特別講演「沖縄の反基地・反沖縄差別運動の現状と展望」 ヘリ基地反対協共同代表 安次富浩さん

(2013年05月09日)

 

普天間基地撤去! 県内移設絶対反対! 沖縄県民は体を張ってたたかう!

沖縄をだまし続ける日本政府

沖縄では、米軍政からの復帰闘争を27年間たたかいました。米軍基地をなくそう。平和憲法の日本に戻ろう、という闘いでした 沖縄を裏切る日本政府を弾劾する安次富さん 。しかし復帰した1972年いこうも米軍基地はなくならず、残念ながら今日でも基地による被害が続いています。1995年の米軍兵士による女子中学生レイプ事件を被害者が家族と相談して非常な勇気をもって告発することによって、普天間基地返還闘争へと発展していきました。96年には、普天間基地返還を当時の日本政府とアメリカ政府に約束させました。ところが、県内移設へと話がねじ曲げられた。これは沖縄の人々の思いと全くちがいました。 今朝の新聞では、普天間基地の返還は22年度以降になる、と報道されています。またもや安倍政権は、沖縄を裏切ろうとしている。このように、いつも日本政府は沖縄をだましつづけてきたのです。安倍は、これから大和の皆さんに対しても、さまざまな攻撃を仕掛けてくるでしょう。参議院選挙以降、牙をむきだしにしてくるでしょう。私たちは、これに対抗する陣形を今から創っていかなければなりません。

オスプレイ配備撤回せよ!

沖縄では、いま「日本対沖縄」の闘いに転回しつつあります。どういうことか。昨年10月、沖縄県民の反対を押し切ってオスプレイ12機の配備が強行されました。オスプレイは、アメリカで「未亡人製造器」と呼ばれている欠陥機です。本来は輸送機なのに、離着陸する時だけプロペラの向きを変えて垂直にする。この時に事故が多発している。ベトナム戦争以来何十年も改良をつづけているそうだけど、事故がなくならない。昨年もアフガンで墜落した。だから、どこの国も買おうとしない。ところが、これを日本の防衛省は買おうとしている。1機100億円です。

沖縄が昨年9月に県民大会を開き、オスプレイを飛ばさせない闘いをしているのに、日本政府はこの有様です。ひとつも欠けることなく沖縄の41自治体がそろって政府とケンカしている。1月28日には、41市町村議会と長による建白書を政府に提出しました。普天間基地の閉鎖、オスプレイ配備の撤回、県内移設反対の3つを求めたけれど、安倍政権は無視した。公有水面埋め立ての申請をした。だから日本対沖縄の闘いになりつつあるんです。 私たちは体を張って阻止する。沖縄本島北部の高江では、山林を切り開いてオスプレイのヘリパッドをつくる工事を実力で阻止する闘いを6年間つづけています。

沖縄差別を断ち切ろう!

沖縄は、もともと琉球王国という独立国でした。それが島津藩に侵略され、廃藩置県によって明治政府に併合されてしまいました。1945年の沖縄戦では当時60万人の県民のうち15万人が命を落としました。アメリカにたいして最後の一撃を与えて有利な条件で降伏するために大本営は沖縄戦をやりました。当時の沖縄でヤマト口をしゃべれたのは高学歴の人だけでした。普通の人はウチナー口で日常会話をしていました。戦場となった沖縄で、ウチナー口が分からない日本兵によって何人ものウチナーがスパイのうたがいをかけられて殺されました。日本兵によって避難していたガマから追い出された人たちもいました。そういう痛ましい事件がたくさんあります。だから沖縄にとって日本兵は、アメリカとはまた違った怖い存在でした。いまでもウチナーには、日本はヤマトという意識があります。

敗戦後、天皇は本土の独立の代わりに沖縄を半永久的に支配して良いですよという手紙をマッカーサーに送った。その結果、27年間にわたる米軍支配があったのです。昭和天皇は、死ぬまで沖縄に来れなかった。沖縄が天皇制に違和感をもっているのには、そういう歴史背景がある。基地のなかった沖縄に、今なぜ米軍基地が集中しているのか。沖縄戦のために日本軍が住民から土地を取り上げてつくった基地を、戦後、米軍が接収したからです。 私たちからすれば米軍は土地泥棒です。にもかかわらず「返せ」と言ったら「条件がある」とは、ふざけた話じゃありませんか。「長い間使わせていただいてありがとう」じゃなく「代わりの基地を」とは何? それを日本政府が「分かりました」とは。この差別構造は何ですか? この沖縄差別を許さない! 当然にも、そうなってきたのです。

私たちの力で日本を変える!

普天間基地を辺野古へ移設するという。これは移設ではない。辺野古にはヘリ基地だけでなく軍港も新設する。大浦湾は、横須賀か真珠湾になってしまう。私たちは、ジュゴンの海、ヤンバルの森、豊かな自然を子々孫々にまで残していきたい。だから反対運動をやっています。平和・人権・環境を守っていきましょう。

この一年間は、厳しい闘いになるでしょう。私たちは、来る7月の参議院選挙で革新の糸数恵子さんを当選させることで、私たちの意志を日本政府に突きつけていきたいと思います。比例区では社民党から山城が立候補します。埋め立て申請反対の運動も進めています。来年1月の名護市長選で反対派の市長が再選すれば大きな力になります。ぜひ皆さんのご支援をよろしくお願い致します。

私たちの力で日本を変えていきましょう。主権者は政治家ではなく私たち民衆です。

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