証拠開示、事実調べかちとり今年こそ完全無罪を!  部落解放同盟全国連合会副委員長 村上久義

(2013年01月20日)

 

闘春

あけましておめでとうございます。

狭山事件発生から50年。ことしは石川一雄さんと部落のきょうだい・支援者のみなさんの悔しさと無念を必ず晴 10・28狭山中央闘争にて、主催者を代表してあいさつする小森狭山闘争本部事務局長 らし、完全無罪を勝ちとる決定的で重大な年です。絶対に完全無罪を勝ちとりましょう。

思い返せば50年前の5月23日、犯人を取り逃がした警察は、「生きた犯人を捕まえよ」の国家命令で、狭山市内の二つの被差別部落に襲撃的に襲いかかりました。村をズタズタに踏みにじり抵抗できないようにして、120名に及ぶ青年達をしょっ引き、マスコミを使って「部落は悪の巣」 「犯罪者の集団」などと全国に部落差別をあおったのです。そして石川一雄さんを不当逮捕したのです。この悔しさ憤りを絶対に忘れてはなりません。

石川さんの狭山闘争の原点は、「死刑」という死の淵からはい上がり、自分を殺人者にはめた警察、検察、裁判所=国家権力の差別犯罪を糾弾し、完全無罪を勝ちとることにあります。したがって私たち全国連の狭山闘争も、石川さんの思いを体現し、国家権力の差別犯罪を糾弾する闘いとして、貫かれてきました。

  1月下旬に開催される第12回三者協議は、第3次再審の行方を決する重大な場となりました。弁護団は現在準備中の新証拠、補充書を春までに提出する予定で、それ以降は鑑定が対立している筆跡、スコップ、殺害方法の点について、裁判所が鑑定人尋問などの事実調べにはいるかどうか、結論を出す切迫した状況に入ります。   私たちは証拠開示勧告以来、全力で裁判所、検察庁への要請行動を闘い抜き、これまでに80数点の証拠の開示を勝ちとってきました。その中には、逮捕当日に書いた「上申書」や殺害現場とされる雑木林での「ルミノール反応検査をやった、陰性だった」という聞き取りメモの開示など、これだけでも無実を証明する重要な証拠が含まれています。  しかし、追い詰められた検察は昨年3月と5月、これまでの主張を補強する4つの鑑定をつけた意見書を出してきました。それは筆跡、スコップ付着土壌、殺害方法と死体に関する意見書です。   考えても見て下さい。50年もたった今になってもオドオドと「有罪」の立証をしなければ、その根拠がデタラメな鑑定書だったと言うことです。本来やるべき証拠開示もしないで裁判所から求意見もなされない段階で補強意見を出さざるをえないほど、追いつめられ、完全にぐらぐらになっています。   この検察のウソをつぶすには、事実調べを勝ちとることです。鑑定か対立している「殺害方法」などの鑑定人尋問と事実調べを実現すれば、どちらが真実かはっきりします。   また、これを突破口に雑木林で「悲鴫も人影も見なかった」と証言しているOさんや、家宅捜査し「万年筆はなかった」と証言している元警察官など、生の証言をしてくれる証人を法廷に呼んでの事実調べは決定的に重要です。   そして第1次~第3次再審までに裁判所に提出されている新証拠です。この事実調べを実現させ、検察にとどめをさしましょう。   最後に、私が解放運動=狭山に関わったのは今から46年前の18歳の時です。   夏の暑い日、狭山現調に行き、かもいに「万年筆」が仕掛けられた事を力説してくれた父親富三さんの目を、今でもはっきりと覚えています。   これまで解同本部派で狭山闘争をたたかう中で、何度も困難にぶつかってきました。それは権力とたたかう前に組織内の日共党員や融和主義者どもから不当な処分を何度も受けてきたことです。   しかしどんな処分を受けても一切悔いはありませんでした。ここと決断したら、すべてをかけてでもたたかわなければならないときがあるのです。全国のきょうだい。労働者市民の皆さん。今まさに狭山闘争がそうなのです。勝利のために一切合切をかけて立ちあがろう。実力で再審の扉をこじ開け、完全無罪をもぎ取ろう。   正義は石川一雄さんにあり。
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