3・7広島差別事件 東京真相報告集会に賛同と参加をお願いします

(2010年02月13日)

  3月7日 午後1時30分〜 社会文化会館(東京)へ

   部落のきょうだいの皆さん、労働者の皆さん。部落解放同盟全国連合会は、来る3月7日(日)東京の社会文化会館で、広島差別事件の東京真相報告集会を開催いたします。集会では、広島差別事件の真相を明らかにし、また部落問題の理解を深めるために森島吉美さん(広島修道大学教授)に講演「かくさず・ぼかさず・ごまかさず‐今、この差別問題を考える」をしていただきます。
  3・7広島差別事件東京真相報告集会にご参加ください。また、部落解放運動に心をよせるみなさんの賛同の集中を心からお願いいたします。

集会の賛同用紙(ファイルをダウンロード


●広島差別事件とは
08年関西での真相報告集会   2007年の夏、広島の部落青年Aさんが、「マルクス主義学生同盟」という団体の広島での合宿のなかで、「Aさんは間違っとる」「Aさんは部落解放運動の ことしか考えていない」と非難され、Aさんが所属する部落解放同盟全国連にたいしても、「全国連は物取り主義だ」などと罵倒されるという出来事がおこりま した。
  Aさんは、中学生のころから部落解放運動を志し、部落解放同盟全国連合会の青年部で活動していました。また、Aさんは、本当に部落差別をなくすためには、 部落の人々だけでなく、労働者や学生、市民が差別の重大さを理解し、自分のこととして差別とたたかうことが必要だと思い、積極的に学生運動にも参加してが んばっていたのです。ところが、Aさんは、自分たち部落出身者が受ける苦しみを理解し、部落解放運動をともに担っていたと思っていた「仲間」から部落解放 運動や、Aさんが生涯をかけてその一員としてたたかおうと考えていた全国連を侮辱する非難の集中砲火をあびたのです。Aさんは、このことに重大な衝撃を受 け、一時は絶望感を感じ、何も手につかないという状態に追いやられました。しかし、「これではいけない」「学生の方が絶対に間違っている」「間違いを正す ことこそが自分のたたかいだ」と思い直して、事件を告発し、糾弾するたたかいに立ち上がったのです。
  ところが、Aさんの告発と糾弾をつきつけられた「マル学同」と、その上部組織である「革共同」(革命的共産主義者同盟)は、Aさんの訴えを一度としてまと もに聞くこともせず、「差別などない」「差別事件はでっち上げだ」などと勝手に決めつけ、いったんは約束した事実確認会にも出てこないという態度をとった のです。これは、2年半経った今でもまったく変わりません。これでは、Aさんが黙って言うことを聞いている間は利用するだけ利用し、真剣に告発、糾弾する やぼろぞうきんのように切り捨てるということと何ら変わるものではありません。革共同という団体が、何を主張しているのか知りませんが、何をおいてもAさ んの訴えに耳を傾けることこそが、たたかうものとして、いや、人間としてまずやるべきことではないでしょうか。Aさんの糾弾は、本当に信頼できる、本当に 心から団結できる仲間になってほしいという気持ちに立った、血のにじむような連帯の呼びかけなのです。
 
●広島差別事件は、何を問うていいるのか
この事件は、たんに、「革共同」と「全国連」との争いというものではありません。この事件は、たとえ「革命」を唱える組織であっても、けっして部落差別 から無縁ではないということを示しています。それゆえに、この事件は、部落差別にたいする労働者、市民の原則はいかにあるべきか、部落解放運動にたいして どのように臨むのかということを、当該の革共同だけでなく、すべてのたたかう労働者、学生、市民に普遍的に問うものです。
  また、革共同は、全国連の創立以来、長い間、全国連の盟友とも言うべき団体でした。それゆえ、全国連にとっては、このAさんの糾弾を支持し、ともにたたか うということは、我が身を切るにも等しい行為であり、全国連じしんにとっても、共闘の原則、本当の信頼と団結はいかにしてつくられていくのかを鋭く問うて いると思います。いま、新自由主義政策の中で、憲法改悪の動きが強まり、格差が広がり、差別と排外主義が煽られています。この動きは、広島差別事件のよう に、革共同という左翼をも飲み込むような大変なものです。しかし、わたしたちは、労働者、市民のなかには、こういう反動を吹き飛ばして、人間解放を実現し ていく真の連帯、真の団結というものをつくりだす力があると確信します。広島差別事件糾弾のたたかいは、この力を引き出し、結晶させようとする取り組みな のです。

●真の共同闘争を打ち立てましょう
  全国連は、一昨年、関西、広島、長野において、「真相報告集会」を開催し、多くの労働者、市民の人々とともに、差別を乗り越える真の団結をつくっていくた めの真剣な討論を始めました。そして、この春、ついに東京において、その集大成ともいえる「真相報告集会」を開催します。
  東京こそ、部落問題の縮図ともいうべき地域です。それは、首都圏であるということだけでなく、東京には、地方から「差別から逃れるために」出てきた部落出 身者が数十万もの規模でいると言われています。しかし、にもかかわらず部落大衆の人間としての権利を守る運動は大きくはありません。首都、東京において、 部落差別とたたかう運動をつくりあげる、これは、わたしたち全国連にも、そして首都圏でたたかう労働者、市民にも課せられた課題ではないでしょうか。東京 における「真相報告集会」は、これに答えるための最初の大きな取り組みです。
昨年12月16日、狭山第3次再審闘争において、裁判所の「証拠開示勧告」をかちとりました。いよいよ、検察が隠し持つ証拠を開示させ、狭山事件の再審 開始の扉をこじ開ける時が来ました。部落民と労働者の共同の必死のたたかいが実を結んだのです。一人一人の力が、世の中を変えることができることを示しま した。
  差別を許さず、生活を守るたたかいは、憲法9条を改悪して戦争ができる国を作ろうとする動きを許さないたたかいと一体です。私たち全国連は、戦争と差別、 生活破壊とたたかうすべての人々との共同のたたかいをつくり、広げたいと考えています。沖縄の基地撤去のたたかいをともにたたかいましょう。憲法9条改憲 を許さないたたかいの輪を広げましょう。これが、同時に、部落差別や排外主義を許さない力となるような、真の共同戦線を打ち立てましょう。3月7日の集い に多くの皆さんのご参加を心から訴えます。
(『部落解放新聞』227号 2010年2月10日)
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