4・20 首都圏のきょうだいが狭山要請行動

(2010年05月13日)

 

証拠開示をめぐり徹底追及!
石川一雄さんを激励


東京高裁 権力的対応を繰り返す新任の訟廷管理官
東高4月20日の狭山要請行動は、茨城県連を中心に江戸川支部、狭山支部と首都圏の共闘を中心にとりくみました。
東京高裁は、対応者が南須原(なすはら)訟廷管理官に変わりました。最初に滝岡・本部統制委員長が、「早急な事実調べと検察へのさらなる証拠開示を求めよ」と要請し、全国大会の狭山決議文や各支部からの要請文を提出しました。

南須原管理官は、「狭山事件について、認識は持っているのか」という質問に、「裁判所の職員なので、個人の感想は言えません」と答えず、また「前任者からどのように引き継ぎを受けたのか」という質問に対して、「口頭で受けています」という対応でした。
前回、「要請内容が裁判長にきちんと伝わるように、さらに検討していく」としていましたが、それについては「検討しましたが、これまでと変わりません」 「私の役目は、主任書記官に伝えることで、主任書記官が裁判長にどう伝えるかは分かりません。確認もしません」という、ふざけきった答えをくり返すだけで した。
私たちは、このような不誠実で権力的な南須原管理官に対して「裁判長に要請が伝わったかを確認するのは当然だ」と徹底的に追求しました。そして再度検討していくことを確認し、事実調べや検察へ重ねて証拠開示を要請することを要求しました。

石川一雄さんを激励
石川さんは、いま毎週、東京高裁への情宣活動に立っています。私たちが東京高裁への要請行動を終えて門前に行くと、石川一雄さんがマイクを持って無実の訴えをしていました。
私たちは石川さんの前で、東京高裁に対して「差別裁判を許さないぞ」「石川さんとともにたたかうぞ」とシュプレヒコールをあげ、石川さんを激励しました。

東京高検 山口検事を相手に徹底追及
検察での要請行動では、狭山担当の山口幹生検事が対応しました。寺沢、遠藤事務官も新任でした。
山口検事の回答は、第1に、「勧告を必ず実行せよ」「ただちに証拠開示せよ」という要請に対して、検討中というだけで、開示するとは決して言いませんでした。

★要請団 これまで証拠開示勧告を受けて開示しなかった事件はあるか。

山口 「把握していません。再審で裁判所が勧告を出すのは、そんなにめったのあることではないので、それを重く受け止めて対応すべく、検討しているところです」

★証拠開示の現状はどうなっているのか。

山口 「再審請求審は、裁判所を中心にクローズド(非公開)で行われているので、その手続き以外の場で申し上げることはできない」

★開示勧告を必ず実行すべきだ。

山口 「勧告に対して、どうするこうするとは申し上げられない。十分検討して、真摯に対応する」

★勧告から4ヶ月たつ。すぐに証拠開示するべきだ。

山口 「ご指摘は承ります。いま調査し、適切に対応しているところです。その期日(次回の協議)が、ひとつのあれになると思います」

★まだ開示していないのは、まじめに検討していないことだ。

山口 「そういうおしかりは受けると思います」

★次回の三者協議までには結論を出すのか。

山口 「そうです。それに向けて検討しているところです。」

★次回協議の場でもまだ調査中、見当たらない、などということもあるのか。

山口 「それは申し上げられません」

★検察だけでなく、警察などすべての証拠を調べているのか。

山口 「検察としては、弁護団が求めている証拠、裁判所が開示勧告した証拠などの一切合切、全部を見て調べる、ということになります。検察手持ちの物だけをちょっと見て、というものではありません」

★最高検察庁の承認がないと判断できないのか。

山口 「それは…」

第2には、足利事件で検察のデッチ上げが満天下に明らかになり、菅谷さんに謝罪したにも関わらず、その教訓をふまえる姿勢などまったくないということです。

★足利事件では、どのように証拠開示をしたのか。

山口 「別の事件のことなので、結びつくことではないと思います」

★あなたは検察を代表して、直接菅谷さんに謝罪した検事ではないか。

山口 「ご意見は承るが、答えられません」

★足利を教訓にして、石川さんの無実の訴えに耳を傾けるべきだ。

山口 「足利事件については、検察として検証した報告書を公表しています。しかし他の事件への記載はありません。それぞれの事件のことがあるので」

このように、裁判所からの開示勧告を受け、さらに足利事件での謝罪という状況にあっても、検察は証拠開示する姿勢を見せていません。
次回の三者協議まであと1ヶ月足らずとなり、まさに証拠開示の検討が大詰めを迎えている中で、東京高裁と検察に対して私たちの怒りの声をぶっつけ、徹底的に追求したこの日の要請行動は、重要な取り組みになりました。さらに直接に石川さんへの激励もできました。
5月12日の次回の大要請行動に向けて、各地での取り組みを強化していきましょう。
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