被爆70周年8・6ヒロシマにつどう「きずなinふくしま」をメインに

(2015年08月10日)

  広島市福島地区
地域、全国から反戦・反核・反原発、反差別の思い集まる
    被爆者の思いを受け継ぎ、反戦・反核・反差別の闘いを未来につなぐ
「被爆70周年 8・6ヒロシマ」が、「きずなin ふくしま」をメインに、8月6日、広島市福島地区において、実行委員会(代表 森島吉美さん)主催でおこなわれました。今回、はじめて被爆地の福島地区内で、午前はいきいきプラザ(旧隣保館)での屋内集会、午後は区役所前緑地一帯を「解放区」にしてステージを中心に開かれました。今号は、その速報、いずれ地元からの総括をお伝えします。 何はともあれ、毎週のように集まって準備された地元の皆様に心から敬意を表します。遠方からの皆さんの参加も、暑い中ご苦労様でした。
    午前は集会に百数十人、午後は緑地一帯にのべ数百人。企画は盛りだくさん。はじめての試みとして成 二度と戦争・原爆は許さない! 広島・福島町の被爆者、被曝二世三世がリレーアピール(8月6日広島市福島地区いききプラザ) 功であったと思います。8・6の企画として、これまでの屋内での全国集会型に加えて、もう一つのあり方に指をかけたと思います。
    集会は、森島代表のあいさつにはじまり、地元代表河井さん、来賓として沖縄から知花昌一さん、全国連から中田書記長が発言されました。
    知花さんは「福島地区にきたのははじめて。地域の人も参加できる場ができたことはいいこと」「安保のことはどうあれ、基地問題は沖縄の生きざま。だからオール沖縄で基地に反対している」とのべられた。中田書記長からは「ここで8・6を迎えることは、私に 沖縄から知花昌一さん(左)が参加 とっても願い。部落解放運動は自分の住居、生活の場からの運動。その強みを活かして長続きするものに。8・6もそういう再出発点にたった」とのべられた。
    この集会のメインとして、被爆者、被爆二世三世、計5人の方からリレーアピールがなされた。三浦茂文さんは、17歳で被爆した。「原爆で一瞬に20万人 被曝1世、2世、3世のパネルディスカッションで自分の体験を語る福島町の被爆者 死んでも、それでも盗みをしても、食べて、飲んで、70年生きてきた。しかし70年たっても被爆者の方たちは悲惨な目にあっている。放射能のことが避けられない。核を無くす、全部廃絶すること、それはひとのためではなく自分のため」と懸命に訴えられた。二世三世からは、その思いを引き継いでいく熱い決意がのべられた。 山口から狭山署名活動
    原爆詩の朗読、福島原発や四国の伊方原発再稼働とたたかう人々からのメッセージのあと、実行委員会・李金異さんからまとめがのべられた。「私は入市被爆。父が韓国から広島に連れてこられ・・・。70歳80歳になると、突然放射能がめざめる。 今回はたいへんだったが、やってみてよ 狭山の紙芝居も かった」 午後の区役所前緑地帯での催しでは、地元妙蓮寺住職と仏教徒・知花昌一さんによる被爆者供養の説法から開始された。8・6は地元住民にとって鎮魂の日である。参加者全員がそのことを大事に忘れず、供養に集中して行われた。
    せんじがら、たもぎ、広島風お好み焼きなどの飲食コーナー、フェイスペインティング、フリーマーケットなど多彩な出店が、地元の人達を中心に並んだ。 アピール、和太鼓、歌、三線演奏・・・盛りだくさんのステージ企画で沸く(区役所前緑地一帯) 山口からは狭山の署名活動、ステージでのアピールも。
    ステージでは、すばらしい和太鼓演奏、歌唱、三線演奏、バンド演奏などが4時間にわたっておこなわれた。 被爆70年の8・6ヒロシマ。8・9のナガサキ。「自分たちが死んだらあとは誰が引き継いでやってくれるのか」という被爆者の必死の思い。三浦さん、李さんたちは、その思いにそって、「きずなinふくしま」をどう総括されるでしょうか。この初めての挑戦は、来年以降にどうつながるでしょうか。
    「被爆から70年。そのうち50年は沈黙。被爆から、とにかく生きていくこと 「かもい」を再現して狭山事件を訴える がすべて。また、話せば差別されるから。やっと20年前から人前で語り始め、そして20年たっても、まだ決してすべてを語ったわけではない。確かに、被爆体験者は高齢化し、放射能に苦しみ、年々、大勢の方が亡くなっていく。しかし、原爆を生んだ根本は、何も変わっていない。それどころか、安保、基地、何より原発事故と再稼働に見られるようにある意味70年前より深刻。それなのに被曝者が死に絶えたら、問題も風化されるとか。まるでファッションショーのように扱ったと思えば、他方、なぜかフクシマは、どんどん後景化されていく。おかしな話だ。」 。
    私たちも、何十年もヒロシマを見ているのに、まだ見えていない宿題を抱え続けている。今年を期に、地元につながってほしい。同時に、地元だけやない。みんな、宿題が終わった人は誰もいない。
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