄弟姉妹、労働者・市民の力をあわせて成功させましょう。