袴田事件第2次再審 (静岡地裁)で再審開始決定

(2014年10月27日)

  捜査機関の証拠ねつ造を断罪
    今年3月27日、袴田事件の第二次再審で静岡地裁は再審開始を決定した。
    注目すべき点は、死刑の執行停止に加え、拘置の執行停止を決定したことである。静岡地裁の再審開始決定はその理由として、「元被告は,捜査機関によりねつ造された疑いのある重要な証拠によって有罪とされ、きわめて長期間死刑の恐怖の下で身柄を拘束されてきた。・・・これ以上、元被告に対する拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する」と述べている。
    ここまではっきりと捜査機関の証拠ねつ造を断罪した例は今までにない。このねつ造された証拠というのが一年以上もたった味噌タンクから発見されたとされる、血染めの「5点の衣類」である。
    ひるがえって狭山事件を見てみると、捜査機関の証拠のねつ造がなんと易々と行われていることか。万年筆、時計、カバンの三大物 証をはじめありとあらゆる汚い手段で石川さんを犯人にでっち上げたのだ。何人といえども許されない。
抗告審で検察の証拠隠しが発覚
    現在、袴田事件の第二次再審は検察の即時抗告によって、東京高裁で争いは続いている。しかしここで検察のあらたな証拠隠しが発覚した。検察が今まで二度もないとしてきた「5点の衣類」の写真ネガが弁護団への反論の根拠として提出されたのである。なんと悪質な証拠隠しであろうか。証拠開示に際して検察が「不見当・不存在」などと言うのは証拠隠しの常套手段と心得るべきだが、その結果無実を晴らすことが出来なかったとしたら、検察組織などないほうが人々のためだ。
    検察の証拠隠しは犯罪である、これを弾劾し狭山再審を勝ちとろう。
袴田事件とは
    1966年6月30日、静岡県清水市(当時)にあった味噌製造会社の専務宅で火災が起こり、一家4人が刃物で刺された状態で発見された。事件は強盗殺人、放火事件として捜査され、8月18日、味噌工場2階の従業員寮に住んでいた元プロボクサーの袴田巌さん(当時30歳)が逮捕された。
    取り調べは連日12時間に及び、20日後の9月6日に「自白」に追い込まれたが、公判で否認に転じた。一審静岡地裁は死刑判決を下し、控訴、上告も棄却され判決が確定した。
    問題の血染めの「5点の衣類」は起訴から1年後、味噌工場のタンクから発見されが、第2次再審(静岡地裁)ではこの衣類を「捜査機関のねつ造」と断じ、刑の執行停止と拘置の停止も決定した。
    現在検察側が即時抗告を行っている。
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