狭山要請行動に向けての婦人の決意

(2015年05月17日)

      石川一雄さんが国家権力に不当逮捕されて今年で52年を迎えようとしています。そして32年間の投獄で石川さんが奪われたものは、人生そのものです。青春を奪われ、獄中で両親を亡くし、その上、殺人犯という汚名と今も見えない手錠を科せられています。
    石川さんのご両親は、我が子の無実を信じ「無実を勝ち取るまで頑張ろう」と抱きしめて声をかけてあげたくても、獄中の石川一雄さんを抱きしめることはできなかったご両親の無念さ。「今も頑張っているよ」とご両親の手を握り、報告したくても出来ず、未だ墓前に手を合わせることもできない石川さんの無念さを私たち婦人が先頭にたって、晴らさなければなりません。
    さらに、部落差別を受けて“無念”という思いで亡くなられた全ての人の“無念”を晴らすのは、狭山差別裁判で石川一雄さんの完全無罪を勝ち取り、国家権力に土下座させ、石川一雄さんを殺人犯に仕立て上げた事を後悔させる闘いをすることです。
    一審の死刑判決は、「被告人が小学校すら卒業せずして、少年時代を他家で奉公人として過ごし、父母のもとで家庭的な愛情に育まれる事が出来なかった事は、その教養と人格形成に強い影響を及ぼしたであろう」と部落差別に満ちたものでした。部落のきょうだいは、差別と貧困の中を必死で生き抜いてきました。
    石川一雄さんのご両親も誰よりも深い愛情で我が子を育ててきました。この判決こそ、部落が悪の温床であるという部落差別そのものです。私たち婦人は狭山闘争の初心に帰り、「石川命、わが命」で狭山要請行動の最先頭にたち、石川一雄さんと共に再審を実現し、完全無罪を勝ち取るまでたたかい抜きます。
(おわび)5月1日の全国連婦人部の要請行動に向けて寄せられた「婦人の決意」の掲載が遅れましたことをお詫びいたします(編集部)。
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