婦人部大会の発言から
主催者あいさつ 中央本部から中田書記長
全 国連にとって、今年、来年は非常に重要な闘いの年。10・28狭山中央集会をたたかいました。狭山事件から50年、再審が開始されるかどうかの正念場を迎える。このたたかいに勝利し、部落解放運動の未来をきりひらいらいていこう。
全国連婦人部から 小林あや子婦人部副部長
同 和対策事業が打ち切られて10年。部落差別は後をたちません。週刊朝日のおぞましい部落差別、長野の結婚差別事件でも裁判所が差別を擁護する判決を下しました。私たちは団結してたたかっていかなければなりません。
開催地地元あいさつ 井橋昌夫茨城県連書記長
部落解放運動が関東で広がったのは狭山闘争からです。静岡のお茶からも原発事故の後、放射能が検出されています。解放運動と命を守る取り組みを進めていきたい。茨城でも、運動を活発に担っているのは婦人です。これからも共に闘っていきます。
来賓挨拶には、新城せつ子杉並区議、動労西日本の小川さんに参加と発言をいただきました。また、三里塚芝山連合空港反対同盟、全国連青年部からメッセージが寄せられました。
全国連は反原発闘争の最先頭でたたかおう
婦人部第21回大会のメインの企画は、原発反対の訴えでした。大会では、福島から水戸に避難され、反原発にとりくむ木田節子さんから講演を受けました。また、茨城県連と江戸川支部による朗読劇「原発はいらねえ」が上演されました。木田節子さんの子の講演の要旨(文責は編集部。紙面の関係でかなり短縮しています。ご了承ください)を報告します。
自分が被災者となって原発はいらないんだ!
講師と紹介されましたが、私は学校の先生でもありませんし、評論家でもありません。本当にただのおばさんです。福島県の双葉群の富岡町で普通に暮 らしていました。
津波は青森県の八戸から、茨城県の大洗というところまできました。その距離は、650キロぐらいあります。東京から大阪までが550キロですから、今回の津波は東京から大阪を通り越し、神戸か姫路ぐらいまでが流されたぐらいの大きさです。
亡くなった方は1万8千人か1万9千人です。まだ見つかってない方も2000人以上います。これだけの人間が亡くなって、福島県の場合には地震と津波で、建物の中に取り残されたり、津波で流されていって、そしてまだ生きていた人がいたかもしれないのに、原発が爆発して、放射能が拡散し、逃げろといわれたので、自分の身内を、家族を捨て置いたまま逃げなければならなかったのです。
こんなことになったから、私は「原発は間違いだ」「原発はいらないんだ」と、いっています。そしたら、「原発に反対するやつは電気使うな」っていう人がいるんですね。別に原発でないと電気がつくれないわけではないんですけども。今でも原発が「必要だ」と言う人もいます。野田総理はじめ、経済界からお金をもらっている政治家とか、経団連。なぜだか普通のサラリーマンも、「俺たちは関係ない」と思っているのでようかね。それは、阪神大震災が起こったとき、私も自分の問題として考えることが出来ませんでした。それから17年たって、これではだめなんだなということに自分が被災者になってやっと気づきました。
福島の子ども、自分らの子どもの命を考えよう!
福島の子供たちは、本当だったらレントゲン技師しか入ってはいけない、ものすごく高い放射能の中で暮らしているんですね、今。新聞でも、ここのところ一生懸命、原発で働いている作業員たちをないがしろにしてきたことを訴えています。それから、テレビの中でもはっきり言う人があります。芸能界でも、本を書いている人、それから金融業界でも有名な会社の社長さんも原発反対と言い出しています。1年7ヶ月たってそういう人がいっぱい原発反対の声を上げています。 人数的には政治家と金持ち、いろんな企業を経営している社長の人の方が少ないと思いませんか? 普通に暮らしている私たちよりも、政治家の方が少ないはずなのに、どうして間違ったことをいう、そういう人たちの声が通るのでしょうね。「金のためだったら福島の子供たちは放射能の中で暮らせ」といわれているようなものなのですよ。
野田首相は、私より4コしたなのです。でも、福島第1原発の終息は40年後、あの人、生きてないですよ。今、政治家をやっている人が原発を動かせと言っているのは、責任を取らなくていいからなのですよ。 政治家のことをいいましたが、私も富岡町に住んでいたときにあの3月11日、そして翌日に原発が爆発するまで、原発反対の声を上げなかったので、政治家のことも言えませんけれどもね。ただ、私は気がつきました。やはりどこかで考えませんか。自分たちの子どものことと考えませんか。
原発と差別に反対し、一緒に声をあげよう!
それから、爆発した福島第1原発の危ない末端の作業をしているのは誰かというと、部落の方も多いということを聞きました。本当にずるいことに、いろんな事情があるのでしょう、学校にも行かなかった方、そういう人を利用するんですよね。 自分の息子も原発の関係の仕事をしています。いざ爆発してしまったら、東電の社員とか日立とか東芝のメーカーの人たちとの扱いが違うんですよね。結局は、下請けであったり、そういう弱者ばかりが辛い思いをしているんだということが分かりました。
そして自分自身も住む家がなくなって避難生活をすることになった時に、気がついたんです。自分も、差別される側になったんだなあってね。原発が爆発して、福島の人が関東に逃げた時に、いわきナンバーとか福島ナンバーというだけで、コンビニで買い物をしようとしたら、コンビニに入るなと言われた、お風呂に入ろうとしたら、原発から逃げてきた人はご利用はお控えくださいと言われた、そんな話を、私はずっと聞いていました。
今、福島では、福島県内に避難している原発難民、あちこちの仮設住宅に暮らしている人たちに暴言を吐く福島の人たちがいるようです。34万人ぐらいの町に、いま3万人以上が仮設住宅などで暮らしているので、「道路が混んでも双葉郡の原発難民のせいだ」「レジが混むのも双葉郡の奴らが…」と。今年の4月にはいわき市の市長が、暴言をはきました。
本当だったら、支えあわなきゃいけないのに、どうしてこんなことになるのだろう。案外、日本人て差別が好きなんだなあと、私は自分たちがそういう扱いを受けることで気がついたんですよね。この国は、やっぱり間違っている。原発のことも間違っているけれども、人間の命というものを大切にしない国なんだな、そういうことに気がついて、発言をするようになっています。
まずは、私は原発反対を訴えますけど、原発が作られる過程でこの国は最初から差別をしてきた、差別をされてきた人たちに被爆しながら作業を強いていてきたのです。明日は今年最後の原発反対の大きな集会があるんです。私も皆様と同じように、差別はいけないのだと発言していきます。皆様も、原発は間違です。その原発が間違いだということに関心をもって一緒に声をあげていただきたいと思います。どうぞよろしくおねがいします。
運動方針をうけフリートーク
差別とのたたかいを次の世代に語り継ぐ
関西地区の婦人から
自分が体験した差別との闘いを、町内や各地で語ってきました。自分の子どもや家族がどう思っているのか? 若い者が運動をしていない。教育は大事。しかし学力をつけるだけではない。差別と闘う心の学力が必要だと子どもと話をしたことがある。私は差別を受け、つらい苦しい思いをしながら差別と闘ってきました。今こそ運動の中心となって団結を強め完全解放に向かって粘り強い日常活動を続けていかなければならないと思います。人の意識を変革するのも並大抵のことではありません。私たちはそれぞれ生活している地域、闘っている現状も違いますが、 一番大事なことは、婦人の役割は次の世代に部落差別を糾弾していく 、また一人でも語り継ぐ役割ではないでしょうか。語り継ぐことが一番大事です。
住宅奪われる悔しさ 村の団結で晴らす!
西之阪・大橋利香さん
奈良の住宅裁判は裁判では負けましたが、みんなの団結で分納をかちとりたたかってき ました。しかし仲川市長は「全額納入できなければ出ていけ」と攻撃をかけてきました。亡くなった父の家も明け渡しとなりました。悔しい思いでいっぱいです。しかし、前に進まなければなりません。取り戻すために頑張っています。住宅闘争に立ち上がってきてくれた村の人たちと一緒にたたかっていきます。仲川は来年7月まで任期がありますが、私たちが追い出してやります。村の人とのつながりが一番大切です。
村の思いをうけとめ、すぐに動こう!
荒本支部・中田照美さん
生活相談 員として2年ぐらい前から一人で仕事をこなしてきました。大変な2年間でした。支部員さんの相談、家賃、支部費、水道代、大変でした。支部を裏切り、村から出ていく人には本当に腹が立つし悔しいです。残っているのはお年寄りと生活の苦しい人です。その人のために頑張っていきます。本部派支部の人も相談に来るようになっています。支部の支部長、書記長に協力してもらって頑張っている。地域の中で、すぐに動き、村の人のために闘うのが私たちの役割です。どこの地域でもできると思います。各地でも、村の人の思いを大切に頑張ってください。
青年部との交流やボランティア活動
長野・山口禎子さん
年々高齢化する婦人にとって次世代の婦人部をことが せっぱつまった課題です。青年部の子供をもつお母さんと交流を続けてきました。青年部と連携することが若い婦人を獲得する近道です。もう一つのテーマは高齢者の生活支援です。私たち婦人部の日常活動となりました。家のこと、病気のこと、さまざまのことに力になれればとボランティアに取り組んでいます。その人たちに県連の機関紙を購読してもらい、月に2回会って購読料ももらって関係が深まっています。
恒例の交流会もパワーアップ
1日めの夜は交流会。仕事、家事、育児、活動と忙しい婦人にとって、年に1度、全国から集まって楽しいひと時を過ごす貴重な時間となっています。
「原発はいらねぇ」 茨城・江戸川で朗読劇
茨城県連婦人部、江戸川支部の参加者全員がこの朗読劇に参加しました。 中身は、井橋中執、内本中央委員が政府の役人、東電の社長を演じ、「 放射能は安全です」「レントゲンと同じです。何の心配もいりません」「しかし、東電や役人の家族は安全なところに逃げさせてもらいました」「ばらまかれ た放射能は、もう東電のものではありません」「みなさんの家や畑に落ちた放射能は、皆さんのものです」などと、デタラメを言いたい放題。これに対して、婦人たちが「子供がどうなってもいいのか」「原発がなくても、電機は足りる」など口々に怒りをぶつけ、デタラメを論破していくというものでした。
そして最後に、「原発をやめろというデモにみんなでいこう」「全国連の婦人部は子どもたちの命を守るために、原発反対の先頭にたちましょう!」と訴えました。