三者協議と  証拠開示・事実調べの焦点 10・27狭山中央集会(特別報告)

(2013年11月24日)

      三者協議について、わたしたちはこの攻防が第3次再審の勝敗を決する重要な場ととらえ、波状的要請行動と地域での取り組みに全力を挙げてきました。
    この三者協議を通じて130点を超える証拠開示がなされ、特に石川さんの逮捕当日の「上申書」は 10・27狭山中央集会(銀座キレイが丘) 重要な筆跡資料です。
    しかし検察は、犯行現場のでっち上げを証明する「血液反応検査報告書」や現場の8ミリフィルム、死体のカラー写真など重要な証拠の開示を「見当たらない」「開示の必要がない」などと隠し続けています。検察の証拠隠しを徹底的に弾劾しなければなりません。
手ぬぐい調達は不可能
    まず、被害者を後ろ手に縛ったという手ぬぐいについて、警察、検察の証拠偽造が明らかになったということです。
    この手ぬぐいは市内の米屋が年賀用として得意先に配ったもので、石川さん宅にも1本配られており、5月11日に警察に提示されていま す。従って石川さんはこの手ぬぐいを犯行に使っていないので犯人ではあり得ません。
    しかし警察は石川さん不当逮捕のあとでっち上げのストーリーを作りあげ「親戚の家に2本配られたが1本しか回収されていない、11日昼のTBSニュースで犯行に手ぬぐいが使われたとの報道を見て親戚の家から1本もってきてこれを警察に提出した」というものです。
   しかしTBSニュースは11日の午後0時2分から1分間、証拠開示によって警察が石川さん宅で、手ぬぐいを確認したのは午後0時20分、わずか17分の間に、いつ警察が来るか知らない人が2本配られた家を捜し出してその1本を調達することなど不可能です。さらに開示された捜査資料には、2本配られたとされた親戚の家の本数が「1」から「2」に書き変えられていることが明らかになりました。(上写真) インクの事実調べを
    今年50年ぶりに3つのインクびん(被害者のもの、友人のもの、郵便局のもの)が証拠開示されました。
    3回目の家宅捜査で発見された万年筆のインク(ブルーブラック)と被害者が当日まで使っていたインク(ライトブルー)が違うことは、発見された万 中央集会に引き続き高裁要請行動にたつ(10月28日) 年筆が本当に被害者のものかを疑わせるものですが、警察は「インクがなくなったので友人か郵便局のインクびんから補充したので色が変わった」と推測し、再審棄却決定では「その可能性もある」として、発見された万年筆を被害者のものと断定しました。
    当時、警察は万年筆のインクと郵便局や友人のインクは「類似している」との鑑定を出していますが「同じもの」とはしていません。当時より正確にインクの成分を分析出来る現在、本当に万年筆のインクと郵便局や友人のインクの成分が同じかどうか、また「自白」によると、万年筆で脅迫状の訂正をしたという、その訂正箇所のインクが万年筆と同じかが明確にわかります。
    インクが違うことが明らかになれば「自白」のでっちあげも万年筆の偽装とでっち上げも明らかになります。
    しかし東京高裁・河合裁判長は弁護団のX線分析などの鑑定要請に応じようとはしていません。
    わたしたち 10・27狭山中央集会、28要請行動に向けて、地元で署名活動をする山口・陶支部 は検察の「証拠の開示は必要ない」という意図的な証拠隠しを弾劾し、さらなる証拠の開示、証拠の全面開示を追求するとともに、高裁に対して事実調べを強く迫るたたかいを全国各地から巻き起こしていきましょう。
10月28日第15回三者協議が開かれる 次回は1月末に
    弁護団は28日に先立って、10月17日に手ぬぐいに関する新証拠と証拠開示勧告申立書、25日には検察官提出の意見書に反論して、殺害方法が「自白」と一致しないことを明らかにする法医学鑑定書と再審補充書、手ぬぐいについての開示勧告申立書を提出していました。
    手ぬぐいについての新証拠とは、3月に開示された捜査報告書の手ぬぐい配布一覧表の数字が、書き加えによって変造されているとするもので、鑑定意見書もあわせて提出されました。またTBSテレビのお昼のニュースで手ぬぐいが犯行に使われたと報道された日時を照会した回答書です。
    三者協議では、この手ぬぐいに関する聞き込み捜査の報告など、さらなる開示を求めました。
    またこの間追求している、欠番の証拠物の中に筆跡資料があることは明らかであり、これらの証拠開示を迫りました。検察は「開示の必要がない、プライバシーの問題もあるので開示しない」との意見書を出しており証拠隠しの意図を露骨に示しています。
    重要な未開示証拠がまだあることは明らかであり、再審における全証拠開示は欠かせません。検察・裁判所を追いつめ、全証拠開示、事実調べ再審開始へ全力で闘いましょう。
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