第23回全国大会の成功へ!

(2014年01月19日)

  昨年のたたかいの総括と新たな年の決意
部落解放同盟全国連合会書記長 中田 潔
部落解放運動の再生をかけた2年間のたたかい
   
昨年の大会で「部落解放運動の変革」を訴え、昨年の大会で「新たな挑戦」と訴え直してきました。この路線しかないというものとして提案しました。
    しかし、実際にはどれだけ進むことができたでし 昨年の第22回大会で運動方針を提案する中田書記長(2013年) ょうか。「新しい挑戦」ということで、運動の大きな転換を呼びかけました。その「新しい挑戦」として各支部で具体的に何をするのか、その挑戦をするためには支部の組織のあり方、運動の仕方の見直しもされなければならなりません。村のなかで要求をとりあげてたたかうことと、そのたたかいを進められる組織づくりを同時にすすめていかなければなりません。その論議がどこまでできたのでしょうか。…全国連の新しい挑戦としては、「まだまだ始まっていない」という思いがします。
    そんな状況のなかで、奈良では行政の側の攻撃のすさまじさ、「部落問題も何も関係ない」という住宅からの追い出し攻撃に、有無もなく直面せざるをえなくなりました。攻撃にさらされている村の人の事情、デリケートな問題もあります。なかなか相談しにくい、話しにくい問題もあります。これまで解放運動に参加してこなかった人たちと関係をつくり、運動をつくっていこうとする努力が、全国連、その中心が非常に切羽詰まった状況に追いつめられるなかではじまりました。そのなかで、昨年11月の大橋中執の追い出し強制執行にたいする緊急抗議行動がとりくまれした。全国連の全国動員でたたかいぬきました。運動にようやく関わりだした住民、これまで運動に参加してこなかった人たちに、部落解放運動が目に見える形で登場しました。
    全国連全体が、新たな転換、それも非常に大きな転換をせまられ、どうしていいのかわからない、まさに八方ふさがりのなかで、西之阪で「いったいどんなたたかいが可能なのか」、悲愴感をもった展開がはじまったのです。これは、全国連全体にとって、「新たな挑戦」とはいったいどんなことなのか、ようやくにして「気づき始める」きっかけとなりました。
狭山闘争への全人民的決起へ とりくみのさらなる拡大を
   
今、全国連で全国で通じる「共通語」は狭山闘争です。昨年、全国連は波状的要請行動を、当初考えていたような「毎週にでも」という形ではなかったにせよ、全国全地域が持ち回りでたたかいました。このなかで、各支部では、むらのなかで、もう一度、狭山へ大衆決起をつくりだす様々な取り組みがなされました。このもとに10・27狭山中央闘争が2年連続でうちぬくことができました。たたかう狭山闘争が、全国連のてでよみがえったということができます。
全国大会・分散会で討論が行われる(2013年4月)     しかし、一方で、この状況で私たちは満足していてはいけません。きびしく見れば、これらの取り組みも、これまで全国連の「守備範囲」、全国連が声をかけられる範囲の人々のなかでていねいな取り組みがなされたというものではなかったでしょうか。本当に新しい層への拡大がとりくまれたのでしょうか。全国連の「新しい挑戦」のもとでの狭山闘争では、やはりココへの踏み込みが必要です。
    とはいえ、波状的要請行動のたたかいによって、組織内、その周辺でていねいな掘り起こしを行ったことで、狭山闘争の再組織化ができました。周りの人々に全国連の存在感をあらためて再認識してもらったのではないでしょうか。波状的な要請行動へのとりくみのなかで、狭山闘争の現状がどうなっているのか、そして今、何が争点となってあらそわれているのか、村のなかにもちこむことができました。また、是非とも、狭山中央闘争をたたかわなければならない、今度は参加しようとやる気をおこさせました。1970年代の高揚から全体的に後退してきた狭山闘争の状況のなか、いわば「傾きかけた母屋の大修理ができた」という状況ではないでしょうか。
    本当の狭山全人民決起をつくりだしていく挑戦は、いよいよこれからが勝負だということです。昨年、各地域でとりくまれたたたかいのなから次につなげていくとりくみをはじめていきましょう。「もっともっと署名を広げていこう」、子ども会や、住宅闘争で立ちあがってきたきた人たち、さらには地域で共闘している人々、労働組合…さらにさらに広く訴えていきましょう。そして、狭山の大衆運動が自己運動していくような状況をつくりだしていきましょう。
全国連は「新たな挑戦」を断固として継続していく
   
いじょう、かなりきびしい言い方をしたかも知れません。これは各県連・支部のとりくみにたいして「まだまだだ」と非難するものでも、「もっとがんばれ」と「ケツたたき」をしようということでもありません。なによりも、私自身がこの2年間訴えてきた「新たな挑戦」とは、まだまだこんなものじゃない、もっと大きなものなんだということを自分自身で肝に銘じたいからです。そして、本当にその先頭にたちたいからにほかなりません。
    その点、私をはじめ中央役員が、それぞれの支部の現状や地域の現状、具体的課題についてどれだけ向き合えてきたのか、反省しなければならないと自覚しています。もっと、地域の支部長さん、役員・活動家のみなさんと、方針の一致のための討論が必要だったと感じています。
    この反省にたって、新たな1年をどうたたかうのかを考えたとき、やはり、2年間たたかってきた「新たな挑戦」は、今年も断固として推進するということです。
    これをもって、新年の決意といたします。 
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