第22回婦人部大会報告 9・7~8 広島

(2013年10月08日)

  たたかいの方向示す運動方針と4つの特別企画
   
部落解放同盟全国連合会婦人部第22回大会が、9月7日~8日、広島市福島町の「いきいき文化センター(旧・西隣保館)で行われました。大会には、全国各地から90人の婦人が集まりました。また福島町をはじめ近隣の県から部落の婦人が初参 10・27狭山中央闘争へ総決起しよう! 全国の部落に婦人部を! 加してきました。
    北浦寿恵子婦人部長は主催者あいさつで、安倍政権による憲法改悪を阻止すること、福島原発事故への弾劾と現地の人々の支援を訴えるとともに、「無実お石川一雄さんが不当逮捕されてから50年。あらためて国家権力にはげしい怒りを燃やさなければなりません」と狭山再審闘争への婦人の総決起の檄を発しました。
    婦人部の新たな1年間の運動方針を岩崎嘉子・婦人部事務局長が提案。岩崎さんは、① 10・27狭山中央闘争に婦人部をあげてとりくむ、② 安倍政権の戦争のできる国づくりを許 「私の生き方」を語る金平玲さん さず、生活要求闘争にとりくむ、③ 婦人部の組織建設、の3つの柱で提案しました。とくに要求闘争では、社会保障の切り捨てで村の生活がいっそう破壊されるとして、これとのたたかいを強く訴えました。
    大会では議案を具体的におぎなう4本の特別企画がありました。
    山口・陶支部は、10・27狭山中央闘争にむけて、石川一雄さんが「自白」を強要され、「犯人」に仕立て上げらえていく場面を劇で再現しました。支部の総出でとりくまれた迫真の演技で、石川さんの悔しさ、警察権力の差別犯罪の卑劣さがあきらかにされました。
    広島支部は、朗 迫真の演技で「自白の強要」を再現する 読劇で「福島町のあゆみ」。福島町の町名の由来から、太田川の改修工事による立ち退きとのたたかい、原爆と差別のなかで必死に生きてきた住民の姿、そして住宅家賃値上げ反対闘争と、たたかいの歴史が語られました。
    広島支部の金平玲さんが「私の生き方」と題して、発表をしました。革共同による広島差別事件にあい、それに対する糾弾闘争に立ちあがっていくなかで、自分の生き方を問い直し、部落解放運動の先頭でたたかっていくことを決意したことをあきらかにしました。
    特別企画の4本目は、住宅の行政による取り上げとたたかう「西之阪のたたかい」です。奈良市行政の西之阪の住宅2軒にたいする明け渡しの強制執行にたいして地域住民が反撃に立ちあがった姿が、大橋利香さんの報告と同時に大型スクリーンに映し出されました。
    運動方針と、この4本の特別企画をうけて2日目には分散会で討論がおこなわれました。そして、運動方針が提案通り採択され、また北浦婦人部長(再任)を先頭とする役員を選任しました。

 分散会の討論で婦人部のたたかう団結深める
第1分散会
   
第1分散会は、司会・櫻井事務局員、基調・阪口事務局員、書記・須原さん、まとめ・小林副部長、助言・中央本部の中田書記長で行われました。
    まず最初に、参加者全員から自己紹介をかねて第1日目の企 討論が白熱(第1分散会) 画や基調の提起について感想を一言ずつ出してもらいました。
    それぞれが口々に、広島の劇で福島町の差別の歴史がよく分かった、狭山の劇も楽しくもあり本質をついている、金平玲ちゃんの話も本人から聞けてよかった、涙がでた。西之阪のスライドを見て驚いた、腹が立った、駆けつけたかった。どの企画も笑ったり感動したり、涙が止まらなかったなどが語られました。
    自由討論では、団結が必要だと実感した体験談。運動のおかげで視野が広がった。「在特会」の差別攻撃許さない。また、狭山の取り組みで、村へ入り一言メッセージを集めることで村の婦人とつながっていくことの大切さ、婦人部結成を視野にいれた取り組みにしていくこと。西之阪支部の婦人たちのあきらめないたたかいが人を集め、たたかいをつくっていったこと。今回の全婦は初参加の婦人も多く、分散会にも初めて参加する婦人の方がおられ、日常的活動の成果だと実感するものとなりました。最後に、中田書記長、小林副部長からのまとめでしめくくられました。
第2分散会
   
第2分散会は基調を岩崎事務局長、助言者に大橋・金平両中執を迎えもたれました。
    基調では憲法改悪問題、特に生活保護費の減額や医療・介護など社会保障制度の改悪、生存権を脅かす攻撃がかけられていることに村中はどうなっていくのかと警戒をよびかけ、議論の たたかいへの決意を語る北浦婦人部長と役員 中から気持ちをひとつにできる取り組みを進めていこう、狭山中央闘争に婦人ならではの運動を展開し、狭山再審をかちとろうとの訴えがありました。
    討論では今回の4つの企画について感動と共感をもって語られました。特に西之阪の住宅強制執行に対する婦人のたたかいは、参加した婦人の心に強烈な印象を与えました。大阪高裁の反動判決に怒りを持って上告した西宮芦原からは、「うちの村の人も立ち上がってくれるかなという気持ちがあったが、やってくれると信じて何があってもやる」という決意が語られました。荒本の婦人は「5歳の時に原爆があったことをドームを見て思い出した。今、戦争の臭いがする、戦争の準備をしている、みんなで戦争阻止をやらなあかん。運動で根性を叩き込まれた、生涯現役でがんばる」と決意を述べられました。西之阪の婦人は「腹が煮えくりかえっている、できることは何でもやる、どこへでも署名を持ってでかけた、1日100人とった」との報告がありました。
    この日、20年オリンピック開催のニュースが流れていましたが、茨城の婦人からは怒りを持って「福島の現状があまりにも無視されている、今も汚染水が流れ続けている現状に蓋をしたあり方に怒りを持っての告発がなされました。
    助言者からは「毎日役所へ一人でも交渉に行っている婦人がいる、そういう人とつながっていく運動を作っていこう」との助言がありました。「狭山は自分の原点」と語る陶の婦人からは10/27中央闘争への決起が語られました。
    青年部建設に婦人の力も注ぎ、各地に婦人部を作り、青年・婦人の団結で狭山勝利を勝ちとろうとの婦人部長のまとめで分散会を終えました。

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