10・31狭山 各地で高揚

(2010年12月16日)

 

10・31 10・31、全国連は全国各地で「寺尾判決36ヵ年糾弾」のたたかいをうちぬきました。各地で石川一雄さんに連帯し、たたかう労働者の仲間と力をあわせてたたかいぬきました。11月2日には、首都圏と関西のきょうだいで、東京高裁、東京高検にたいする要請・糾弾行動をうちぬきました。

部落大衆と労働者の階級的共同闘争として狭山再審をたたかう
労働組合が主催する狭山集会に参加(関西)
関西の全国連は、10月31日、自治労奈良市従業員労働組合が主催した「狭山事件の再審を考える労働者集会」に全力で参加しました。労働組合、市民団体など賛同団体、個人、285人が参加しました。
主催者あいさつで、自治労奈良市従労組の大橋浩治委員長は、「石川さんの再審にかける思いを受けとめ、狭山再審闘争を自らのたたかいとしよう。狭山の勝 利なくして、労働者の勝利はない。部落差別にもとづくデッチあげを許さない。労働者こそ、反戦・平和、人権を守るたたかいの主人公となろう。色々なしがら み、立場をこえ、狭山闘争の大きな運動をつくりだそう」と訴えました。
つづいて石川一雄さんが講演に立ちました。石川さんは、まずはじめに、「71才になるが、無罪をかちとり、みなさんに恩返しをしていくために、毎日5キ ロのランニングを続けている」と語りました。そして、デッチあげ逮捕から47年間のたたかいを語り、「せめて半世紀になるまでに無実をかちとりたい」「勧 告が出ている証拠がすべて開示されれば、私の無罪が明らかになる」と、12月の三者協議に向け証拠開示のたたかいへの支援を訴えました。さらに、英会話を 習っていることにふれ、「無罪をかちとり、差別をなくす運動、えん罪で苦しむ人をなくすために世界にはばたく」と、決意を語りました。
要請行動を訴え
参加者の自由討論で、全国連から中田潔書記長が発言しました。中田書記長は、「全国連は、要請行動で『殺害現場のルミノール検査報告書などすべての証拠を 開示せよ!』『狭山事件では部落差別のもと、120人近くの部落青年が不当な取り調べをうけた。その証拠を開示せよ!』と追及しています。すべての皆さん が高裁、検察への要請行動にたちあがろう」と訴えました。
自治労奈良県本部など集会に賛同した労組からの発言につづいて、元意岐部東小学校教員の西元民臣さんは、狭山集団登校をたたかう荒本の子どもたちの熱い 思いを報告しました。また、10月29日、狭山ゼッケン登校をたたかった奈良・古市町の子どもたちが登壇、石川さんに寄せ書きを手渡しました。
集会のまとめで、奈良市従労組の北浦竜二書記長は、「このとりくみを継続し、実行委をつくって、とりくみを継続していきたい。職場から、労働組合が差別とたたかっていく」と、語りました。「差別裁判打ち砕こう!」の斉唱と団結ガンバローで集会をしめくくりました。
石川一雄さんは参加者全員と握手をかわし、最後まで支援を訴えられました。関西から狭山闘争の新たな、大きな発展への第一歩がしるされました。

「いま改めて問う 部落差別と狭山事件」
辛淑玉さんが講演(広島)
【広島支部】寺尾判決36ヵ年を迎えた10月31日、広島の福島町では「いま改めて問う 部落差別と狭山事件」と題して辛淑玉(シン・スゴ)さんの講演会をおこまいました。福島地区の住民をはじめ、陶、宇部支部また県内や島根のきょうだい、8・6ヒロシマ集会実行委員会の方々、そして教育労働者の方々など80名が集まり、会場がいっぱいになりました。
講演の前に、住民の会代表の李金異(イ・クミ)さんが福島地区住宅闘争の経過と支援を訴えました。そして広島修道大学の森島吉美教授からは、島根県で部落民と向き合い差別とたたかってこられた自身の原点をお話しされました。
また、広島支部青年部長の金平玲さんが、東京高裁、高検への狭山要請行動の報告を行い、今後も国家権力に対し徹底糾弾でたたかうことを決意を述べました。
そして辛さんの講演に移り、観衆はより集中して耳を傾けていきます。
辛さんは在日3世として「私は私でいたい。否定されたくない」と誇りを持ち民族差別とたたかってこられました。その生き様は石川一雄さんと重なるように感じます。それとともに、石川さんのたたかいに熱い連帯を示しました。辛さんはさまざまな研究や取材から差別の現実や立ち向かう方々のエピソードを交えながら、終始はきはきと話されました。
その後の意見交流では、「差別をはねかえす力がついた」「元気になった」「自分なりにかっこよく生きていきたい」など、解放された心の声がとび交いました。
最後に青年部の山根努さんが、「今正念場にある狭山闘争を、要請行動の参加や署名、はがきなど、できることから皆さんで盛り上げ、再審無罪をかちとろう!」と集会をまとめ、盛況のなか終わりました。
解放運動をとりくむ仲間が集い、ともにたたかう姿勢を高めることのできた有意義な企画となりました。この団結を礎に、解放運動の拡大、狭山闘争の拡大をめざして頑張ります。

福岡・天神町で50人が勝利を誓う
【福岡県連準備会】福岡では天神町とあさくら支部を軸に「10・31狭山集会実行委員会」を結成し、話し合いをつみかさねてきました。「石川さんの訴えに応え狭山事件の再審に勝利する一点ですべての人々とともに狭山闘争を一からつくり出そう!」と一致。
甘木総合隣保舘において開催された集会は、天神町支部の同和住宅家賃値上げ反対を闘ってきた住民や青年の根こそぎの参加を軸に、朝倉市議・虹ヶ丘労組をはじめ、福岡のきょうだいと労働者、佐賀の玄海原発のプルサーマル計画とたたかう市民など多数の参加をえて大成功、第三次再審の勝利にむけた新たな一歩を勝ちとりました。
石川さんの無実を明らかにしたビデオを見て、裁判所・検察にたいする要請行動の報告、石川さんのアピールと自由討論、集会後の交流会をとおして、部落差別による狭山事件のデッチ上げをはじめ、国家(権力)による人民の命と生活を奪い、踏みにじる犯罪を打ち倒すため、すべての労働者・市民が団結して闘うことを誓い合いました。

映画上映、現地調査、要請行動にとりくむ(茨城)
【茨城県連】茨城では「寺尾判決36ヶ年糾弾」に向けた狭山闘争を、〈各支部での「狭山の黒い雨」上映学習会、現地調査、要請行動〉としてとりくむ方針を立てました。
10月17日、最初の上映会が牛堀支部で取り組まれ、清水集会所には支部員10名が参加しました。
見終わった後、参加者からは「こんなひどい取り調べがされたんだ、とあらためて分かった」「これでは警察は何でもできる」「大阪の検事が証拠を改ざんしたことが問題になっているが、狭山事件でも同じことがやられたんだ」などの意見が出されました。
この後、23日には境町文化会館で境支部による上映会が開かれ、「家族にも見せたいので、DVDを貸してほしい」という参加者もいました。他の支部でも順次行っていく予定です。
狭山現地調査は、30日に中田支部が研修会を兼ねて取り組み、30名が参加しました。あいにく台風の影響で大雨となり、石川さん宅のみとなりましたが、石川さんの無実を自分の目と足で確認しました。
その後、狭山市勤労福祉センターで、狭山支部の井田書記長から、当時の状況や無実の証拠、また白山神社や地元部落の歴史などについて、お話しを伺い学習しました。初めて参加した人は、「万年筆は誰でも見える。裁判所でも絶対に見に来るべきだ」と、驚きながら話していました。移動のバスの中では、「狭山の黒い雨」を上映して鑑賞しました。この現地調査・狭山学習には、古河市役所や学校の教師も参加しました。
11月2日の狭山要請行動にも、首都圏の一員として参加しました。
県連では、これから未組織部落での上映会にも取り組み、狭山闘争を通じて県下のきょうだいの組織化を進めていく計画です。

長野で集会と駅前での街宣
【長野県連】10月31日、長野県連では「10・31狭山長野学習集会」を開催しました。「かがやき9条の会」代表(広島差別事件を許さない長野県実行委員長)の宮下さんや、信州合同労組、千曲ユニオンの労働者も結集され、第三次再審闘争勝利に向けて、幅広いたたかいをつくりだしていくことがはじめられました。
主催者あいさつに立った小森委員長は、結婚差別事件糾弾闘争と狭山闘争との一体的なとり組みを訴えました。
学習会では、・狭山情勢について(高見沢書記長)、・三者協議、証拠開示のたたかいについて(中村事務局長)の二本の学習提起が行われました。
青年部のアピールでは、小林青年部長が「狭山闘争も結婚差別糾弾闘争も、差別を許さずたたかい抜くことが、私たちが生きるための使命のようなものだ」と、熱烈なアピールを発しました。
各支部、専門部から決意表明がされ、まとめと行動提起を小林副委員長が行い、このあとの街宣行動と年末年始の狭山闘争と結婚差別事件糾弾闘争への決起が訴えられました。
長野駅前での街宣では、道行く人の反応も多く、特に狭山事件の証拠開示拒否の不正義性を、大阪地検の証拠偽造事件と結びつけるとストレートに「検察はひどい、許せない」と怒りを表明し、署名に応じる姿が多く見られました。約40分ほどの街宣になってしまいましたが、約60名の署名を集めました。




▲このページのトップにもどる