主張 憲法96条の改正を許すな!

(2013年07月11日)

   7月21日、参議院選挙が行われます。この参議院選挙では、「憲法改正」が大きな焦点の一つとなっています。具体的には、憲法改正の手続きを定めた96条をまず改正しようとしています。  ところで、なぜ、96条なのでしょうか?  日本国憲法第96条は、「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で国会が、これを発議し、国民に提案」すると定めています。安倍首相や自民党、改憲派は、この「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」という条件ではきびしすぎるので、「過半数」に緩めようと主張しています。  しかし、国民(人民)に義務を負わせたり、規制を加えたりする法律ではありません。支配者(政権をにぎった政党やその首相ら)が、好き勝手に人民を支配するということがないように、<支配者が守らなければならない国の基本原則>として定められたものです。当然、その改正にはきびしい規定がつけれています。よほどの「独裁国家」でないかぎり、どこの国でもそうです。 9条破棄、全面改悪が本音
   
96条を改正しようという勢力は、本当は「手続きの厳しさ」を問題にしているように見せかけ、本当は憲法の基本原則を丸ごと変えたいのです。今の憲法は、戦前の侵略戦争の反省から、「国民主権(この国の主人公は天皇ではなく、国民(本来は国籍に関わりなく人民)である)」「 平和主義(戦争はやらない。軍隊を持たない。)」「基本的人権の尊重」を、基本原則として定めています。そして、これは圧倒的多数の人々から支持されています。そのため、自民党など右翼勢力がいくら「占領軍の押しつけだ」「憲法改正だ」とわめき散らしたところで、「改正の発議(提案)」すら問題になりませんでした。
    しかし、この前の衆議院選挙では、民主党政権への失望から自民党、日本維新の会、みんなの会など憲法改正を主張する勢力が衆議院の3分の2を越える議席を占める結果となり、自民党・安倍政権が誕生しました。いらい、安倍政権による「憲法改正(改悪)」の動きが強められ、そして今度の参議院選挙でも勝って、衆議院でも参議院でも憲法改悪の発議ができる議席を確保しようと狙っています。
    実際に、安倍・自民党は、「天皇を元首にする」「自衛隊をあらため、国防軍をつくる」「基本的人権に制限をくわえる」ことを主張しています。ようするに、日本を戦前のように「戦争のできる国にする」というのが本当の狙いです。しかし、それが真正面から問題になれば人民の猛反撃を受けることも安倍・自民党など改憲派もよく知っています。しかし、安倍らは「憲法を変えたい」。そこで、「96条の手続きを変える。それをアリの一穴とて堤防(憲法を守れという広範な人民の意思)を崩そう」というのです。
参議院選必勝へ
    私たちは、96条改正を許してはなりません。再び侵略戦争にむけて、天皇が元首と押し出され、基本的人権がないがしろにされるとき、部落と部落民には差別の大洪水が襲ってきます。私たちは気を引き締めて改憲阻止へ、立ちあがらなければなりません。目前に迫った参議院選挙で、私たちは、改憲阻止、反戦・反基地をたたかう山シロ博治氏の勝利をかちとります。
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