1月23日、全国連は共闘のなかまとともに、今年第1弾の狭山要請行動をおこないました。要請行動には、団長の村上義久副委員長をはじめ福岡、山口 、広島、関西の各支部、長野、江戸川、茨城から代表が参加しました。
高裁は事実調べを 11通の要請文を提出
午前10時から事前集会をおこないました。村上副委員長は「今年は狭山事件発生から50年。石川さんは1月14日で74歳になった。差別裁判が50年も続けられている。これを打ち返そう!」と参加者に檄をとばしました。これを受け、全員が「石川さんの50年のたたかいの重み、怒りの迫力で要請をたたかい抜く」ことを誓い合いました。
午前中に、東京高裁に対する要請をおこないました。対応にでてきた加藤訟廷管理官らにたいして、全証拠の開示命令、事実調べを強く迫る11通の要請文を読み上げ、提出しました。
検事を厳しく追及!
午後から、東京高検にたいする要請です。狭山担当の主任である保坂検事を相手に要請をおこないました。
まず、村上要請団長が「石川さんの50年の苦しみ、くやしさ、憤り、想像に絶する。検察も真実を明らかにするために、真摯な態度を示していただきたい。検事は証拠の『開示は必要ない』との意見書を検察は出した。これが真摯な態度なのか。次の12回目の三者協議で真剣に対応していただきたい」と、冒頭に申し入れました。
このあと、要請団の保坂検事への追及が始まりました。
これが真摯な態度か
……(要請団の問い)10月3日に、「開示は必要ない」との意見書を検事は出した。「真摯に対応する」との前回の約束と違う。検事はどう考えるのか?
■保坂検事具体的なことは申し上げられない。誤解がある。開示したものもございます。
……(要請団の問い)勧告された8点のうち3点が開示されていない。三大物証に関するものなど重要証拠、真実を明らかにするうえで開示が必要だ。その点はどうか?
■保坂検事証拠開示について、三者協議でおこなっている。ここでは申し上げられない。
………三大物証について、今、疑問が持たれている。「有罪判決の維持」ではなく、もう一度、真実を明らかにすることが検事の仕事だ。なぜ開示しないのか、理解できない。検事の基本的姿勢を教えて欲しい。
■保坂検事この場では答えられない。
………再審制度は、えん罪、無実の人の救済の制度だ。検察は100%過ちをおこさないのか? いや、検察も間違った。ねつ造もあった。その反省にたって狭山にもとリ組むべき。足利事件では検事は謝罪した。■保坂検事一般的な話はさらにできません。検察の利便に沿って仕事をする。
鑑定書の提出を弾劾
………検察は50年も経って、再審の段階で新たな鑑定書・意見書を出して立証をやり直した。有罪の立証をやり直すほどのことがあったのか?
■保坂検事弁護団からの主張があったので、反論した。新たな立証をしたわけではない。意見書は「こういう見解を述べる学者もいます」ということ。立証をやり直したというのは、見解の相違です。
事実調べに応じよ!
………事実調べについては、どうなのか? 検察も弁護団も鑑定書を出している。鑑定人尋問おこなうのかどうかとなった場合、当然、検察も尋問に入ってくことに賛成の立場で臨むのか?
■保坂検事一般論では答えません。
………筆跡について、事実調べをやりたいといった場合はどうか?
■保坂検事仮定の話はできません。
証拠は確認したか?
………勧告を受け、まだ開示していない3項目は今も探しているのか?
■保坂検事内部のことなので、答えられない。
………「不見当」と答えたのは、何人も前の担当検事ですね。あなたが担当になって、その証拠について、「ない」ことを自分で確認したのか?
■保坂検事………(無言)
………この間、えん罪が晴れた事件で、「ない」と言っていた証拠が後で「ありました」ということが起こった。保坂検事も、担当した以上、確認する必要があるのではないか? 重要な証拠で、裁判所の勧告も受けている証拠だ。自分で確認すべきでしょう。前の担当検事は「私の考えうる限りのところをさがした」と言っていた。保坂検事として、「考えうる」ところはないのか?
■保坂検事私も検察官として仕事はしていますので…。
次は2月25日に
検事からまともな回答はありませんでした。しかし、要請団の追及が検事を追い詰めていることは十分に感じ取れました。結局、時間が来てしまい、このあと要請団が用意してきた要請書の要点を訴え、要請行動をやりぬきました。
全国連は、この要請行動をかわきりに波状的に要請行動をたたかいます。次回は、2月25日、婦人部が全国結集したたかいます。