4月6日~7日 第22回全国大会に参加しよう

(2013年01月15日)

 

第22回大会の基調について

昨年の12月23日、第22回全国大会に向けて議案書起草委員会がおこなわれました。そこで大会の基調についての考え 昨年4月の第21回全国大会 運動と組織の変革について提案する中田書記長 方がしめされました。大会成功への討議のために、本部提案を掲載します。

全国連変革の道を突き進んでいく

前回大会での「組織改革」への提案しました。その内容は、<「格差是正」という考え方の転換>、<青年の組織化と世代交代>、<村の「自治」>のみっつの具体的内容を提案しました。

しかし、このみっつは、いわば試行錯誤的な指標として提案したものです。その核心は、本部派の崩壊によって露呈した村の団結の崩壊、部落大衆の団結の崩壊という状況のなかで、全国連がみずからの手で部落大衆の団結をゼロから取り戻すとともに、階級闘争全体のなかで部落解放運動がはたす役割をあらためて位置づけ直す(打ち立て直す)ということにありました。

その後、一年間の論議の状況では、一部に「転向ではないか」という意見が出されましたが、全体としては 実践をもとに討論(拡大中央委員会) あまり議論がおこなわれてきませんでした。実際のところ、どのように受け止められているのでしょうか。また、一部には創意的な努力がおこなわれていますが、全体としては旧来の状態を脱し得ていないのではないかと思われます。

そのなかで、22回大会では、今後もこの道を進むのか、それとも元にもどすのかが大きなテーマとなります。

結論から言いますと、全国連の変革という前回大会の提案は、これから5年、10年をみすえた、いわば大路線ともいうべきものとして提案したものです。それゆえ、基本は、断固としてこの道を進むということにしたいということです。

実際には、このような大きな変革というものは、試行錯誤を重ね、失敗を繰り返しつつ、2~3年かけて全体が確信を深めつつ、移行していくというプロセスをたどるのではないでしょうか。

いずれにせよ、現状に追随すること、あるいは惰性のまま進むことは、全国連にとって死をしか意味しません。組織全体で討議を深めていくことができるように提案しなおすということが今回の大会の基本になると思います。

もちろん、その場合、まだまだ部分的とはいえ、これまでおこなわれた実態調査の全国的集計とその総括をふまえ提案したいと考えています。

部落大衆の団結を再びつくり直していく~組織の現状の変革

なぜ、変革なのか。全国連の組織の現状ということです。全体的な支部員の減少傾向、組織の高齢化。支部としての村(と市行政)をめぐる独自のテーマがないというのが実情ではないでしょうか。茨城における県連ぐるみの反原発の取り組み、長野での実態調査・要求のくみ取り・解放ボランティアの取り組みなどがありますが、全国的に見れば、支部としての当該の部落にたいする独自のテーマがほとんどみられません。

奈良・西之阪での住宅明け渡し攻撃にたいする反撃のたたかいにおいて、自治会選挙の圧勝をとおした村ぐるみの反撃という決定的な情勢をつくりだしました。しかし、現状は、ここにとどまり、この力を奈良市全体の行政動向と対決していくものへと発展させていくことにはいたっていません。そのためには、一方で村全体の要求課題というものをつかんでいくとともに、他方で、全市民的な観点から市行政をどう変革していくのかという方向を打ち立てていくことが必要です。

北摂では、本年に支部結成大会を予定しています。これまで、村にとって「外部」の勢力だったものから、村の「内側」の勢力へと転換していく重要な契機になります。問題は、これを前後する過程で、村の課題をどこまで浮き彫りにできるかにあるのではないでしょうか。

総じて、全国連の支部は、個人として、あるいは個人の集まりとしてしかないという状態がまんえんしています。村の問題をめぐって行政とやりあったり、村の課題を部落解放運動の立場からどうしていくのかという方向を持ってかみこんでいくという構造になっていない。 これが、ここ数年の全国連の、いつわらざる状態ではないだろうか。このままいけば10年後に、いったい、どれだけの支部が存在しえているのか、本当に、真剣に考えなくてはなりません。

解放運動は必要か

もうひとつは、「部落解放運動は本当に必要なのか」、という問題です。

ほとんどの村において、本部派は消滅しています。全国連にたいする妨害物の崩壊という情勢です。にもかかわらず、この情勢はまったく活かされていません。なぜか。本部派の消滅は、同時に、部落解放運動の基盤の消滅でもあります。全国連が左翼反対派として存在しえた(存在意義を持ち得た)基盤そのものの消滅を意味するからです。

部落には、再び「寝た子」がまんえんしはじめているます。これを全国連はみずからの手で打ち破らない限り大衆を組織することはけっしてできません。しかし、この「寝た子」の再まんえんという事態は、部落大衆が生活に満足しているからそうなっている訳ではありませんし、部落差別がなくなっているからでもありません。融和主義的懐柔によって差別とたたかう団結というものが見えなくなっているのです。こうして、一見、部落大衆にとって部落解放運動が必要ではなくなったかのような事態が生み出されているだけです。だから、これを打ち破って、再び差別とたたかう団結を打ち立てることはできます。

だが、そのためには、旧来のように、本部派の存在を前提にして、本部派の批判と、その戦闘的突破というだけでは限界があります。部落解放運動がなぜ必要なのかというところから、村と部落大衆と切り結んで格闘しなければなりません。そのためには、村全体の動向、村全体の課題をつきとめ、それを部落解放運動の立場からどう考え、位置づけるのか、いかにして実現していくのかということを明らかにし、実際に大衆をまきこんで実践していくことが必要になります。

こういう努力、格闘を、いまこそ全組織をあげてやっていこうということです。全国連は、みずからの手で、部落大衆の団結を再び、ゼロから打ち立てるたたかいに挑戦しようということです。 解放運動が世の中の変革の一翼を担う 以上から、全国連の進むべき道を積極的に提案します。

実態調査の継続

まず、実態調査の完遂です。

いまや、実態調査がいかに重要な取り組みなのかというこが明らかとなっています。実態調査は、村全体の動向、村全体の課題を明らかにしていくためには、他に変えることのできない取り組みです。

全国連の支部がある村における、村全体の動向、課題をつかみとっていくとともに、全国的な部落の状態、意識、動向をつかむ。だから、基本方針として、実態調査についてはこれからも継続していくことにします。

反動的な流れと対決

今ひとつ重要な方針は、世の中を変えるたたかいの一翼を担うということです。

変革という場合、一方で、部落大衆の団結をゼロから作り直していくということとともに、他方で、部落解放運動が世の中の変革をいかにになっていくのかということを鮮明にしていくことも大事です。言い換えれば、いまの世の中の反動的な流れにたいして、部落解放運動は「こういう運動で対決していく」というものをしっかりともたなければなりません。

革共同と決別して5年。これを一から模索していくことになりました。全国連じしんが、みずからの運動によって、世の中を変える力を打ち立てていく、みずからの運動によって世の中を変える力の一翼を担っていくということでなければなりません。

そのとっかかりは、けっこうあります。たとえば、地域合同労組や、東大阪の国保と健康を守る会の運動。そして、三里塚闘争との連帯や、青年部を中心にした沖縄闘争への決起、さらに昨年いらい取り組まれてきた反原発の取り組みなどです。

反原発に取り組もう

これらは、部落民の利益を守るということだけでなく、合同労組であれば、戦闘的労働運動の再建の一翼を部落解放運動が担うという方向に、国健会の運動では、福祉・社会保障切り捨ての政治と対決する運動の一翼を部落解放運動が担うという方向に発展させていくべきものです。こうした意味で、反原発のたたかいは、その大きさと広がりという点でも、部落解放運動の発展にとっての重要な領域として、あらためて位置づけ直す必要があります。

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