居住と生活を守る7・6集会が成功

(2014年08月03日)

  【芦原支部】7月6日、西宮市勤労会館に芦原・関西・全国から、芦原地区の供託者に対する住宅からの強制追い出しをなんとしてもやめさせようと、100名が集まりました。集会のすべての発言が、住宅追い出しに対する怒りに満ちあふれ、なんとしても芦原と奈良の仲間を守ろうという熱い想いがびんびんと伝わってくるものでした。集会からデモまで集中してたたかわれ、大成功したと言っていいと思います。
    開始予定時刻の2じきっかりに集会は開始されました。司会は自身も住宅追い出しの圧力を受けている芦原支部副支部長の梶野さん。これまでの集会の「形式」ではなく、いきなり冒頭にパネルディスカッションを設定し、芦原地区から5名、奈良西之阪地区から2名出てもらって想いを語ってもらいました。
団結を維持し抜き全力でたたかう
    芦原住民を先頭に西宮市役所にデモ行進(2014年7月6日) はじめに東口支部長から「この間の報告と決意」。最高裁決定以来のとりくみは、西宮市の非情さをあらためて示すものであること、そうであってもこの17年間ではじめてといっていいくらい、住民一人ひとりとじっくりと話しあい、向き合って、どうしていくかということを決めていっていること、そして、必ずや芦原の改良住宅に戻ってこれるようにする、そのためにも芦原地区自治会連合、部落解放同盟全国連合会芦原支部は解散せず、あくまでも団結を維持しぬき、供託者と芦原の人々の居住と生活を守るために全力でたたかう、という宣言が出されました。    
    パネルディスカッションでは、まず東口さんから今回の値上げの経過が説明され、寺下書記長から、説明会の時、同和対策局長が「法律が変わったから仕方がない」とウソをついて値上げを強行したことなどが パネルディスカッションで想いを語り合う 報告されました。パネラーの住民さんから、もともと「六軒長屋に11人ですんでいたところに西宮市が立ち退きのお願いにきて、協力することにしたが入居してすぐの2年後に次の値上げがはじまった。その時に、『次の値上げの時は、十分説明・納得を得るようにする』と行政は約束したので、仕方ないと思っていたら、法律が変わったと嘘をついて値上げを強行するということで、供託するしかないと思った」。
    もう一人の住民さんは、「ずっと安い家賃で住める、値上げはしない。と言われ、『いずれ払い下げしてあなたたちの家になる』とも言われた。いまから思うと一筆書かしておけばよかった。本当にだまされた気分です」。
    つづいて梶野さんからは、阪神大震災の仮設住宅の様子が語られました。住宅要求者組合の代表は、梶野さんの実のお兄さんの西中正幸さんで、「同和対策局長が、兄のところに来て、『家を再建しないか? お金を借りるなら私が連帯保証人になる』という話を持ってきました。兄はみんなの顔が浮かんで、『ふざけるな!』と一蹴した。いまでも身内として誇りに思っています」。
    西之阪の大橋さんは、ご夫婦でパネラーとして参加してくれました。大橋昌広さんは、「とにかく住宅を建てなあかんということで、改良住宅、公営住宅関係なかった。今でも奈良は改良住宅は値上げしていません」。大橋利香さんからは、「父親の家が強制執行で奈良市にとられ、私が生まれたふるさとが奪われました。去年には自分の子どもたちが生まれた家がとられた。本当にくやしい。」との想いが語られました。当時の住環境についてや、有名な差別の壁についても話がありました。梶野さんは、言いにくいだろうに、自分が受けた結婚差別の話をしてくれました。
    西宮市行政とのやりとりでは、寺下さんから役所の言うとおり払うと、月の支払いが10万を超えて、到底生活できないと言うと、当時の部長は、「個々人の生活には関知しない、生きようが死のうが関係ない」と言ったとの報告。
    他にも、「夫は、3年前に咽喉がんで、いまも食事は満足にできず、わずかばかりの私のパートで生活している現状で、夫は『今の家を終の棲家にする』と言っている」と胸に迫る報告も。
    パネルディスカッションの途中から、「なんとかしたい!」との想いで、集会場がだんだん一つにまとまっていく様子がはっきりと見て取れました。そ 雨をついて西宮市役所にデモ行進(2014年7月6日) れほど豊富な中身だったと想いますし、すべてを書ききることはできません。
    まとめとして東口さんが、「私たちは『一人残らず全員の解決まで』ということをスローガンにやってます。転居のための費用、その後の生活支援まで含めて、本来、団結の力ですべて面倒みていきたいと思っています。やはりずばり、と言われると今は圧倒的なカンパが必要です」と核心的な提起があり、「強制追い出し許さない! 団結して奈良と芦原の仲間を守ろう!」と会場の心は一つになりました。
全国からの支援を集中していこう
    このパネルディスカッションの討議を受けて、全体討論に移りました。全国連中央本部の中田書記長は「強制執行? 来るなら来い! と『安心』して言えるような支援を全力で集中したい」と決意を表明。同和住宅家賃値上げ反対運動を支える会・家会長からもこの間の取り組みの報告をいただきました。
    加古川支部準備会の岡本さんからカンパアピール、会場から多くのカンパが寄せられました。8・6ヒロシマ集会の訴えを現地実行委員会の金平さんから、市長室申し入れの報告を「支える会」の吉田顧問から。志を同じくする全国連各支部からの発言は、福岡県連準備会・板倉さん、奈良古市支部・北浦書記長、荒本支部・池本書記長、番町支部準備会・高橋さん、寝屋川支部・木邨事務局長、野崎支部・三木書記長、北摂支部・中村支部長とどれも心に響くものであり、とくに陶支部・井上さんの「いろいろあったけど役所にデモをかけるので、なめられたらいけんということで山口から3人で来ました」という発言は、集会の成功を決めたといってもいい発言でした。
    共にたたかう仲間も、たくさんの方が来てくれましたが、時間がなく被災地労働者企業組合の長谷川代表、和田高槻市議、関西実行委員会の山本善偉さん、関西合同労働組合の石田委員長の4人にしぼらせていただきました。「阪神大震災いらい共にたたかって来た仲間の家が奪われようとしている。黙っておれない」という長谷川さんの発言をはじめ、4人の発言ともあたたかい激励とたたかいの決意に満ちあふれた内容でした。
    「西宮市長は住宅明け渡し請求を撤回せよ」との集会宣言を採択し、東口支部長、中田中央本部書記長を先頭に雨をついてJR西宮駅前を通って、西宮市役所までデモで向かい、休日出勤の秘書課の職員に要望書を「必ず市長に伝え、回答するように」と手渡し、市役所前での抗議の団結ガンバローで一日を締めくくりました。
    集会の成功によって、居住が守られたわけではもちろんありません。しかし、熱い団結の力を参加した一人ひとりが十二分に感じることのできる集会だったのではないでしょうか。一日一日が決戦の日々といっていい日々です。長いたたかいで、ガンで手術を受け働けなくなり、妻が10万円に満たない収入で家計・通院費を支えてる人、長引く不況で仕事が激減し、貯金を切り崩すことでなんとか生活を維持している人、月の年金は3万円強という今年92才になる一人暮らしの人、ケガや発病によって退職を余儀なくされ、貯金を切り崩すことでなんとか生活している人、姉が脳梗塞で半身不随になり、自分たちの住む団地に呼び寄せ、ようやく手厚い介護ができるようになった矢先の人、子どもが高校生になっても収入が20万円に満たない母子家庭、定年退職し、貯金を切り崩す生活をしている人、夫婦とも2級の障害者手帳を持っている世帯、障がいを持つ叔父を扶養しながら母も住宅からの退去を求められている人、生活保護費と年金あわせて月8万円の収入で生活している人・・・。
    たくさんの集会賛同、カンパ共々、みなさんの想いを毎日ひしひしと受け止めて現地はたたかっています。なんとしても500万カンパを達成し、私たちの唯一の力といってもいい「差別とたたかう団結」をたよりに、この決戦を絶対に勝ちぬきましょう!
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