秋のとりくみの総括と第23回全国大会にむけた課題-12・1中央執行委員会の報告

(2013年12月19日)

      さる12月1日、全国連は中央執行委員会を開催しました。10・27狭山中央闘争、11・12奈良市の「住宅明け渡し強制執行」とのたたかいを中心に秋のとりくみを総括し、 狭山再審を訴えデモ(10・27狭山中央闘争) 来春4月の第23回全国大会にむかって論議のスタートをきりました。安部政権による戦争と差別の攻撃、とりわけ国家機密法の制定を弾劾し、2014年にむけて決意を新たにしました。
波状的要請行動=狭山の日常化から中央闘争の定着化に成功
    まず私たちは、10・27狭山中央闘争を昨年につづいて、単独の力でやりぬいたこと、このことを胸を張って確認します。
    事実の詳細はすでに前号でお知らせしました。全国各地から、会場を満杯にする同盟員きょうだい、共闘の仲間がかけつけました。そのなかには、福岡からの久しぶりの顔ぶれ、奈良、西宮からの「明け渡し」とたたっている住民の初顔の参加もありました。関東のきょうだいは、昨年をおおきく超える結集で奮闘しました。
    共闘でも、福岡反戦共同から力のこもった参加をいただきました。
    昨年より決して大幅な増加ではありませんが、着実に参加者を増やして、りっぱに首都での中央闘争としてやりぬきました。しかも、それは決して一日かぎりの動員主義ではなく、通年をとおしたとりくみとして、波状的要請行動を自分たちでひきうけるなかで、学習会、映画会や署名をはじめ、狭山闘争の日常化に挑戦し、その苦闘のなかからの結集でした。
    集会は、中執総がかりで、熱気ある中央集会としてかちとられました。デモも、銀座から東京高 「新たな挑戦」をうったえる今年の22回全国大会 等裁判所のある日比谷まで、途中で原発事故をひきおこした東京電力を通って、若者を先頭に元気のいい都心デモでした。
    さらに、翌28日には、もっとも遠方の西日本勢による要請行動を、20人制限をこえる参加でたたかいました。
    このように振り返ってみると、全国連は、狭山中央闘争を単独の力で定着させることに成功したと、その意義深さとともに、確信を持つことができます。さらに、中執では、当面の目標を実現することを、来年の課題としてしっかり確認しました。何が足りなかったのか、何が必要なのか、はっきり見えてきました。支部の日常活動のなかでの狭山のとりくみ、狭山闘争の日常化。その軸となる、署名と要請行動。今年年間をとおして、波状的要請行動と命名して苦闘してきたことに、糾弾の復権があり、狭山闘争の復権があります。この環をしっかりつかんで、来年を躍進の年にしましょう。
住宅明け渡し攻撃とのたたかい
    つぎに、私たちは、11・12奈良市仲川市長による「住宅明け渡し」強制執行にたいして、全国から西之坂地区に結集し、抗議行動を終日にわたってたたかいぬきました。狭山中央闘争からわずかの期間でしたが、数十の地元住民を先頭に百人余りの結集で仲川市政への怒りを断固として叩きつけました。
    奈良市仲川市長は、奈良市内1400戸の市営住宅のうち、実に400戸もの住民を「滞納」はおろか、「名義がちがう」などの理由で追い出しを公言し、それを「市長のマニュアル」としてかかげています。その手口は、「滞納分」は全額払っても追い出す、名義は長年にわたって現在住んでいる人が家賃を払い続け、公共料金もその人の名前で払ってきた人まで問答無用に追い出しにかかるという、まさに歴史的にも全国的にも前例のない非道なものです。
    11・12に奈良・西之坂にかけられた「明け渡し」攻撃は、その手始めに、「反対しても無駄」「抵抗しても無駄」という見せしめとして大橋中執(同住連事務局長)に強制執行、住民数人に提訴を同時にしかけてきたものです。
    また、兵庫・西宮市では、長年応能応益制度に反対してきた芦原地区の20戸50人の住民にたいして、いっさいの話し合いを拒否し、追い出しをかけています。現在、最高裁で審議中です。
    奈良市、西宮市でやられていることは、その規模といい、経過・理由といい、類例のないものです。もはや「同和対策」の是非をこえて、住民の居住権、生活権を根こそぎ奪い、住み慣れた村から追い出すという、人間としての基本的人権そのものを侵す違法、無法なものです。
    公営住宅の応能応益制度との関係でみれば、まさに当初からその制度にはらんでいた問題性、単に家賃制度の改悪問題にとどまらず、大量の住民の追い出しという問題性が全面化した攻撃です。
    これにたいして住民が命がけで抵抗するのは、余りに当然です。西之坂では、家賃の問題ではたちあがらなかった住民が、はじめてこの問題でたちあがり、村ぐるみの運動になり、さらに奈良市内全地区に広がろうとしています。
    奈良のきょうだいを見殺しにできない! 私たちは、今回、10・27中央集会での緊急決議をもって、奈良に結集しました。しかも、差別者集団・革共同が八尾でやった住民無視の、党派の政治宣伝の具に利用したインチキ行動ではなく、住民主人公の、今後の奈良400戸、西宮20戸の「明け渡し」との攻防につながる大衆行動として、11・12をたたかいました。
2014年を狭山勝利の年に! 全国大会の成功へ!
    中央執行委員会では、2月拡中委~4月全国大会までかけた丁寧かつきちんとした総括をしていくこと、またたたかいはこれからであり、応能応益―家賃値上げ反対運動の延長上にとどまらず、その運動をひきつぐ新たな全国運動を展望して「明け渡し」阻止を具体化していくことを確認しました。
    全国連の第23回全国大会は、来春4月12日~13日、大阪で開催されます。中央執行委員会では、1月26日に議案書起草委員会を開催、2月22日~23日拡大中央委員会を開催、3月中旬に議案書の完成・公表―学習会の開催を決定しました。
    23回大会を成功させ、2014年を狭山闘争勝利の年にしましょう。再審をめぐる動きは、10月28日に15回目の三者協議がおこなわれました。ここでは、裁判官の判断は示されず、次は1月末に三者協議が予定されています。手ぬぐいをめぐる証拠偽造問題、インク問題など、裁判官も簡単には無視できない状況にあります。しかし、裁判官はあくまで事実調べ、証拠開示勧告などの判断はせず、弁護士、検事の応酬をみながら、機をうかがっています。全証拠開示はいっそう必要です。そのうえで、インクのなど具体的な的をしぼって事実調べを迫り、それを開始しようとしない裁判官を徹底糾弾しましょう。手ぬぐいの証拠偽造問題を学習、宣伝し、署名の日常的とりくみをやりましょう。
    波状的要請行動としては、11・25長野県連中心のとりくみでひとまず全国一巡しました。来春1月は21日か28日に本部、関西、全国代表で開始します。
    安部政権は、大多数の国民の反対をおしきって秘密保護法を強行採決しました。私たちは、この悪法の撤廃を求めていくとともに、いよいよ安部政権の憲法改悪そのものに警戒し、2014年をたたかいます。狭山も、住宅も、差別や人権の根本にかかわる問題であり、憲法改悪の重要な側面をなす問題です。被災地の住民、とりわけ原発に家も生活も奪われた住民、三里塚や沖縄との連帯を一層深め、憲法改悪―侵略戦争と差別洪水の政治を変えていきましょう。
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