2021年01月の記事

   2021年 狭山再審開始に向けて

           全力で闘おう!

戦争国家化―憲法改悪を策す菅政権を打倒しよう!

 新しい年が始まりました。年頭にあたり全国の同盟員、部落の兄弟姉妹、読者、共に闘う労働者・市民のみなさんに謹んでご挨拶申し上げます。
 昨年は、新型コロナウイルスの感染爆発が2波、3波とくり返すなかで、人々の社会・経済活動は大きな制約を受けました。それは私たちの運動にとっても同様に大きな制約となり、生活をも脅かすものとなりました。
 しかしこの新たな感染症の拡大をすべて自然のなせる災いとして受け入れるわけにはいきません。それは同時に、労働者を襤褸きれの様に使い捨てにし、公的責任さえ市場原理に叩きこんで、労働者・市民の命と生活をないがしろにしてきた政治が招いた結果でもあります。 私たちはコロナ禍のなかで深刻化する窮乏、格差・分断、差別をみすえて、歴代の自民党政治が招いたこの大失態をただしていかなくてはなりません。
 今年は、衆議院の10月任期満了を控え、コロナ対策やオリンピック開催、また憲法審査会での国民投票法改訂をめぐって、3月末の予算成立後は流動的な政治情勢を迎えます。憲法改悪―戦争国家化をねらう菅政権の延命を許さず、終止符を打つ絶好の機会としましょう。

狭山再審闘争の正念場

 2021年は、こうした政治状況のなかで、狭山再審闘争は事実調べ―鑑定人尋問をめぐって最大の攻防に入ります。
 インクの蛍光X線分析を行い、「証拠の万年筆は被害者のものではあり得ない」とした下山鑑定の鑑定人尋問の実現は狭山再審開始にとって欠かすことは出来ません。
 検察側は下山鑑定の結果を争うことから逃げて、突然万年筆の「水洗い」説を持ち出し、「水洗いしたのだから元のインクが検出されないのは当然だ」との暴論を持ち出しました。
 これは争うべき現実の土俵から逃げ出して、したり顔で幻の土俵に立つようなものです。
 最高裁は上告審棄却、第1次、第2次再審棄却の各々の決定においては「インク補充の可能性」説で証拠の万年筆のインクの違いをごまかしてきました。この「インク補充」説を完全に打ち破った下山鑑定をなきものにしようという検察の卑劣な意図を決して許してはなりません。
 検察意見書を粉砕し、下山鑑定人の尋問―事実調べ実現に向けて全力で闘いましょう。

闘う労働者・市民と連帯し、
     生活防衛、共同闘争の強化を勝ち取ろう


 昨年末以来、新型コロナの感染拡大はとどまるところを知りません。厚労省の調査でさえコロナ関連の失業者は8万人に上ります。実際にはもっと多くの労働者が路頭に放り出されているのです。中小の事業者は悲鳴をあげ、医療・介護労働者は極限の労働を強いられています。
 私たちは、こうした中でまっさきに窮地に立たされる部落のきょうだい、労働者・市民に寄り添い、いのちと生活を守る闘いを創造的につくり出していきましょう。
 また私たちは、自らの尊厳と権利をかけて闘う人々との連帯・共闘を強化しましょう。
 民意を無視した辺野古新基地建設強行に粘り強くたたかう沖縄の人々。軍事空港の建設に反対し、農地強奪とたたかう三里塚の人々。民族差別と排外主義、人権侵害とたたかう在日の人々、反原発をたたかう人々。不当な弾圧と闘う労働者。こうした様々な困難に向き合いながらも、真摯に、粘り強く、生きんがために闘い続ける人々に敬意とともにその闘いから学び、連帯・共闘を強化しましょう。それは同時に部落解放運動を豊かに発展させることでもあります。

 全国連は一昨年末に瀬川委員長を、昨年9月には中田書記長を喪いました。創立以来の全国連の屋台骨とも言える2人を続けてうしなった事は大きな痛手ではありますが、運動は立ち止まることはできません。何よりも委員長、書記長が全国連の運動にかけた「部落解放―全人民の解放」という壮大な人類的課題の実現に向けて、一歩でも前進させるために闘い抜きましょう。
 2021年。権力犯罪を糾弾し、狭山再審開始、石川さんの無実・無罪を決定づける年にするため、全力でこの1年を闘い抜こう!

        部落解放同盟全国連合会中央本部