2024年12月の記事
暗闇に光を! 今こそ狭山勝利へ!
侵略戦争・部落差別とたたかう
全国連に結集しよう
10 2024年も慌ただしく過ぎようとしています。12月1日に、奈良で狭山集会があり、関西圏の全国連も駆けつけました。会場満杯の盛況で、奈良県下の各地から多士多彩な顔触れが集い、これまでにない賑やかな集会でした。奈良に狭山闘争の新しい運動がスタートしたと、実感させるものでした。
このこともあって、ゆっくり振り返る間もないまま、年の瀬を迎えました。「年間総括」として1年をバッチリ締めくくるものは、別に譲るとして、ザックリと1年を振りかえってみましょう。
事実調べは佳境をむかえた
狭山闘争では、1年前に裁判長が交替し、事実調べがいよいよ佳境をむかえました。11月12日の三者協議のもようは、
![夕刊1面に「再審請求3度狭山事件」と報じられた(毎日新聞11月5日付)](mainitisinbun.jpg)
それをもたらしたのは、85歳をむかえた石川一雄さんの「私の命あるうちに再審無罪を」という渾身の訴えでした。それにどう応えるのか、私たち一人一人が問われ、全支援、弁護団が問われました。
婦人部が声を上げました。「万年筆を100本集めよう。自分たちの実験で、検察の空論による抵抗を粉砕し、下山鑑定(万年筆・インク鑑定)の事実調べを実現しよう」普段の生活では万年筆とまったく無縁な人が、この方針を思いつき、実際に実現したことが決定的なのです。石川さんの叫びが、婦人たちに乗り移った、というほかありません。不可能と思われた100本の万年筆を集め、実験で「いくら水洗いしても前のインクは消えない」ことを100%証明し、ついには要請行動の中で、検事、職員の目の前でその実験を実現しました。それが、注目と波紋を広げ、三者協議のなかにも反映されはじめました。
いまひとつ、9月26日の袴田巌さんの再審無罪判決は、大きなインパクトとなりました。とりわけ、証拠の捏造を裁判でハッキリ認定したことは、おおいに意義があります。狭山事件での万年筆は、袴田事件の5点の衣類とまったく同じです。「次は狭山だ」の号令となりました。
侵略戦争・核戦争は絶対阻止
水平社創立100年を過ぎ、「戦争と部落差別」を考える重要な転機の1年でもありました。ロシアによるウクライナ侵略戦争は泥沼化し、核使用の恫喝、参戦の拡大と、世界戦争の瀬戸際に入っています。
中東・パレスチナに対しては、アメリカの支援するイスラエルの殺戮戦争が1年を超えました。「パレスチナ人は人間外の動物だ」「(赤ん坊も)パレスチナ人に生まれたことが罪なのだ」と公言して憚らない虐殺者ども。その共犯者たる米欧日の帝国主義。それが、目の前でまかり通るこの世界に、私たちは底知れぬ暗闇と憤りを覚えずにはおれません。
かって私たちの祖先もまた「人間外の人間」としてさげすまれ、人間として生きる権利を奪われてきました。その歴史は、こんにち尚、石川さんのなかに、私たち一人一人のなかに、そして私たちの子や孫にも、刻まれています。それに負けずに、人間らしく生き抜くためにこそ、部落解放運動にたちあがってきました。そういう私たちだからこそ、パレスチナやウクライナの苦悩をわがものとし、戦争と核に対して、心からNOを叫ばねばなりません。
沖縄に対するまたしてもの「琉球処分」、辺野古の新基地建設をはじめ最前線基地化を断じて許さない。少数与党となった石破政権を打倒し、軍事大国化、生活破壊を阻止しましょう。再審法改正をかちとり、インボイス、マイナ保険証を廃止しよう。刻む会の営々たるとりくみに敬意を払い、長生炭鉱の遺骨収集を共に実現しましょう。
部落差別とたたかう全国連を大きくし、来年こそ狭山闘争に勝利しましょう。青年、婦人の結集をかちとりましょう。
狭山事件61年ー無期判決50年 人権・冤罪と再審問題を考える
12・1関西・奈良集会 垣根をこえて結集する
![奈良から新たな狭山大運動を巻き起こすスタートを切る(2024年12月1日 奈良市)](narasyuukai.jpg)