狭山第3次再審闘争に勝利しよう!

(2015年03月17日)

  全国連第24回大会 狭山闘争議案書草案
(1)検察が「証拠物リスト」を開示

    本年1月22日、東京高検はついに隠し続けてきた「証拠物リスト」を開示しました。これは検察を追いつめた大きな成果です。
    検察は昨年10月、証拠リストを開示せよという声の高まりに対して、「裁判所は開示勧告を出すべきでない」などという居直りの意見書を東京高裁に出しました。どんな証拠があるかは検察だけが知っていればよい、どんな証拠を出す必要があるかは検察だけが判断すればよい、という実に反動的でごう慢な意見書でした。
    これに対して私たちは要請行動などで猛然と追求し、東京高裁さえも「開示したらどうかと再度促す」事態になりました。検察もこのような声を無視できなくなったのです。「リスト」には279点の証拠物が記載されており、その内44点はこれまで存在が明らかになっていなかった未開示証拠だということです。
    しかし「リスト」が開示されたとはいえ、証拠物そのものが開示されたわけではなく、それはこれからが攻防戦となります。
    また今回の開示は部分的でしかありません。第1に証拠物のみで、石川さんに「自白」を強要した供述調書や捜査関係書類などは含まれていません。第2に東京高検の管理するものだけで(それも本当にすべてかどうは分からない)、警察や地検が隠し持っているものも対象外となっています。ともあれ、証拠開示のたたかいは新たな段階に入りました。私たちは今回のリスト開示という勝利の一歩を足がかりに、この44点をはじめとした証拠物の開示、さらにすべての証拠リストと証拠開示を要求して、検察を攻めて攻めて攻めまくりましょう。
(2)事実調べをかちとろう
    証拠開示のたたかいと並んで決定的に重要なのは、東京高裁に「事実調べ」をさせることです。ここに再審開始の正否がかかっています。河合裁判長は、現在に至るもまったく事実調べをしようとはしていません。弁護団が求めているOさんの証人尋問についても応じようとはせず、鑑定人への尋問などもまったくやろうとはしていません。
    一方で、昨年3月の袴田事件再審開始決定(検察が抗告中)から後、今年にかけて再審事件への棄却決定が相次いでいます。
    飯塚事件、福井中学生殺人事件、姫路郵便局強盗事件、高知白バイ事故事件など。そして今年1月には名張毒ぶどう酒事件でも、事実調べがないままに再審が却下されました。
    国家権力は、袴田事件の再審開始決定を反動的に総括し、再審の門を一層厳しく閉じてきています。 私たちはこのように、河合裁判長が狭山事件の事実調べを行おうとしないことを徹底糾弾し、一部にある「今度は狭山は大丈夫」といった楽観論を厳しく戒めなくてはなりません。そして何としても事実調べをかちとり、再審開始につなげていきましょう。
(3)各地で創意ある取り組みを
    私たちは三者協議を節目とし、それとかみ合うかたちで東京高裁、東京高検への波状的要請行動を柱にたたかってきました。今年もこのたたかい方をさらに強化していきましょう。
    要請行動を支えているのは、各地でとりくまれている日常的な網の目のたたかいです。
    大阪北摂支部では毎月23デーが取り組まれており、荒本支部、番町支部(準)、奈良、長野などでもくり返し情宣、署名、カンパ活動がとりくまれています。長野では、いつも多くの村の人たちの声をハガキや手紙にして要請しています。
    また福岡あさくら支部、広島支部などでも狭山学習会がとりくまれ、荒本支部では子ども会の狭山集団登校が継続されています。茨城県連では反原発や「障がい者」運動などにとりくむ多くの市民と新しい市民団体を立ち上げて「みえない手錠をはずすまで」上映運動が取り組まれています。
    このような日常的な狭山闘争を、「新たな挑戦」の中に位置づけ、差別とたたかう村の団結、解放運動の再建の課題と結合しながら取り組んでいきましょう。
▲このページのトップにもどる