石川さんの50年のたたかいにこたえ、 今年こそ再審闘争の歴史的勝利をかちとろう!

(2013年03月31日)

 

全国連第22回大会議案書(草案)より

(1)石川さん不当逮捕50カ年を糾弾

全国から婦人が結集! 高裁へ要請行動 1963年5月23日、私たちが決して忘れることのできない、あの憎むべき石川一雄さん不当逮捕から、今年で50カ年をむかえます。 私たちは、あらためて国家権力が部落を差別的に襲撃し、無実の石川さんを不当逮捕して権力維持のイケニエとしたことに対して、はげしい怒りを燃え上がらせています。 国家権力は、部落差別を徹底的にせん動する一方、わずか半年のスピード審理で石川さんに死刑判決を下し、虐殺して真相を闇に葬ろうとしました。

しかしこの50年は、石川さんの不屈のたたかいの50年でもあります。

「俺は善枝ちゃんを殺していない」と叫びを上げた石川さんは、部落差別によって奪われた文字を獲得し、部落解放戦士として31年7ヶ月の獄中闘争を含め、50年間たたか 2・25高検へ婦人部が要請行動 いぬいているのです。

狭山闘争は、私たち部落の大衆と国家権力が非和解的な関係であり、部落解放のためには国家権力を打倒しなければならないことを、鮮明につきつけました。

そして労働者市民に対して、部落解放運動との連帯を大きく押し広げていきました。 司法権力による度重なる差別有罪判決も、石川さんを屈服させることはできませんでした。逆に、判決を重ねるたびにその矛盾は大きくなり、今や第3次再審闘争で、完全無罪判決の決定的な勝利をつかむ一歩手前まで敵を追い込んでいます。

石川さん不当逮捕50年の今年、私たちはこのような狭山闘争の原点を再確認し、石川さんと固く連帯して、勝利のためにたたかいぬいていこうではありませんか。

(2)最大の決戦をむかえた狭山闘争

狭山第3次再審闘争は、掛け値なしに決定的な山場をむかえています。

第一に、第3次再審をつうじて弁護団は多くの新証拠を提出してきましたが、4月に提出する「殺害方法」「取り調べテープの分析」で、手持ちの証拠の提出は終了することになります。

一方、検察側はすでに「筆跡」「土壌」「殺害方法」についての鑑定書・意見書を提出しており、やはり4~5月に最終の「腕時計」にかんする意見書を出すことになっており、弁護側、検察側双方の鑑定書が出そろうことになります。

これをうけて5月以降は、事実調べ・再審開始か、事実調べ拒否・再審棄却かの決戦に入ります。

第二に、三者協議の開催が大づめをむかえ、検察や裁判所の本音である三者協議の打ち切り、早期決定の情勢が煮つまっていることです。

このような中で、国家権力の総体の意志として、再審棄却の動きが強められていることに、私たちは危機感を持って警鐘を鳴らしていかなければなりません。

それは第1に、この3月に突然、東京高裁の小川裁判長が異動になり、河合健司裁判長の新体制となったことです。

小川裁判長は、この間、三者協議を継続し、検察に証拠開示を「促して」きました。また布川事件や東電OL殺人事件などで再審無罪判決を出してきました。

裁判官の人事は最高裁が行いますが、最高裁が、小川裁判長に決定を出させることに危機感をいだいて交代させた「狭山再審棄却シフト」であることは十分に考えられます。

私たちは、この事態に最大の警戒心を持って臨まなければなりません。

第2に、4年前に三者協議が開始され、その中で東京高裁が検察に8項目の証拠開示勧告を出して以来、100点の証拠が開示されてきました。しかし殺害現場とされる雑木林のルミノール検査報告書や死体のカラー写真など、特に重要とされた証拠については、検察は現在に至るも「不存在」「不見当」などとして開示を拒否したままです。東京高裁は、検察にこれらを開示させないまま決定を行おうとしているのです。 この検察のかたくなな開示拒否の姿勢は、もちろん担当検事のレベルではなく、検察最高首脳部の意志です。

私たちは、このような反動をはね返し、石川さんの逮捕当日の上申書など開示された決定的証拠を武器に、この決戦を全力でたたかいましょう。この間のたたかいは、検察や裁判所を大きく追い込んでいます。何としても第3次再審闘争の歴史的勝利をかちとりましょう。

(3)波状的な要請行動を柱に

私たちは、昨年の10・31狭山中央闘争のなかで、「東京高裁、東京高検への波状的な要請行動を中心にたたかう」ことを確認しました。

全国各地の部落、支部、職場、共闘などが、「石川さんは無実だ、すぐに再審を開け」「検察はすべての証拠を開示しろ」「狭山差別裁判糾弾!」の旗をかかげて、高裁や検察に次々と押し寄せていくのです。 その第1弾として、すでに2月には婦人部が独自の要請行動をたたかいました。青年部や各支部でも、どんどん要請行動にとりくんでいきましょう。

また要請行動に参加する人は、代表として村の人たちの声を集めて提出するようにしま第3次再審闘争の歴史的勝利をかちとりましょう。 しょう。むずかしい法律的な要請でなくてもいいのです。自分の狭山へのかかわり、石川さんや狭山闘争への想い、怒り、地元の差別事件など、一言でもいいので思い思いに書いてもらいましょう。書くのが無理な人もたくさんいますが、聞いて代筆して届けましょう。

また狭山署名、ハガキ、現地調査などにも引き続いてとりくんでいきましょう。

(4)運動の改革と大衆的狭山闘争の復活を

要請行動を一方の柱とすれば、もう一方の柱は、村の中に大衆的な狭山闘争を復活させていくことです。そしてそれをテコに労働者市民に狭山闘争を持ち込み、階級的共同闘争としての狭山闘争をもう一度大きくつくり出していくことです。

しかしこれは、昨年からの大会で提起されている、部落の実態調査をふまえた解放運動の改革、青年の獲得や村の自治の復権と一体の課題です。青年が流出し、部落大衆の部落解放運動離れが急速に進む中では、狭山闘争だけが大きく発展することはありえません。

むしろ大会の基調である解放運動の改革という新たな挑戦の中に、狭山闘争をどうかみあわせていくのかという観点から、各地域での狭山闘争の復活を真剣にたたかっていくことが大事だと思います。

私たちは解同本部派のように、差別糾弾闘争としての狭山闘争を後景化させ、市民運動としてのえん罪支援闘争に一般化する道はとりません。

しかし、私たちはその解同本部派の批判勢力として、差別糾弾の狭山闘争という旗をかかげていればすむという現状ではありません。村での差別糾弾闘争つまり部落解放運動そのものを、私たち自身がもう一度つくりあげなければならないのです。そのたたかいと一体でなければ、差別糾弾闘争としての狭山闘争を大衆的に発展させることはできません。

私たちは、決戦をむかえた狭山第3次再審闘争に、そのような新たな挑戦への気概に燃えて総決起していきましょう。

▲このページのトップにもどる