安倍政権による集団的自衛権行使の閣議決定を徹底弾劾する!

(2014年08月03日)

      7月1日、国内外の民衆の大多数が反対するなかで、安倍政権は憲法解釈を変更し、今まで日本ができないとされていた集団的自衛権行使を閣議決定しました。<我が国と密接に関係がある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、必要最小限の実力を行使すること・・・・>(憲法解釈変更の核心的部分)この決定は、内容的にも手続き的にも憲法違反である。これは憲法9条を柱にする<平和主義>を破壊し、99条の<憲法尊重擁護の義務>に違反するものであり、絶対に許すことはできません。
政府の判断で全世界どこでも侵略戦争ができる
    この閣議決定の最大の問題は、日本が攻撃を受けなくても武力行使が可能になったことです。従来の憲法解釈は「日本への武力攻撃」が発生した場合に限り武力行使を認めてきました。PKO派遣などで、ぎりぎりの所に立たされていたとはいえ、憲法9条が「戦力不所持」などを定めていたためで日本に対する「武力攻撃が発生する明白な危険が切迫」 反戦・反核、反差別の大統一戦線としてかちとられている8・6ヒロシマのつどいに参加しよう(写真は昨年の集会) した状況にあっても自衛隊は出動しても武力攻撃はできないというのが政府の見解だったのです。これに対して、今回の解釈では、武力攻撃があるかどうかは問題ではなく、<我が国の存在が脅かされ、国民の生命、自由、及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれ>があると政府が判断したら極東から中近東まで世界的規模で侵略戦争を展開することができるのです。日米同盟のもとで、<我が国と密接な関係にある>米国の艦戦が、ある国から攻撃を受けたら、この米軍艦戦を防御し、艦戦を攻撃した国に対して軍事行動を展開するということになるのです。そうなれば日本自身が標的になり、攻撃を受けます。まさに、やられたらやり返す泥沼的戦争への突入です。
    これは、単なる想像の話ではありません。100年前の第一次世界大戦において、日英同盟のイギリス(英国)から要請され中国のドイツ権益を奪い、中国侵略の15年戦争へと続いていったのです。
大企業・資本家の利益を守るための侵略戦争をやれるようにするもの

    では何故安倍政権は憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を決定し、侵略戦争ができる国へと大転換を企んだのでしょうか。
    日米同盟のもとでアメリカの権益を守ることが日本の存立=資本家や大企業の権益を守るといって、アメリカと一緒になって戦争を始めるということになれば、必ず泥沼の戦争へと突入します。日本はアメリカ以上に資源はありません。また、今の日本の生産力は全世界展開なくして一日も持ちません。日本国内だけで売るだけでは市場はあまりにも狭く、全世界で売りさばき稼ぐ以外に生きていけません。単純に第一次世界戦争から第二次世界戦争・太平洋戦争へとのめり込んでいった歴史と同じように進むとはいえませんが、本質は同じです。資源を求め、低賃金でアジア・アフリカの労働力を収奪し、それで作った商品を全世界で売さばなくては日本の資本家や大企業は生きていけないのです。それを保証するものこそ軍事力であり、侵略戦争なのです。
    まさに、集団的自衛権の行使の閣議決定は絶望的危機に立つ資本家や大企業を救うことを目的としたものなのです。
    集団的自衛権の行使が資本家や大企業を救うためのものであるにもかかわらず、彼らは傷つかず、まずは自衛隊を殺し殺される関係に叩き込みます。
自衛隊員が殺し殺される関係に! 再びオキナワ、ヒロシマ、ナガサキをくり返す道
    アメリカのイラク戦争によって数えきれないくらい多くのイラク人民が虐殺され傷つきました。これ自身絶対に許せませんが、それだけではないのです。侵略したアメリカの兵士たちも同時に犠牲になり、生き残っても何万もの兵士たちが精神疾患に陥りました。アメリカを支援し、戦争に動員されたイギリスなどの兵士も同じように傷つきました。しかもこの兵士たちの多くが、社会から排除された貧困層です。
    日本も同じです。今自衛隊に入隊している(しようとしている)若者で戦場に行って人を殺し、殺されると思っている人は殆どいません。今でさえ、政府によって隠されていますが、イラクに派遣された自衛隊の中には傷つき精神疾患を患う自衛隊員が多くいるのです。集団的自衛権の行使となると他国の領土で他国の人たちとの間で殺し殺される関係に入るのですから別次元の領域に入るのです。第二次世界大戦、太平洋戦争でどれだけ多くの若者が戦争に駆り出され死んでいったのかを今こそ思い起こさなければなりません。彼らはお国(天皇)のためという「号令」によって、資本家や大企業のために(当時の)政府によって殺されたのです。
    さらに決定的問題は、オキナワ、ヒロシマ、ナガサキを繰り返すことになってしまうということです。集団的自衛権の行使によって一度戦争になれば、泥沼化することは必定です。日本は資源もなく、売りさばく市場もなく、また低賃金を求めて外国に生産拠点を置く企業がたくさんあります。これらを守るために戦争は泥沼化の方向に向かうことは歴史が示すように間違いないことです。そうなれば、自衛隊のなりてもいなくなり、徴兵制が現実のものとなります。オキナワ、ヒロシマ、ナガサキなど、いつどこで住民が殺されるかわからないような状況に日本全土が叩き込まれるのです。
    それだけではありません。差別排外主義が吹き荒れます。それなしに、集団的自衛権を行使し、他国の人民を殺すことはできないのです。先の大戦では「鬼畜米英」という言葉がありました。中国、朝鮮への侵略戦争は彼らを人間外の人間として排斥することによって可能となったのです。部落差別は「国民融和」とは裏腹に軍隊の階級的秩序を守るため徹底して強められました。わたしたちは、差別を強め、排外主義を扇動し、泥沼の侵略戦争へ突入する集団的自衛権の行使を絶対に阻止しなければならないのです。
今こそ反戦、反核、反差別の大運動を! 集団的自衛権行使を阻止しよう。
    集団的自衛権の行使を阻止していく道は反戦・反核・反差別の大運動を巻き起こし、憲法を守る市民運動をも巻き込んで全民衆的な大運動を展開することです。反戦闘争の大爆発のなかでこそ、平和主義、主権在民、基本的人権の憲法を守ることができると思います。
    勝負はこれからです。集団的自衛権行使が可能であると決定されてもすぐにはできません。創意工夫あふれた民衆の闘いで侵略戦争を阻止しましょう。「在特会」を頂点とした排外主義の攻撃と真向から対決していきましょう。狭山闘争を頂点に、住宅追い出しや、吹きあれる部落差別と対決しましょう。そして、反戦、反核、反差別の当面の最大の課題として8・6ヒロシマの大高陽を実現しましょう。
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