奈良・北浦裕樹久
ネットなどを通じて長い間PRされ、一部マスコミでも取り上げられてきた「新しい狭山映画」がようやく完成しました。ということで、11月に大阪で開催された上映会に行ってきました。
観た人それぞれとらえ方はあると思います。文字・文
章にすると良し悪しは別としてそれが、まだ観ていない人への先入観になってしまうような気がするので、あえて映画についての個人的な感想は語らないようにします。
ただ、言えることは「みんな必ず観たほうがいい」「若い世代や狭山を知らない層にもぜひ観てほしい」ということです。
内容は、集会やデモなど「活動家」中心の、そのための記録映画というものではありません。また、昔の『狭山の黒い雨』『造花の判決』や、全国連が作った紙芝居映画『私は無実!』のようなものでもありません。石川さん夫婦、兄の六造さん夫婦の私生活を中心とした3年間の(130時間のフィルムを105分にまとめた)ドキュメンタリーです。もちろん事件当時の様子、再審闘争の経過、警察・検察・裁判所の悪行等々も織り込まれています。
上映後(これは各地で必ずあるらしいのですが)キム・ソンウン監督の話がありました。彼は大阪・鶴橋出身。でも「運動経験」がなく、狭山の事もつい最近までほとんど知らなかったそうです。(話の内容は省略しますが色々とおもしろいです)特に「運動色やかたよりのある映画にはしたくなかった、というのが一番大きかった」と語っておられました。