2023年7月の記事
緊急アピール

狭山大攻勢で停滞・逆流を突き破れ!

6・23座り込みにつづき、

      7・25要請行動へ!


 6月23日、東京高裁前には、巨大な横断幕があがった。全国から集まった人々は、路上に座り込んだ。道行く人々は、ことごとく巨大幕を眺め、座り込みに注目した。東京高裁大野裁判長のいる刑事第4部からも、植え込みを超えて、その光景がはっきり見えたはず。午前には検察、午後には裁判所に対して、全国各地からの火の出るような要請文が叩き付けられた。
 ここに、狭山大攻勢の開始が、雷鳴の如く宣言された。大運動共同代表・長谷川弁護士、「袴田事件」村崎弁護士も、マイクを手にし、裁判所を激しく糾弾しつつ、事実調べを訴えた。6・23行動は、すばらしく成功した。  東京高裁前は、狭山大攻勢の熱いステージに変貌した。いざ、この道を突き進まん。7月は、7・17関西集会を大成功させ、7・25要請行動へ、再び決起しよう。84歳、石川一雄さんの命運は、ここにかかっている。私たちの人生も、ここにかかっている。心おきなく、戦いぬこう。

一部の日和見主義をのりこえよう

 しかしまた次のことも見過ごせない。「袴田事件」では、検察が有罪立証の意向で、裁判官も同調しているという。怒りに耐えない。大崎事件では、再審請求が棄却された。断じて許せない。
 狭山事件では、検察が遅れに遅れ、やっと5月に最後の「法医学」意見書を提出した。妨害のための妨害。事実調べをさせないための時間稼ぎに他ならない。これに対し、弁護団はこの「法医学」の件も含めて、意見を提出するのだろうが、果たしてそれが、次回の三者協議(8月上旬)までに間に合うのかどうか。もしも遅れる場合、どういうことになるか・・・。強い危機感を持たざるを得ない。
 これらは、「袴田事件」「日野町事件」いらいの再審の流れに対する、明らかな逆流である。この事態に際して、他人事では済まされない。あえて声を大に発言する。
 たとえ、ひとつぐらいの案件を残しても、すでに昨年8月に11人の鑑定人尋問・インク鑑定を請求したのだから、その実現にしぼってガンガン攻勢にでるべきではないでしようか。 戦列の一部には、そういう突破力が感じられない。「すべて出そろってから」「運動は弁護団の後押し」「無方針が方針」「裁判長を刺激するな」という一部の考えが聞こえてくる。
 率直に言う。事ここに至って、検察の妨害に引きずられ、大野裁判長退官までに間に合わない公算もでてきた。もしも間に合わなければ、また新たな裁判長に交替ということになる。ここまできて、また一からのやり直しを繰り返すのか! もしもそうなったら、一体どう責任をとるのか! 石川一雄さんに何と言い訳するのか!
 いまここを、この停滞・逆流をぶち破る、運動体の行動が決定的に必要だ。6・23で道は開かれた。さらに7・17関西集会、7・25要請行動から夏の陣へ。
(なお、7・25は茨城・東京の当番ですが、可能な人は駆けつけましょう。8月以降は毎月行動1年で仕切り直ししますが、予定の当番態勢は堅持してください。)
 

第32回大会を開催

 6月11日、大阪府大東市民会館において、会場満杯の代議員・来賓の出席のもと、第32回全国大会を開催しました。その概要を報告します。
 大会運営委員より、議長に茨城県連・山田幸子さん、書記に野崎支部・新さんが指名されました。大橋中執の温度で「解放歌」斉唱の後、主催者挨拶を村上久義委員長より行いました。次に、東大阪市議会議員・松平要氏、三里塚開催実行委・安藤眞一氏より来賓挨拶を受けました。三里塚芝山連合空港反対同盟・萩原さん、狭山大運動共同代表・長谷川弁護士、同部落史研究家・本田豊氏のメッセージが紹介されました。
 議案の提案にはいり、最初に北浦財務委員長より、2022年活動報告を行いました。楠木書記長より、2023年度運動方針の基調報告を行いました(いずれも、既報)。さらに、各担当役員より課題別報告を以下3点行いました。
 ① 狭山春夏決戦を全力でたたかい、事実調べをかちとろう。② 9・24長野市議選に勝利しよう。③ マイナンバー、インボイスから命と生活を守ろう。
 役員選考委員長より役員人事案を提案しました。財務委員長より会計報告(2022年度決算、2023年度予算案)、会計監査より監査報告がありました。
 つづいて全体討論を行い、9人の代議員が発言しました(一部を以下に報告します)。これに対して楠木書記長から本部答弁をしました。
 大会決議を以下3点提案しました。「事実調べをかちとり、狭山再審を実現する決議」、「核や戦争、差別を許さない8・6ヒロシマをつくる決議」、「大軍拡・憲法改悪に反対する決議」。
 議長より以上のすべての提案について賛否をはかり、参加者の総意で採択されました。村上委員長による「団結ガンバロー」でしめくくりました。
 この大会で、全国連は狭山で勝ちに行く大攻勢の方針を確立し、9月長野、東大阪の選挙必勝を誓いました。


歴史を決する年にしよう 委員長・村上久義

 この大会は、歴史を決するものになります。ロシアによるウクライナ侵略戦争、そしてウクライナの反転攻勢、世界戦争・核戦争の危機をはらんで激化拡大しています。岸田政権は、これを機に防衛費倍増、「敵基地攻撃能力」の獲得、憲法改悪、原発推進、そしてまた大増税、生活破壊、と新たな戦前に突き進んでいます。その最前線として、沖縄に基地を増強し、再び沖縄戦の犠牲を強いようとしています。三里塚には、まっさきに襲いかかり、市東さんの農地を強奪しました。帝国主義の強権発動で、私たちの人権や生活をどのように踏みにじるのか、目の当たりにしました。決して許すことはできません。
 狭山闘争は、事件から60年をむかえ、第3次再審申し立てから17年が経過しました。いよいよ、今が事実調べをかちとる決戦です。「袴田事件」でも、捜査機関による証拠のねつ造が明らかになり、再審開始となりました。狭山はまさに、証拠のねつ造が、事実調べによってこそはっきりします。検察は、事実調べの必要なしとして、妨害に必死です。これは追い詰められた検察の悲鳴でもあります。検察の悪あがきを粉砕し、この第3次で何としても勝利しましょう。
 9月の長野市議選に組織内候補の中村俊二さん、東大阪市議選に連帯候補の松平要さんが立候補します。選挙に勝利し、部落解放運動の広がりをかちとりましょう。


9月選挙の必勝へ 長野市議選予定候補

          全国連中央委員・中村俊二

 2年前に、長野市議選への立候補を決意しました。定数36議席、ボーダーライン2000票の選挙です。後援会を立ち上げ、今現在の会員を倍にすべく、一つめの輪から、二つめの輪に広がりを追求しています。災害復興要求者組合機関紙「結」の定期発行、事務所の大看板などで、知名度も上がってきました。
 自民、共産、公明と4人で地元地区の支持の取り合いになります。わたしは、部落の代表として議席に挑戦します。部落の団結の回復、部落解放運動の復権のための選挙闘争です。
 ネット選挙にも挑戦しています。長野市議会選挙・選挙ドットコムから検索してみてください。全国から支援をお願いします。


東大阪市議会議員・松平要さん

 昨年の水平社100年を区切りにして、今年は新たな元年として、狭山闘争に勝利しましょう。岸田政権は、軍事力世界3位を目指す一方で、医療も、教育も、福祉もきりすて、「欲しがりません。勝つまでは」という、戦時下の世の中にしてしまおうとしています。それは、人権蹂躙がまかり通る状況にほかなりません。それに対する反撃の先頭にたつのが、狭山闘争です。
 9月には、長野の中村さんとともに、東大阪での選挙がひかえています。荒本の皆さん、すべての労働者の皆さんの声を市政に届けるための貴重な1議席です。何としても7選を果たすべく、たたかいぬきます。


全体討論より

茨城県連・石川清

 土浦児童クラブ差別事件の当該の親御さんが市の職員。その方と、経過報告を話をしながら確認会を進めてきた。狭山の資料を渡し読んでもらったら、「石川さんに勇気をもらった」と言っていました。
ところが、示現舎が、6月5日に市役所に行って、資料をもらったり、地元の部落に入って話を聞いたところ、当然にも、地元の部落の人が見も知らない相手に「私は部落です、差別を受けてます」なんて言わない。それをもって「差別なんか、全国連が勝手に言っていること」と示現舎は宣伝しています。それを動画などで流しています。本当に許せない。これをどうしていくか、一緒に考えてほしい。


西之阪支部・大橋ひかり

 全国連青年部は、5月21日に狭山現地調査、翌日に要請行動にとりくみました。長野や茨城からは小学生も参加して、総勢で25名でした。畑仕事のおじさんが声をかけ「もう終わりにしないとね。がんばってください」と言ってくれました。カモイを実際に見て、万年筆のねつ造を確信しました。
 わたしは、全国連結成の1992年に生まれ、両親、兄弟と狭山をやってきました。保育園の頃には、ゼッケンをつくり登園したり、人通りの多い奈良市内の通りでゼッケン・マラソンをしたり。今は若い人が集まるのは、なかなか厳しいけど、頑張って事実調べを実現し、再審無罪をかちとりましょう。




第32回大会で選出された三役
 委員長  村上久義 福岡・あさくら支部
 副委員長 山田幸助 茨城・中田支部
 同    滝岡広治 大阪・野崎支部
 書記長  楠木吉秀 大阪・荒本支部






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