オリンピックを利用した放射能汚染隠しを許すな!

(2013年10月08日)

  7年後の2020年オリンピックの開催地が東京に決定しました。マスコミはお祝いムードで大騒ぎしています。 私たちは、安倍政権がオリンピックを利用して福島原発事故の現実を覆い隠し、ゼネコンの巨大な利権を優先させようとすることには、絶対に反対です。
安倍首相がIOC総会で大ウソ
    安倍首相はIOC総会に自ら乗り込み、福島原発事故と放射能汚染について次のように言い切りました。「まったく問題ありません。状況はコントロールされております」「汚染水の影響は、港湾内の0・3平方キロの範囲内に完全にブロックされています」「健康問題については、今までも、現在も、そして将来もまったく問題ないことを約束します」 世界に向かってこんな大ウソを平然とついてもぎとったのが、東京オリンピックなのです。
コントロールなどできていない
    第一に、福島第一原発の現状は、だれも「コントロールなどできない」のが事実です。溶け落ちた核燃料の状況も、事故原因も分かっていないのです。「まったく何も片付いていない」のが現実です。
    第二に、汚染水は「完全にブロックされている」どころか、今も海に流出しています。
    メルトダウンした核燃料を冷やすために注入している水の一部が超高濃度の汚染水として流出していますが、湾内の海水は、外の海と完全に遮断することなどできず、絶えず入れ替わり、外海に出ているのです。
    また、毎日400トンといわれる地下水が流入し、それを貯蔵しているタンクから、すでに300トンもの汚染水が漏れていました。
    これは24兆ベクレル、広島原爆に匹敵する放射能です。この汚染水は湾内ではなく、直接海に流れ出しています。タンクは早晩、満杯となってしまいます。安倍首相のウソは明らかです。
    第三に、「健康問題はない」と言いますが、福島の子どもたちからは、すでに甲状腺ガンが見つかっています。政府や御用学者は「原発の影響は考えにくい」と言っていますが、本来は、あらゆる可能性を考えて、子どもたちを守るとりくみを進めるべきなのです。
    今このように、首相が「健康問題はない」と言い切ったら、今後だれも検査で「健康に影響が出た」とは言いにくくなるでしょう。検査結果がゆがめられ、隠されることが心配です。
福島、汚染地の切り捨てを許すな
    福島原発でつくられた電気の最大の消費地は東京でした。その東京で、オリンピックという祭典が決まって祝福されている一方で、今も15万人の福島県民が避難生活を余儀なくされています。また除染が進まない中、高い放射能汚染地区への住民帰還がすすめられています。
    福島原発の現場では、劣悪な環境で労働者が被爆労働に従事しています。仕事がない福島の地元や基幹産業からはじかれた労働者たちです。原発という差別の構図がはっきりと現れています。
    厚労省は一層の労働の規制緩和をすすめようとしています。オリンピックという巨大な利権でゼネコンなどが大もうけする一方で、そので働く労働者はほとんどが非正規労働者ということになりかねません。
    検察はオリンピック報道の陰で、政府や東電首脳の不起訴を発表しました。だれも責任を負わないのです。検察もまた原子力ムラの一員です。
    今後、東北の復興予算が削られ、オリンピック関連に回されてしまうのも心配です。
    オリンピックを利用した原発被害隠しには断固反対し、福島原発事故の真相究明、被爆者保障、責任者処罰を、そしてすべての原発の廃止を求めていきましょう。
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