8・6ヒロシマのつどい報告

(2011年08月25日)

  核・放射能と人類は共存できない!
原発は私たちのたたかいでとめよう!

「被爆66周年 8・6ヒロシマのつどい」が8月6日、広島市文化交流会館でおこなわれました。このつどいは、被爆者の声、かつての日本の侵略戦争の被害者であるアジアの人々の訴えをうけとめ、8・6ヒロシマのたたかいを原点からよみがえらそうと、全国連と反戦・反核、反差別をたたかう労働者、市民がいっしょになってつくりあげてきたものです。4回目となる今年は、福島原発事故の現実をうけて「反戦・反核・反基地と、反原発、福島の子供たちを守れ!」を全世界に発信するものになりました。
つどいをはじめるにあたって、「アオギリの語り部」とよばれ8・6ヒロシマを証言してきた沼田鈴子さん(呼びかけ人の一人で7月に亡くなられた )への黙祷をおこないました。
開会宣言で司会の大橋ひかりさん(西之阪支部)が、祖父の軍隊内での差別の体験を紹介し、「おじいちゃんが伝えたかったことは、戦争反対、なくせ原発、 なくせ基地」と宣言しました。つづいて、沼田鈴子さんと共に活動してきた「被爆アオギリのねがいを広める会」から、沼田さんの思いを受け継いで活動を続け ていくことが語られました。
つどいの発言の要旨を紹介します。

■被爆者から
李金異さん(広島・福島町)のお話と、原爆詩人の上田由美子さんに登壇いただき詩を朗読していただきました。

▼李金異さんのお話
去年に被爆者手帳が交付されました。68歳のときです。体調が悪くなり、被爆の影響に恐怖しました。被爆者は日々、こういう思いの中で生きている。私の 父母が被爆していた。その記録が県にあるのに知らされなかった。私が調べる中ではじめて、わかった。日本の中には差別がある。絶対に許せない。

■私が出会った原発災害
▼福島原発事故で川内村から避難してきた大塚愛さん
自給自足を志して福島で12年、間暮らしてきました。暮らし始めたときに20・のところに原発が10基(福島第1、第2)があるのを知りました。
原発の近くで暮らしながら、放射能の問題、廃棄物の問題、知れば知るほど原発に関する問題をかんじていましたが、いまこの災害をうけて、自分が心をささ げていた大事な山や海が汚染されてしまい、そこに子供をつれて帰ることができなません。悲しい思いをしています。こんな悲しい出来事を繰り返してはならな いと思います。原発が動いている限り、起こる可能性はゼロになりません。どんな電気がいいのか、自分で決め、発言し、行動できるようにしたい。

■新潟県(旧)巻町 巻原発住民投票について
▼笹口孝明さん(元巻町町長)
「巻原発・住民投票を実行する会」をつくり(1994年)、はじめは住民自主管理の住民投票をおこないました。投票率は、45・4%、原発反対の票は 95%、推進派の町長が町長選挙で獲得した票より上回っていました。町長をリコールし、私が町長になり、条例を制定して行政としてはじめての住民投票をお こないました。結果は、町民の絶対多数が「原発はいらない」と投票しました。
原発推進派から「住民投票をすると町が混乱する」「住民投票で決めるなら,議会はいらない」「原発は国策。一地域の住民がけいめる問題ではない」などの 批判がありますが、町の主権は町民にあります。真の民主主義は何か、考えるべきです。巻町民はこの住民投票によって、自分たちの将来を自分たちで決めたこ とに誇りを感じています。

▼福島から避難した小学生
原爆ドームをみて、僕たちも同じ経験をしているのだと思いました。福島のときに、いっぱいいた友達、福島にいるお父さんや家にいる猫、おじいちゃん、おばあちゃんに会いたいです。

▼元毒ガス工場工員 藤本安馬さん
いま、福島原発も、どうして福島県の田舎でつくるのか? 景気が悪い、仕事がない、そんな過疎地へつくる。金をぶら下げて、国民をだますことによって原 発をつくる。かつて、大久野島に毒ガス工場を作ったのと同じです。侵略戦争で毒ガスをつくって、中国人を殺す、つくった人間も被害をうける。目先のことに とらわれて、後で気がつけば命の問題です。団結して闘っていきましょう。

▼重慶大爆撃被害者 簡全碧さん
私たちは大爆撃被害者の一部にすぎません。私のような生存者はもう年をとっています。私たちは生きているうちに日本政府から誠実な謝罪、罪の認識、賠償 を求めます。謝罪、賠償でなければ、私たちの恨みは晴らすことはできません。これをしてからが、本当の中日友好だと思います。

▼安次富浩さん(沖縄より ヘリ基地反対協議会)
普天間基地の移設で名護・辺野古に基地がおしつけられようとしている。歴代の日本の政権の沖縄差別をゆるさない。沖縄は基地の県内移設にNOである!

▼けしば誠一さん 東京・杉並区議
東京で5月に反原発地方議員市民連盟ができました。各自治体で原発に反対する決議や意見書を採択しよう、各自治体で放射線量を測った子供たちの安全をまもろう、ととりくんでいます。浜岡原発はひとまず止めた、玄海原発の再開も許さないようたたかいましょう。

▼まとめ 金平玲・実行委員会事務局長
福島から避難せざる終えない人たちを生んだ原発を絶対に許さない。私は被爆3世として、「放射能、核は人類と共存できない」を世界に発信するために今日 の取り組みをおこないました。原発は人間がつくったもの、人間の力で止められます。すべての原発をとめるためにたたかいましょう。
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