第18回三者協議開かれる(6月13日)

(2014年08月03日)

  検察の証拠隠しを許すな! 裁判所は証拠を全部出させろ!
    6月13日、第18回の三者協議が開かれました。
    この日に先立つ5月7日、弁護団は2010年5月に開示された「取り調べ録音テープ」の反訳と、これを心理学的に分析した鑑定書(浜田寿美男鑑定)を提出しま 裁判長へ届け! とシュプレヒコール(6月12日) した。
    これは弁護団が作成した録音テープの反訳をもとに、心理学者の浜田寿美男さんが鑑定したものです。
    それによると「取り調べ録音テープ」では、複数の警察官がほとんど話しており,石川さんの応答は短い語句ばかりであり、「犯人の体験」を語っているようなものでないこと。石川さんの話の中には、真犯人しか答えられないような「秘密の暴露」に当たるような話はなく、反対に石川さんが犯行の経緯について何も知らないことを示す「無知の暴露」が多く見られ、この取り調べ録音テープは、無実の人が虚偽の自白に陥っていく過程を示していることを結論づけています。
検察の証拠隠しに風穴を!

   
6月13日の三者協議では、
車の駐車に関する捜査資料について
   
「自白」の中で「秘密の暴露」とされる車の駐車に関して、この車の駐車や当日の運行状況などの捜査資料の開示について、検察側は「不見当」と回答しました。「秘密の暴露=犯人しか知り得ない事実」という重要な事柄について「ウラを取る」のは捜査のイロハであり、これについての捜査資料が「不見当」などあり得ないことです。検察は意図的な証拠隠しを企んでいると言っても過言ではありません。
手ぬぐいの捜査資料について

    弁護団はこの間の開示された証拠を分析し、死体発見直後の手ぬぐいに関する捜査資料があるはずだとして、3月に証拠開示の申し立てを行い、4月にも補充書を出して捜査資料の開示を求めてきましたが、今回の三者協議まで返答がありませんでした。検察は速やかに確認するとしましたが、開示するとは言っていません。必ず開示させなくてはなりません。
未開示の筆跡資料について
東京高検へ証拠隠しを弾劾(6月12日)     前回の三者協議で裁判所はプライバシーの問題のないものについては開示に応じてほしい、プライバシーの問題の有無については裁判所に提出して問題のないものを開示する、という方法が提案されました。検察は弁護人には開示できないとしながらも裁判所に提出する用意はあると回答し、この日の協議で検察は裁判所に筆跡資料を提出し、裁判所が開示について検討することになりました。
    河合裁判長は証拠開示について勧告または命令を出せる立場にいる人間です。弁護団から136点の新証拠を突きつけられているこの第3次再審で、全面的に狭山事件を洗い直す以外に結論が出せるはずがありません。そのためには証拠の全面開示は避けて通ることはできないのです。河合裁判長は検察に全証拠の開示を勧告・命令すべきです。
証拠リストについて
    検察はまたも開示できないと述べましたが、裁判所は客観的証拠は出来るだけ開示するという立場であり、証拠リストの開示も前向きに検討するとしました。検察は弁護側の証拠開示に対してどんな証拠か特定しろと言いながら、そのもとになる証拠リストの開示を拒否しています。検察はあくまで証拠を隠し続けると居直っているのです。こういう検察の姿勢がえん罪を生み続けているのです。
要請ハガキ、署名、要請行動をたたかおう

    今回の三者協議ではあらたな証拠開示はありませんでした。次回三者協議は8月下旬と言うことです。未開示の筆跡資料や証拠リストの開示をはじめ全証拠の開示を強力に検察、裁判所に迫っていきましょう。
    10月の狭山中央集会に向かって要請ハガキや署名の集中、検察・裁判所への直接の要請行動など再審開始への闘いを一層強めていこう。

筆跡資料の証拠を開示せよ! 開示勧告・命令を出せ、事実調べを行え!
6月要請行動の報告
   
全国連は6月12日、大阪、奈良、長野、東京、茨城からの参加で東京高検、東京高裁に要請行動をたたかいました。
    まず午前中、東京高検に対する要請行動では、白木担当検事に筆跡資料の証拠開示について、プライバシーを理由にして証拠開示を拒否するのは許せない、石川さんの51年に及ぶ無実の叫びの前に、いったいどのようなプライバシーがあるというのかと追求。
    また、不見当とされる証拠について白木検事自身、あらためて探しているのか、布川事件などでは、再審で不見当とされた証拠が、国家損害賠償裁判で開示されたではないかと追求、あらためて不見当証拠を探すよう追求しました。
    さらに袴田事件の再審開始決定では、捜査当局の証拠ねつ造も指摘されていることについて狭山事件での証拠ねつ造を追求しました。
    午後からは東京高裁への要請行動。いつも「書記官に伝えます」としか応えない訟廷管理官を相手に、何としても証拠開示勧告・命令を出させ、事実調べの実現を訴えようと要請を開始しました。
    まず袴田事件の再審請求では、裁判所は三者協議で3度の証拠開示勧告、1000点以上の証拠開示、また三者協議の間に事実調べも行われている、狭山事件の再審請求では17回の三者協議の間、一度の証拠開示勧告のみではないか。裁判官によって、あるいは事件によってなぜ違うのか、と追求。
    検察の明確な証拠隠しに対して河合裁判長は再度証拠開示勧告・命令を行うべきであり、多くの新証拠がだされているのだから事実調べを開始すべきであると追求。
    特にインクビンの証拠開示が行われたのであるから、万年筆などのインクとあわせて成分鑑定を行うべきであると追求しました。
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