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神戸地裁はどんな判決をだしたのか (判決文要旨)
「改良住宅に応能応益制は導入できない」と明記
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住民側の勝訴を伝える新聞各紙(4月1日) |
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▼主文(裁判の結論)として
@旧家賃で供託をしている住民は、それ以上に家賃を払う必要はない。
A神戸市が求めた〈住宅の明け渡し〉〈増額家賃の支払い〉〈その仮執行(強制取り立てや追い出し)〉はいずれも認めない。
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▼供託は有効、滞納ではない
神戸市は「公営住宅の家賃は『行政の施設の使用料』であって、民間の家賃のように住民が裁判で争うことはできない」「市の決めた額を払わないと滞納だ」と主張するが、それはまちがっている。
住民は法律で決められた旧家賃を全額供託しており、家賃の滞納はしていない。
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▼改良住宅への応能応益制の導入は違法・無効
改良住宅(同和住宅)のもとになっている住宅地区改良法(29条3項)は、「改良住宅の家賃に応能応益制を採用してはならない」と定めている。
改良住宅(同和住宅)は部落の劣悪な生活環境を改善し、健康で文化的な生活を国の責務として保障するためにできたものであり、一般公営住宅とはあきらかに目的がちがう。同和事業に協力して住んでいた家を立ち退いた人が、そのかわりに収入のいかんにかかわらず同一の家賃で、優先して入居できることを法律で定めている。
応能応益制を導入すれば、収入の高い世帯にとって住む権利が不当にうばわれることになり、違法である。よって、応能応益制による家賃の値上げは無効である。
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▼建設省通達は無効
建設省は「改良住宅についても応能応益にできる」とした通達をだしている。しかし、そもそも「通達」などで、法の規定を変えることはできない。よって、この通達に効力はない。
改良住宅に応能応益制を認めた市の条例や規則、ならびにこれらに基づいて改良住宅に応能応益制の家賃を導入したことは、いずれも法律に違反しており、無効である。
したがって、値上げ前の家賃をこえる部分は支払う必要はない。
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▼行政は、供託している住民に、値上げ分の家賃も明け渡しも請求できない
そもそも今回の家賃の値上げが違法で無効なのだから、神戸市がその値上げをもとに新しい家賃を請求したことじたいが無効である。
住民は法律にもとづいた正しい家賃の支払いをおこなっている。神戸市が不当に受け取りを拒絶したため、供託してきたものである。よって住民に何らの滞納もない。
故に、神戸市の明け渡しおよび損害賠償の請求には理由がない。
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