2024年11月の記事


東京高裁・家令裁判長は

インク鑑定、事実調べを行え!


11・1寺尾差別判決50カ年糾弾!


高裁前で狭山大街宣、要請行動で

  万年筆の水洗い実験を敢行!


今こそ再審法改正へ


消費税・インボイス

    ・マイナ保険証は廃止!


 10月27日、衆議院選挙の投開票が行われました。私たちの応援した候補・政党は善戦しました。社民党は比例の得票数を減らしましたが沖縄で勝利、れいわ新選組は躍進しました。立憲民主党は大幅に議席を伸ばしました。各地のとりくみ、ご苦労様でした。
 自民党、公明党は惨敗。裏金と軍拡、国民を愚弄した石破政権に大打撃を与えました。自公と同列の維新も、議席を減らしました。民衆の怒りの反映です。しかし、まだはじまりにすぎません。むしろ自民党政治はガタガタ、新たな激動の時代が始まったと言わねばなりません。参政党や、保守党にも警戒しなければなりません。
 11日から始まる特別国会で誰が首相になるのか、アメリカ大統領選挙もからみ、予断を許さない状況が続きます。
 政権交代の期待もあります。国政選挙で大敗しても、総理総裁の辞任がないのは、聞いたことがありません。国民民主党ととりひきし、石破政権の継続となるにせよ、一時しのぎのアクロバットでしかありません。国民民主がNОと言えば、たちまち政権を投げ出すほかないのです。
 いずれにせよ、私たちの関心は「年収の壁」ばかりではありません。消費税、インボイス、マイナ保険証などをはじめ、私たちにとって切実な課題が山積です。牧原法務大臣が落選し、今後の再審法の扱いがどうなるのか、狭山の事実調べ・再審と併せ、一層の世論喚起が必要です。民衆が主人公の時代、その扉は開きました。軍事大国化、憲法改悪、生活破壊との対決はまだまだこれからです。


11・1寺尾差別判決50カ年糾弾!

狭山要請行動


「あらゆる運動がひとつに」ー袴田勝利の教訓に学ぶ

 要請行動に先だち弁護士会館で、参加者の学習会がもたれた。
 冒頭、主催の狭山大運動(略称)を代表して、長谷川直彦共同代表があいさつ。全国連から村上久義委員長のあいさつが続いた。狭山事件と人権を考える茨城の会代表の尾池誠二弁護士が発言した。
 石川さんのメッセージが司会の茨城の石川清さんから読み上げられた。
 全国連婦人部の岩崎喜子副部長が、万年筆・インク実験報告を行った。
 集まった100本を超える万年筆。先月には30人以上でインク実験を行い、これまで45本の実験を終え、インク実験したすべての万年筆が、水洗いしてもインクが残ることを明らかにしてきたと報告。「袴田事件に続いて、再審実現の決定打として検察・水洗い論粉砕へ頑張る」と述べた。
 「袴田さん再審無罪から学ぶもの」と題し、袴田弁護団の村﨑修弁護士が講演。
 袴田再審無罪判決は、味噌樽から発見された5点の衣類など三つのねつ造があったと断言。自白も虚偽自白ではなく、ねつ造自白と言い、警察と検察の連携プレーも驚くほど詳細に語っている。狭山事件との関係では、警察が5点の衣類を味噌樽に入れたのと、カモイの万年筆がねつ造されたのと同じだ。弁護団会議でも議論はあったけど、ねつ造とはいえなかった。ところが裁判所がねつ造と決めつけてくれた。弁護団を超えている。
 狭山では、万年筆インクのねつ造に絞るのは正解だと思う。勝利のためにあらゆる運動が一つに。バラバラではダメ。それが袴田勝利の最大の教訓、と述べた。
 寺尾判決批判を狭山大運動事務局の井橋さんから。寺尾判決の特徴として、一つは、「自白」を全面的に認めた判決であること。二つには、事実調べをやるといいながら、やらずに判決を出したこと。三つ目は差別判決であること。そのうえで、内田証言の差別性を指摘。石川さんが「自白」に至ったこと、一審で「自白」を維持した点について、改めて部落差別問題として訴えていく重要さを述べた。
 12・1奈良集会アピールを、呼びかけ人の北浦さんが行った。 鶴丸春吉狭山大運動共同代表がまとめを行い、事務局の内本さんが行動提起を行った。

要請行動のなかで万年筆インク実験をやりました

 11月1日、寺尾差別判決50ヵ年を糾弾する狭山要請行動が取り組まれた。
  12時から高裁前での街宣活動。東京高裁から見えるように、「家令和典裁判長は鑑定人尋問をおこなえ」「狭山事件の再審を開始せよ」と大書きされ、石川一雄さんとカモイの万年筆の巨大写真が写りこんだ新たな大横断幕が掲げられた。狭山大運動ののぼり旗が林立し、通行人を出迎えた。東京高裁正門前ではテーブルが設置され、婦人部による万年筆インク実験が、通行人の目の前で行われ耳目をひいた。17筆の署名が寄せられた。
 午後2時から、参加者は2班に分かれて、同時進行で東京高裁と東京高検への要請行動。

杉山訟廷管理官が席から移動し、インク実験を目の前で確認

 高裁要請行動では、13人が参加し、杉山訟廷管理官ほか2名が対応した。この日高裁前での訴え活動を興味深く見守っていた若者が飛び入りでこの要請行動に参加した。
 はじめに、北浦中執から10・31が寺尾確定判決が下されてから50年、その差別判決が今も続いていることを弾劾して始まった。
 続いて第3次再審請求の最終局面で、事実調べが不可欠であること、特に証拠のねつ造の可能性が大きい万年筆について、検察の「水洗いしてから別のインクを補充したから元のインクが検出されない」との主張がいかにでたらめか、訟廷管理官の目の前で実験してみるからよく見ていてほしいと、用意してきた万年筆と水と容器を取り出して水洗い実験を開始した。
 訟廷管理官は席を立って、実験しているところまで歩み寄りじっと実験の一部始終を興味ありげに見守っている。水洗いを3回繰り返しても容器の水は透明にならない。そのうちに新しい水がなくなるというハプニング、容器の水がインクで濁らないところまで行きたかったがもう水がない。仕方がない、ここでキッチンペーパーに万年筆で線を引いてみる、インクが紙にしみてくる。
 訟廷管理官には、水洗いではそう簡単にはインクが抜ききれないこと、たとえ容器の水が透明になっても、紙に書き続けているとインクがしみだしてくることを訴え、私たちの実験結果が写ったカラー写真を添付した本部要請書をはじめ6通の要請書を読み上げ、要請行動を終えた。

吉浪検事が身を乗り出してインク実験を凝視

 東京高検要請行動には12名が参加。東京高検から、吉浪主任検事、原公判課長、石井公判係の3人が出席。 最初に村上委員長があいさつ。袴田再審無罪判決など、この間の動きにふれ検察の対応を批判し、これからインク実験を行うので、検察官はしっかり見ていただきたいと述べた。
 その後、中央本部の要請文が読み上げられ、インク実験を撮影した写真のカラーコピー6枚と新聞切り抜きを添付資料として提出した。
 続いて、婦人部から要請文を読み上げ。その後、中田善枝さんが使っていたものと同じ種類の万年筆を使い、吉浪検事の目の前でインク実験を行った。
 万年筆を試し書きした後、3つのボウルに水を入れ水洗いを行った。1つ目のボウルではインクが染み出て水が濃いインク色に染まり、2つ目のボウルでも、色は薄まりながらもインクが染み出ているのが目視できた。3つ目のボウルでは水は透明な状態のままで、インクが染み出ていないことが確認された。水気をふきとり、キッチンペーパーに万年筆で書いてみる。キッチンペーパーにはインクの色がくっきりと浮かび上がった。実験の結果、水洗いではインクは消えないことは明らかだ。
 実験の様子を、吉浪検事は席から立ち身を乗り出して、凝視していた。 

再審法改正求め法務省行動

 午後3時から法務省前に全員が集まり、再審法改正を求める要請文の受け取りを求めて交渉。
 多少の時間が経過したが、結局、法務省は、その場での要請文の受け取りを拒否。郵送で送るように通告してきた。
 狭山大運動・鶴丸共同代表が、マイクで要請文を読み上げ、全員で抗議のシュプレヒコールをあげた。
 



万年筆水洗い32人で大実験

3種類の万年筆で試してみました

(スポイド式・カートリッジ式・コンバーター式)

 10月26日、37人が荒本人権文化センター料理室に結集した。3種類の万年筆に応じて3グループに。それぞれ実験方法の説明を受けて、いよいよ実験開始。 



  
 上・コンバーター式も中・スポイド式も下・カートリッジ式も水洗いを開始。それぞれ水が透明になるまで水洗い。 



   







   







   
 水洗い後、キッチンペーパーにペン先をつけてみる。どれもこれもインクがにじみ出てくる。 




   







   








 水洗いしても、やはりすべての万年筆にインクが残りました。検察は要請行動のその場で、その目で実験の結果を確認しました。「水洗いで元のインクはなくなった。だから元のインクは検出されない」などという根拠のないデタラメを今すぐ撤回しなさい。「発見万年筆」は捜査当局のねつ造以外に考えられません。



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