5月三者協議に向けて、各地から要請行動を準備しよう

(2013年02月28日)

 

1月23日波状的要請行動の第1弾たたかう!

狭山第3次再審の緊張した局面にはいった今年、わたしたちはなんとしても再審を実現しようと、1月23日、今年第1弾の要請行動をたたかいました。

東京高裁には今回全国各地からの11通の要請文をきっちりと読み上げ、証拠開示、事実調べ、再審開始を訴えました。

東京高検には狭山担当検事を前にして、検察意見書を弾劾し、証 発見された時計は被害者のものではない!使用されたバンド穴は3番目、4番目(家族の証言)、それより腕の細い4番目、5番目だった。 拠の全面開示、不見当の重要証拠の再度の調査などをせまりました。

高裁や高検に対して直接、私たちの思いを訴え、生の声を伝える要請行動は、法廷が開かれない再審請求においては唯一の機会であり、たたかいです。  たとえ、かたくなに「私たちは伝えるだけ」と繰り返す高裁の訟廷管理官や、証拠を隠すのが仕事と思っている担当検察官が相手であっても、私たちは決してこの差別裁判の追及の手をゆるめる訳にはいきません。

一人でも多くの人たちに石川さんの無実や、再審の開始、部落差別が貫かれた国家犯罪を訴える取り組みと、こうした裁判所や検察に対する直接の要請行動とが結びつくとき、証拠の全面開示、事実調べ、再審開始の大きな流れを作り出すことができるのです。

第12回三者協議が開かれる

この一週間後の1月30日、第12回の三者協議が開かれました。

検察側は手ぬぐい、腕時計、「自白」の秘密の暴露に関わる捜査報告書など19点の証拠開示をおこないました。

しかし「犯行現場」に関わる捜査書類などは「開示の必要なし」という態度です。証拠を小出しにし、全面開示には応じようとしない検察の態度は、真実の解明とはほど遠い、部落民を犠牲にして国家権力の「威信」を守ろうとする、この狭山事件、差別裁判を貫く部落差別の構造と同一のものです。

弁護団は昨年9月25日には腕時計についての新証拠(発見された腕時計は被害者のものではなく、時計の発見は「秘密の暴露」にはあたらないとする新証拠ー上の写真参照)を提出し、証拠標目(リスト)や欠番(開示された証拠の番号が飛んでいる部分)の証拠の開示を求めています。また、事件当日、「犯行現場」とされた雑木林近くで農作業をしていたOさんの証人尋問や脅迫状と封筒のインクのX(エックス)線分析器による鑑定の申立をおこなっています。

また、5月に予定されている三者協議に向けて、4月には検察の「殺害方法」に関する意見書2通に対する反論と、開示された取り調べテープを分析した心理学者の鑑定書の提出を予定しており、次回三者協議は、裁判所がこうした証拠開示や事実調べについて何らかの判断をくだす段階にはいると予想されます。第3次再審闘争は大きな山場を迎えたと言っても過言ではありません。

2月にはいって新聞は、3月5日付けをもって小川裁判長の東京家裁所長への異動を報じました。この大きな山場という再審情勢の中での裁判長の交代について、私たちは最大の警戒心を持って5月に向けた闘いに立ち上がりましょう。たとえどんな裁判長のもとであれ、真実はひとつ、石川さんの無実は揺るぎのない真実です。

5月に向けて各地から要請行動に取り組もう!

私たちは今年、波状的、連続的な要請行動を取り組むことを決 定しました。青年、婦人や各地からの要請行動団を組織し、当面5月の第13回三者協議に向けて東京高裁、東京高検に再審を迫っていきましょう。

地域に要請行動の取り組みを打ち出し、石川無実の数々の新証拠を広め、石川一雄さんを犯人にでっち上げるために行われた警察による部落への集中的な見込み捜査やマスコミによる差別キャンペーンを訴え、多くの人たちの声を拾い上げて要請行動に集約しよう。

差別の中を生きてきた石川さんの生いたちとたたかい、その悔しさと怒りは必ず部落大衆の中に共有され、「再審を開け!」は、多くの労働者、市民の声となり、再審の門をこじあける力の源泉となります。

今年こそ、全国連をはじめ全国の部落民、労働者、市民の総決起をかちとり、再審を実現しよう。

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