2023年1月の記事

 新年のごあいさつ

狭山の事実調べ・再審かちとろう!

軍拡、農地強奪、原発推進―岸田の暴走を止めよう!
 
                   
           部落解放同盟全国連合会
           中央執行委員長村上久義


 2023年の新春にあたり、部落解放同盟全国連合会から、年頭のあいさつを致します。昨年は、一言で言って、転換の年でした。狭山の意見広告から、連続要請行動、狭山事件の再審を実現する大運動の誕生、ついに8・29事実調べの請求と、狭山闘争の大きな転換点でした。また、ロシアによるウクライナ侵略によって、世界戦争・核戦争の危機がもたらされるなかで、安倍元首相の銃撃事件から国葬の強行をステップにして、岸田政権は支持率の低下を開き直るかのように、防衛費倍増・大軍拡、原発推進=核武装に舵を切りました。まさに100年に一度と言うべき、時代の転換点が始まっています。
 今年は、これらをめぐる攻防が、火の出るような激突の年になります。全国連は固く団結し、狭山闘争の勝利を絶対の使命として2023年をたたかいます。三里塚農民と連帯し、軍事空港建設・農地強奪を阻止して、狭山闘争と反戦闘争を結合して勝利をきり拓きます。

第32回全国大会の成功へ

 去る12月18日、中央執行委員会が開かれ、今春の方針が決定されました。  
 第32回全国大会については、6月11日に大阪府大東市民会館(キラリエホール)で開催します。32回大会はどのような位置を持つのか(獲得目標は何か)。何をおいても、石にかじりついても狭山の事実調べをかちとる。そのうえでの大会です。また、三里塚や統一地方選をめぐって、岸田政権の大軍拡・改憲路線との対決も焦点化します。三里塚、選挙がもう一方の柱になります。
 さらには、組織建設の最大テーマとしての青年の育成に関して、5月(5・21-22)を青年部建設の狭山現調&全青交&要請行動として、青年を先頭に全国あげて成功させ、大会を迎えることが決定されました。議案書起草委員会が2月26日、拡大中央委員会が4月16日となりました。
 
今春にも事実調べ実現へ
 
 狭山闘争について、再審情勢は事実調べの攻防は年をこしたものの、1月下旬三者協議、2月検察意見、その先の裁判官の判断と、今春のうちには超緊迫した段階をむかえます。
 全国連は、昨年5月の第2次意見広告の大成功と、それを毎月要請行動、狭山大運動を両輪に引き継いで、決戦を長期強靭にたたかっています。
 現地調査は、狭山活動家づくりとして、他に替えられない取り組みであることが、改めてはっきりしました。次は5月、青年部建設の目的意識性をもって、全国あげた取り組みにします。
 要請行動では、8・24福岡、9・28中四、10・31関西、11・25婦人部、12・2茨城・東京と5回にわたって計画を実行しました。いずれも10人を超える参加です。自画自賛でなく、これ自体がすごいことで、どこも真似できません。財政的にも、特別カンパの取り組みなしにはできなかったことです。さらに今春、1・30長野、2月関西、3月福岡、4月茨城・東京、5・22青年と続けます。
 「大運動」入会は、11・18リーフ郵送~12・13現在で215口22万円。郵送だけでこんなに集まるのです。1000口目標は十分に勝算ありです。意見広告の際とまったく同じ(それ以上に)どんどんオルグしましょう。ハガキ、署名も各地で旺盛に取り組んでいますが、一層進めましょう。
 今春4月末か5月初旬に「大運動」の関西集会を開催します。狭山中央集会か「大運動」総会は臨機応変に再審情勢を睨んで構えます。

選挙、三里塚で軍拡・改憲阻止へ
 
 三里塚連帯について、現地闘争の報告を受け、真剣に方針を討議しました。座り込みやデモへの参加、野菜市への協力を検討しました。全国連として、狭山は絶対です。同時に大木よねさん以来の農地強奪を目の前に、三里塚を看過して狭山無しです。
 示現舎糾弾闘争では、公開質問状6の討議を行い、決定しました。部落差別事件をめぐって、宮部龍彦を打倒するまで追及していくことを確認しました。
 今年は統一地方選の年です。組織内候補、連帯候補は4月茨城、杉並、9月長野、東大阪とすでに連日の死闘に突入しています。全国連としてのこの選挙闘争の基本は、防衛費倍増反対、消費税反対の鮮明な態度の人を支持します。許しがたい選挙妨害を吹っ飛ばし、必勝の二文字にむかって頑張りましょう。



実物大カモイの模型を

要請書とともに高裁第4刑事部に


       12・2要請行動、高裁前行動報告

 12月2日、毎月の狭山要請行動の第5波として、茨城と東京を中心とした要請行動に取り組みました。 午前中は東京高検でしたが、検察官は欠席で公判事務課長らが対応しました。
 要請文を読み上げ、「すべての証拠を開示せよ」「検察は鑑定人尋問やインク鑑定に同意しろ」「乙部検事が出席できないときは別の検事が出席すべきだ」と口頭で要請しました。
 お昼の高裁前行動は、2つの横断幕を広げて、裁判所に向かってマイクで訴えました。またチラシやハガキの配布、署名活動に取り組みました。
 午後の東京高裁への要請は、今井訟廷管理官らが対応しました。
 今回は要請文の添付資料として、石川さん宅のカモイとまったく同じ寸法で作った木の模型を提出しました。
 要請室の中で組み立てて後方の壁に立てかけ、座って対応している訟廷管理官に「あなたから万年筆が見えるか」と問うと、「見えます」という答えでした。
 そして万年筆のねつ造は、下山鑑定とあわせて重要な争点になっていることを説明しました。「このカモイの模型を組み立てたまま第4刑事部に運び、大野裁判長が見える位置に置くように」と要請すると、訟廷管理官は「わかりました。責任を持って届けます」ということでした。
 今回は、要請行動の中で初めて、実物大のカモイの模型を第4刑事部に入れることができました。また要請文4通を読み上げて提出しました。


【参加者の感想】  茨城の山田委員長「要請後、(今井発言やカモイを高裁が受け取ったことで)笑顔で帰れるというのは初めてだ」
 茨城の婦人「検察庁は責任者がいないので、こちらの言うことを聞くだけだった。高裁はあんな大きな木の模型を受け取るとは思わなかった。今日は来て良かった」



示現舎・宮部龍彦への公開質問状 6
                 
             部落解放同盟全国連合会
 

1、宮部は、自分を部落民だとする

  大ウソつきであることが明白になった


 私たち全国連は、宮部の差別拡散行為をやめさせるために、これまで公開質問状を出してきた。
 初めの2回は、宮部の悪行に対して全面的な質問をした。すなわち、① 部落民だというウソ、② ネットでの部落情報の差別的な拡散、③ 部落地名総鑑への評価、④ 動機、⑤ 部落差別への認識(部落差別の存在、結婚差別等)についてである。
 これに対する宮部の回答は、のらりくらりと論点をずらしたりするものばかりであった。そこで3回目以降は、宮部が「自分は部落民である」と公言しているウソに絞って質問をしてきた。宮部は「全国連は部落民であるかどうかになぜこだわるのか」などと言っているが、それは宮部という人物がいかにウソつきで、その言動が信用できない人物であるかを明らかにするためであった。
 また宮部は「自分は部落民だ」と言うことで、多くの労働者市民に「差別を受けている部落出身者が主張していること」「部落民同士の意見の対立」と思わせることをねらっているが、その差別的な意図を粉砕するためであった。
 宮部は引くに引けなくなり、今も自分が部落民だという主張を撤回していない。しかし私たちは、この点については決着がついたと断じる。いつまでたっても宮部は自分のウソを認めることなく、居直っていくだろうが、私たちはそのようなウソに延々と付き合っていく暇はない。そこで今までのやりとりを整理し、次の論点に移る。
 これまでの公開質問状の応酬を見ている部落大衆や労働者市民は、いかに宮部がウソつきで信用できない人物であるかを理解したと思う。

2、宮部は鳥取市下味野の本村で生まれた一般地区

  住民である


(1) 宮部は、自分の出身地である「鳥取市下味野」は全国部落調査に掲載されている、そして下味野は部落であると全国部落調査や裁判所が認めている、という理屈で、自分は部落民であると主張している。
 これに対して私たちは、① 行政が指定する部落の対象地区指定はほとんどの場所で、大字単位で広く指定されている、② その地区内には一般地区住民も混住しており、かつての行政調査でも混住率などが示されていた、③ 宮部の実家の「下味野415番地の1」は下味野の本村であり、被差別部落ではない、と具体的に指摘した。
 こんなことは常識的なことで、宮部が知らないはずがない。知っていて、ウソを重ねている。そして「番地がどうであろうと、下味野と付けばそこは部落なのである」などと開き直るしかなくなっている。しかし自分の実家や隣近所を部落探訪で映して、「ここが部落です」とは決して流さない。いや、流せない。
 しかしさすがにそんなへ理屈は通らないと思ったのか、現在は下味野から逃げ出し、神奈川県の解放同盟員宅(裁判の原告の家)に本籍を移した。そして「本籍地を解放同盟員の家に移したんで、正真正銘、部落民ですね。いいかげんな話で、部落に本籍を移せば部落民なわけですから」などと言っている。なぜ本籍地を、「正真正銘の部落」に移す必要があるのか。「下味野415番地の1」は「正真正銘の部落」ではなかったのか。この行為自体が、宮部が部落出身でないことを自認したことである。
(2) 宮部の理屈は、「裁判所が、戸籍や住民票が全国部落調査に掲載された地区にあれば部落民だと言っている。だから下味野の私は部落民だ」ということに尽きる。
 自分のウソを自覚している宮部は、「解放同盟や裁判所が言うところの部落民です」などと、「条件付き部落民」のような表現もしている。そのデタラメさは、(1) で指摘したとおりだ。
 さらに宮部は、さかんに「部落は権力がつくった、裁判所という権力が下味野地区は部落だと言っている」などと権力にすがっている。しかし宮部はかつて同和事業の制度を利用しようとして、その対象ではないと裁判所にも判断されていた。宮部自身がブログで「鳥取市と鳥取地裁によって私の実家は同和地区でないことが証明された」と書いている。私たちがこの点を指摘すると、「この時点では同和かどうか分からないということが前提となっている」などと、いつも通りの意味不明の回答だった。
 宮部のいう権力が認定云々などというものは、ご都合主義の言い訳でしかない。

3、「全国部落調査」の拡散を阻止されていることが

  唯一の「差別体験」?


 部落出身者は、部落にルーツが有り、部落に本籍や住所があろうがなかろうが、いまも身分的差別としての部落差別を受けている。戸籍や住民票などの書類だけで、部落出身者かどうかが決まる問題ではない。だから裁判の原告となった解放同盟員は、自らの差別体験を陳述書として提出している。
 私たちは宮部に、親は部落出身者か、宮部自身の差別体験はあるのかと質問した。宮部の回答は、両親については「被差別部落出身者である」(第3回―3)と答えたが、どこの部落の出身かと具体的に問われると、「答えるべきものでもないし、答えられないし、答えたくもない。質問が非常識だ…」(第4回)と回答した。他人の部落には勝手に入り込んで墓まで映像を流している人物が、よく言えたものだ。その後、父親系統は下味野(本村の一般地区だ)だと認めた。
 さらに宮部自身の差別体験についての質問には「被差別部落民であることに苦しみや悩みはない」、小中学生の時に「部落民宣言に誘われたことはない」、親からは「部落民だと言い張れば部落民ということになるとは聞いている」と回答した。そして唯一の差別体験は「部落研究を妨害されるという悪質な部落差別」(!)を受けているという。
 宮部はまた、「アイヌ地区の優遇策が始まればアイヌになろうと思う」などと、アイヌの人人への差別を平気で書いている。宮部の「自分は部落民だ」という主張も、このような薄っぺらで差別的なウソである。今後も宮部が、自分は部落民だとウソをつき続けても、もはや誰も信用しないだろう。

4、人間性のカケラもない対応

 宮部に対して鳥取県の部落出身の支部員が、部落出身者は誰もが悩み苦しんだ経験を持っているが、あなたはどんな苦しみ・悩みを持って生きてきたかと質問した。宮部の答えは「『誰もが苦しんだ経験を持っている』ということに根拠はない」、自分自身は「被差別部落民であるということで苦しみ・悩みはない」と回答した。部落差別を受けることのない一般地区出身者の宮部だからこそ言える言葉だ。
 またその支部員が、部落差別は命まで奪うという具体的な例として、中学校時代の友人Hが職場で部落出身であることをさらされて悩み自死したことを挙げて、宮部の見解を求めた。これについて宮部は「『部落差別によって命さえ失った被差別部落民も数多い』という根拠がない」「詳細を確認できない…誰のことか分からない」と回答した。さらに宮部のやっている行為は、命に関わる深刻な問題だという指摘に対しては、「既に部落地名がインターネットで公になって何年も経ているのであるから、『命を絶つ人』が出ているはずなのに現実は出ていないのであるから……予想が誤りであることが証明され続けている」と回答した。
 さらに婦人部が、母親として子どもの結婚に際してどんなに差別への心配をしているかについて述べると、宮部は「結婚差別などという言説は悪質デマ、オカルト、陰謀論の類いである」と回答した。
 これは宮部の人間性のゆがみを示して余りある回答だ。そこには差別を受ける者への冷たい憎しみしかない。
 この間の公開質問状でのやりとりをみている皆さんは、宮部がいかにウソつきであるか、差別者であるかを充分に理解されたことと思う。
 宮部は最近、全国連が荒本支部と野崎支部で不当な利権行為をしているかのようなことを書いている。自分のウソを追及されて、論点をずらしたいという魂胆が見え見えである。私たちはこのような見え透いた挑発に乗るものではない。

 私たちは、以上の1~4について、宮部の回答ならざる回答は求めない。もうこれ以上、宮部のへ理屈に付きあっても意味はないと判断し、次の論点に移る。

5、解放運動があるから部落差別がおきる

  というウソについて

 宮部は、結婚差別はない、親が解放運動などやっているから相手が忌避するのだと言っている。また「部落に住むと差別されるなどという根拠のない風評被害を広めている側こそが言動を撤回し謝罪しなければならない」と解放運動を批判している。
 これは、部落差別はもうない、あるとしたら解放運動が引き起こしているのだとする地対協意見具申の立場である。宮部は、権力とは闘うなどと言いながら、解放運動を解体しようとする権力の手先そのものである。
 この宮部のウソと差別性について明らかにするために、以下、質問する。
 一つの具体的な差別事件として、茨城県で今年発覚した差別事件を取り上げる。土浦市の小学校児童クラブの支援員3名が、地元の部落からクラブに通っている児童に対して、大勢の児童の前で次のような差別発言をした。
 支援員1は、大便の粗相をした子に「部落出身だからねえ、ウンコも漏らすよねえ」と発言して他の支援員と一緒に笑っていた。
 支援員2は、別の女児に「Aちゃんは部落だから、頭が悪くて、私らが言っている話が理解できない」と発言。さらにその子の家が廃品回収業をしていることについて「ゴミ屋です。○○では被差別部落カーボを△△の連中と呼ぶのだけれど、Aの家はゴミ屋の仕事なんです。ゴミ屋なんて普通はやらないでしょう、△△人だからなんですよ」と発言。隣にいた支援員1も「そうなんですよ。コジキだったんですよ」と発言した。
 支援員3は、市内の別の小学校児童クラブに勤務していたが、同僚がこの小学校のクラブに異動することが決まると、その同僚に「○○は部落が沢山あって、親が普通じゃないから、あんな所に行ったら大変だわ。私なら怖すぎて行けないよ。部落だよ、相手は」と発言した。
 差別発言した支援員は「部落については、近所のおばあちゃんから△△という所は同和の人たちが住んでいる…と聞きました」と言っている。
 この差別事件の背景には、運動団体はまったく関係していない。地域の一般地区住民が被差別部落に対して根深い差別意識を今も持っていることを示している。
 宮部は、これも解放運動のせいだというのか。私たちが「部落に住むと差別されるなどという根拠のない風評被害を広めている」というのか。そのような見解を撤回し、謝罪するべきである。
 回答を求める。      以 上

2022年12月19日   部落解放同盟全国連合会 






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