青年は全力で10・28狭山中央闘争へ

(2012年09月30日)

 

 青年部第4回大会の報告

【青年部部落解放同盟全国連合会青年部第4回定期大会を、8月25日~26日の2日間、水平社の発祥の地でもある奈良で開催しました。

今回の青年部の獲得目標は「奈良青年部の復権」「10・28狭山中央闘争を青年の力で成功させよう」という二大方針でした。

大会が 基調提案をおこなう小林青年部長 司会者の萬田智さん(荒本支部)の開会宣言で始まりました。現地実行委員長の大橋ひかりさんの力強い全国青年部結成宣言の朗読が行われました。主催者の小林拓也青年部長挨拶に続き、中央本部の北浦青年対策部長、地元の大橋昌広中執、北浦寿恵子婦人部長から連帯の挨拶をしていただきました。

その後、参加者の自己紹介で全国から集まった青年が登壇し各地から思い思いの挨拶をしました。そして2011年度活動報告を金平玲副部長が行い、昨年度の運動の総括が出されました。2011年度会計報告を日裏さん、特別アピールを現地実行委員長である大橋ひかりさんが行いました。地元奈良での取り組んでいる住宅闘争を軸とした青年部を復権させると強い意志のこもったアピールが発せられました。

そして2012年度運動方針案を小林青年部長から行いました。青年を取り巻く情勢と解放運動をめぐる情勢を展開し三大闘争を基軸にした取り組みが提案され、青年部組織建設を集約させようと訴えました。奈良青年部の結成、10・28狭山中央闘争につなげていこうと提起しました。

住宅、労働で特別講演

特別講演では「奈良同和住宅問題」「自治体の現業労働と労働組合運動」について二人の方から講演していただきました。

明け渡し攻撃と断固闘う

まずはじめに、同住連代表でもある大橋昌広中執が講演されました。大橋さんは、同和住宅を建てさせる以前の部落のくらし(仕事)と住環境の 荊冠旗を囲んであちこちで思い思いに記念撮影 こと、建設要求で役所に何回も行った闘いの歴史から現在の反動的な仲川市長、行政との交渉の闘いなどの具体的な内容について学びました。特に地区改良事業で、元々みんなで助け合って暮らしていた土地を市行政が一つにまとめて、家賃も取り決めたこと、それを今になってこれまでの何倍もの家賃を不当に要求し、払わなければ明け渡しの裁判をかけるという内容で、これこそが解放運動つぶしの攻撃であり、断固たたかいぬくと訴えられました。また、建設前の部落は共同トイレやお風呂が一つだったことや一般の土地と比べてあまりにも部落の土地の価値が低かったことを話していただきました。劣悪な生活環境や一般との格差に驚き怒りがわきあがるほどでした。

労働組合の闘いに学ぶ

つづいて奈良市従労組委員長の大橋浩治さんより労働運動について講演していただきました。初めにDVDで自治労奈良市従業員労働組合の歴史を学び、部落差別と現業労働の関係について詳しく話していただきました。清掃の労働者のうち80%は部落出身者だったこと、給料が材料費として支払われていたことなど部落民が人間として扱われなかったことなどを話していただきました。

お二人の講演を聞いて部落差別のあり方が鮮明になり労働運動や解放運動の重要性を感じました。こうして1日目の大会議事が終了しました。

絆を深めた交流会

夜の交流会では、各地参加者がもちよったお土産を景品にして、奈良独自の企画したさまざまなゲームをおこないました。奈良現地のバックアップのもと交流会を盛り上げてもらい、本当に楽しい時間を過ごせました。

参加者の感想でも「初めて会う人たちと交流会で打ち解けることが出来て安心した」という意見もありました。また、子どもたちのはしゃぐ姿も見受けられて笑い声が絶えない盛大な宴会の場となりました。その後の2次会、3次会では各部屋でのカードゲームで盛り上がったり、朝まで生討論会があったりしました。

青年が輪になっていろいろ語り合い議論しあったりして青年の絆が一層深まる場になりました。

組織づくりへ活発な討論

二日目は、寝起きドッキリ、ラジオ体操と朝から現地実行委員主催による企画盛りだくさんのスタートでした。寝ぼけ眼で意識もうろうとしていた青年たちも気合十分で朝を迎えることができたのではないでしょうか。朝食の後、大会議事に入りました。全体討論では各支部の青年たちからさまざまな意見が出ました。 新しい執行部「青年部幹事会」のメンバー 「40歳を超えて今大会で一旦は青年部を引退するが、必ず地元で支部建設をやり抜き、新たな青年を大会に連れてくる」「今回は、本当に楽しい大会になった。勉強になることもたくさんあって、これらを地元に持ち帰り、ムラまわりの材料にしていきたい」「組織三原則をやり抜いて実行委員会を立ち上げてきた。来年は、今年と同じ目標を掲げ、組織的に動員をかち取りたい」「被爆者にかわって2世として受け継ぐ。まだまだ青年部として頑張る。10・28に総結集しましょう」など、青年部組織づくりに積極的な意見が出されました。

また、「子どもが生まれて、しばらく参加できなかったが、今回は家族で参加した。これからも一緒に参加していきたい」「久しぶりに参加した。たまに会館に足を運ぶ事はあるが、家庭を持つようになってなかなか顔を出せなかった。でも、奥さんには自分の出身宣言をして理解してもらっている。これからもみんなと一緒にがんばりたい」といった環境の変化によって参加できなかった仲間からの決意も出されました。

つづいて今大会のまとめを青年部長が行いました。「とにかく、大会をみんなでやりぬいた。夜もたくさん討論しあった。内容に結論など見えはしないが、青年同士の意見がぶつかり合って、初めて仲間意識が生まれる。それが青年部大会の意義である。とりわけ今大会の成功は、二大方針にかかっている。奈良の青年部復権・結成に向け全力で取り組もう。そして、10・28狭山中央闘争を青年先頭にして大結集をかちとろう」と二日間の大会を総括しました。

その後、提案されたすべての議案が採択されて新執行部体制も承認されました。最後は副部長の団結ガンバローで幕を閉じました。

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