住宅追い出し判決を糾弾する!

(2013年09月18日)

  芦原住宅裁判(控訴審)で不当判決 8月29日
【芦原支部】
8月29日、大阪高裁の田中澄夫裁判長は、芦原の供託者の控訴を棄却しました。本当に許せません。かつて西宮市の住宅部長は、「いま住んでいる家を追い出されてどこで生きろというのか」という問いに対して、「個人の事情には関知しない。(死のうが生きようが関係ない、ということだ)」と言い放ちました。それと同じく裁判所も、「滞納家賃を3年以内の分割払いにより支払うことを拒否」したというウソの根拠で、控訴を棄却しました。怒りに燃えて最高裁に全員が上告しました。
    19 不当判決を糾弾し上告の意志をかためるシュプレヒコール(2013年8月29日) 97(平成9)年いらい、16年間にわたってたたかってきた家賃値上げ反対のたたかいは、いよいよ、同和住宅からの強制追い出しを具体的に阻止し、どのように居住と生活を守るかという、決戦中の決戦に入ります。
    判決を受けて芦原地区の住民は、「こうなったらトコトンいくしかない」、「市長室に布団を持ち込んで寝よう」、「市役所前の公園にプレハブを建てて住んでやる」、「集団での強制執行など団結している限りできるはずがない」など、いろいろな意見をいただいています。どうかみなさん! この前人未踏とも言うべきたたかいに芦原の供託者と共にたちあがってください。
判決の評価
    判決はまったくの不当判決です。いったいぜんたい控訴審で何を聞いてきたのか! と言いたくなります。さしあたり3点を指摘しておきます。 (ア)前回からの巨額の「滞納金」と「延滞金」を3年で支払えというムチャクチャな要求に対して、判決は「滞納家賃を3年以内の分割払いにより支払うことを拒否」、「滞納が解消する見込みがない」と言っています。
    そもそも私たちはお金に余裕があって、値上げに反対したわけでも、3年の分割払いを拒否したわけでもありません。
(イ)改良住宅の建設について、「長年住めば自分のものになる。孫子の代まで住むことができる」という約束がかわされましたが、これについて判決は、「市職員が条例に違反する虚偽の説明をしてまで用地買収をしなければならない事情は存在しない」と西宮市のウソをそのまま信じました。
(ウ)控訴審で特に力をいれて争った西宮市の不公正な入居処理については、「滞納家賃の全額が支払われていないにもかかわらず、訴訟外の和解をしたとしても、・・・本来すべきでない取扱いがなされたというにすぎず(問題ない。)」と言っています。
    わたしたちに対しては、家賃を支払う気がないと決めつけて明け渡しを命じた上で、不正が暴かれたとしても、「たいしたことない」と西宮市を全面的に擁護しました。国に抗う者は徹底的に弾圧し、頭をたれる者は見逃す、これを差別的取り扱いというのです。本当に腹の底からの怒りがわいてきます。こんな判決は、やはり認めることはできません。即刻上告です。
家賃値上げ反対のたたかいの中間的総括
    応能応益家賃と、1997(平成9)年から16年間にわたってたたかいぬいてきました。部落差別の撤廃が国の責任であるからこそ、予算上も特別な措置が執られ、改良住宅は一律低家賃制度が維持されてきました。応能応益家賃は、その家賃制度を根本から変えてしまい、過去に遡って同和対策をなきものにしようとする大改悪であったため、全国で反対運動が巻き起こりました。全国一斉に供託運動がはじまり、政策の大本である国土交通省へも乗り込み、ぐいぐいと攻め込むたたかいを繰り広げてきました。
    芦原と番町は一審で「値上げは違法」との判決をもぎりとりました。この画期的な判決は訟務検事(検察官や裁判官が国の代理人を務める制度)を送り込むという国の圧力によって最終的にはひっくり返されましたが、日本という国の現状を考えるとき、同和住宅への応能応益家賃の適用はやはり違法であると今でも私たちは考えます。
    住む住宅が奪われるかもしれない、ということをかけて16年間もたたかいを継続すること自体、部落解放運動の歴史からいっても特筆すべきたたかいをたかってきたと言っていいと思います。
    裁判所にわたしたちの生活と権利をどうこうされてたまるか! 今、この怒りで一杯です。不当判決に負けず、トコトン団結してわたしたちの生活と住宅を守りぬいていきましょう! わたしたちは今、この決意にあふれています。
    末尾になりますが、全国のみなさんのご支援、本当にありがとうございます。みなさんの熱い想いが十分に伝わりました。大量の住民の明け渡しとのたたかいという前人未踏のたたかいに力を合わせて、勇躍突入していきましょう。
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