長野結婚差別糾弾闘争 離婚訴訟で証人尋問(9・1)

(2010年09月01日)

  M君、「差別を許さない」と堂々と証言
9月1日、長野結婚差別事件にかかわる「離婚訴訟」の第8回公判が行われました。公判では、離婚を申し立てた原告本人と、被告M君、M君のお母さんにたいする尋問が行われました。 このなかで、M君とM君のお母さんは、原告の父親が、M君とM君のお母さんにたいする身元調査を行い、その後M君にたいする態度を一変させた事実を明らか にし、この部落差別を「絶対に許さない」と宣言しました。M君とお母さんは、プライバシーに関わる内容を公衆の面前で明らかにするというプレッシャーをは ねのけ、差別を許さないという決意に立って堂々と証言を貫徹したのです。
また、この尋問において、原告は、M君と知り合った経緯についてウソをついたり、離婚したい理由について証言をころころ変えるなど、じつにでたらめな態 度を示し、離婚申立の正当な理由がなにひとつないことを自己暴露しました。樋口裁判長は、遮蔽版(ついたて)によってM君と傍聴席の一体となった差別糾弾 のたたかいから原告を守ろうとしたが、M君を先頭とした差別糾弾の強い意志の前に、このような姑息な手段は何一つとして効果をもちませんでした。この尋問 によって、原告による離婚の申立が、部落差別にもとづくものであることが完全に明らかとなったのです。
樋口裁判長による審理打ち切り弾劾!
この公判において、長野家裁の樋口裁判長は、弁護側から申請していた部落差別に関わる3人の証人尋問を却下、この日の証人尋問によってすべての審理を打 ち切り、最終弁論さえ行わず、「次回に判決」というとんでもない方針を示しました。これは、この裁判において、原告による離婚請求の真の理由が部落差別で あることが明らかになることを恐れ、裁判手続きさえ無視して、真実にふたをしようとする露骨な態度です。
しかし、このようなことは断じて許されない。この裁判長の方針にたいして、M君の弁護人である長谷川弁護士は、「真実の追究という裁判所の職務の放棄 だ」「部落差別に加担するのか」と一喝、この方針を撤回させ、次回公判において最終弁論を行うことを認めさせました。胸のすく瞬間であり、この裁判が、M 君を先頭とした部落差別を裁く場であることを感じさせる瞬間でした。
大衆的な糾弾闘争で勝利しよう!
裁判所は、この離婚訴訟において、離婚請求の真の理由である部落差別にたいして徹底的に避けるという態度です。これは結婚差別に手を貸すものです。
しかし、部落差別を裁き、部落差別を撤廃するのは裁判所ではありません。部落大衆じしんのたたかいです。M君とご両親がみずからにかけられた部落差別に 怒り、裁判という形にせよ、みずからの手で糾弾するたたかいに立ち上がり、これを長野県下や全国の部落大衆がささえて、この大衆的な糾弾闘争によってこそ 決着がつけられるのです。この日も、裁判所前でのビラまきと公判廷のたたかいが一体となってたたかわれました。裁判の傍聴にもこれまでで最大の人々が集ま り、何度も傍聴者の入れ替えが行われました。
次回(10月28日)は最終弁論が行われます。また、M君の側から提訴した損害賠償請求の裁判は、いまだ電話会議なる密室でのやりとりが続いており、一 刻も早く公開の法廷を開かせなくてはなりません。このたたかいは、これからが正念場です。全国の部落大衆の力を結集して、勝利をかちとろう! 
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