第19回三者協議とその前後の新証拠・証拠開示について-

(2014年10月27日)

  検察の証拠隠し弾劾! 徹底した証拠開示をおこなえ!
    7月25日関源三巡査作成の6月23日付捜査報告書を新証拠として提出。 この捜査報告書は「被疑者石川一雄が取り調べの合間に本職にたいして語った言動」と題され、石川さんが逮捕後1ヶ月の6月23日に単独犯行を自白しはじめたその日に作成されたものです。石川さんが遺体の状況を知らなかったこと、自白が作られたものであることを示す重要な新証拠です。
    この「関報告書」によれば、石川さんは取り調べを行っていた3人の刑事を退席させ、見知っていた関源三と2人で話したとなっています。石川さんは「Yちゃんはどうなっていたんべい。それを教えてくれればわかるんだ」とたずねたと報告されています。関源三は第2審でも同じように証言しており、録音テープの内容も一致しています。
また、弁護団が先に提出した取り調べ録音テープの反訳では、石川さんはタオル(後ろ手に縛っていた「手ぬぐい」とは別物)は被害者の口をふさぐために使った、遺体を捨てるときもそのままだった、と繰り返しています。これにたいし関源三は繰り返し「間違いってこともある」「よく考えたらどうだってこともある」と、遺体の状況と違う供述だということを石川さんに強く示唆しているのです。このことはタオルで目隠しされていた遺体の状況を石川さんは知らなかったことを示しています。
    まことにおかしなやりとりですが、容疑者が警察に遺体の状況を聞いたことになります。取り調べで遺体の状況を聞かれた石川さんが答えられなくなって関源三に教えてほしいと頼んだと言うことです。これは石川さんが犯人ではない、だから何も知らない、自白は警察の筋書きで誘導されたことを示すものです。
    この「関報告書」を新証拠として、取り調べ録音テープと併せて提出しました。
    弁護団はあわせて自白の経緯、三人共犯自白から単独犯行自白に自白が変遷した経緯に関わる捜査資料の開示を求めました。
8月20日 第19回三者協議
    弁護団は「手ぬぐい」に関する初期の捜査資料の開示を求めていましたが、検察は不見当、ないしは開示の必要なしとの意見書を提出しました。
    未開示の筆跡資料につては検察から裁判所に提出され、裁判所は開示の方向で検討中としました。
    また証拠リストについては、裁判所は開示の方向で検討してほしいとの姿勢を示しました。
    この日の三者協議ではあらたな証拠開示はありませんでした。次回の三者協議は10月下旬の予定。
9月11日脇中洋(大谷大学教授)鑑定書を提出
    取り調べ録音テープを心理学的に分析した鑑定意見書は、取り調べ録音テープの内容を、脅迫状作成、脅迫状を届ける経緯、殺害・死体処理、万年筆・時計・鞄の三大物証、動機など犯行筋書き全般にわたって録音テープのやりとりを分析し、石川さんの犯行自白の供述は真の体験の記憶に基づくものとはいえないと結論づけており、石川さんの無実を示すものです。
    また弁護団は、手ぬぐいに関する初期の捜査報告書を再度開示を求めました。 それとともに、7月25日、「関報告書」の新証拠提出に関連して、自白の変遷に関わる取り調べ録音、特にまだ開示されていない三人共犯自白以前の否認当時の取り調べ録音、捜査書類もあるはずとして開示勧告申立書を提出しました。
9月17日 未開示の筆跡資料が開示される
    今まで弁護団に開示された証拠には番号がつけられていました。この番号は検察側がつけた番号で、その番号が飛んでいるところは未開示の証拠があること、その中に筆跡資料があることは検察も認めてきました。
    この筆跡資料について検察はプライバシーを口実に開示を拒んできましたが、この間の三者協議で裁判所に提出し、検討することになっていました。
    9月17日、裁判所からこの筆跡資料が複数開示されました。
    まだ詳細は不明ですが、この狭山事件では事件当初、多くの部落青年の筆跡や血液型やアリバイなどが調べられました。部落への差別的な見込み捜査が警察ぐるみで行われた証拠です。
    検察は証拠開示に執拗に抵抗しています。また裁判所は開示勧告を避けています。必ず再審を開かせるために要請行動、要請ハガキ運動をさらに強化していきましょう。
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