西郡、杉並、品川 3支部に対する処分について

(2010年01月08日)

 

全国連中央執行委員会は、2009年9月13日の拡大中央委員会における、西郡支部、杉並支部、品川支部3支部にたいする統制処分の発議にもとづき、3支部と、3支部役員10人(西郡4人、杉並3人、品川3人)にたいする処分内容を11月17日の中央執行委員会で決定し、その理由を明記して、中央統制委員会に審議を付託しました。
現在、中央統制委員会での審議の過程でありますが、上記3支部においては処分の内容および理由について弁明はいっさいありません。処分理由への何の反論もできない3支部は、かわりに連名で「声明」と称する〝独自の主張〟を公表し、自らを慰めているようです。

全国連中央執行委員会が中央統制委員会に付託した「統制処分の対象と内容、およびその理由」の全文を明らかにします。

統制処分の対象と内容、およびその理由
2009年 11月17日
部落解放同盟全国連合会中央執行委員会

(1)全国連中央執行委員会は、2009年9月13日の拡大中央委員会における、西郡支部、杉並支部、品川支部3支部にたいする統制処分の発議にもとづき、3支部と、3支部役員にたいする処分内容を決定し、その理由を明記して、中央統制委員会に審議を付託する。

なお、この処分については、中央統制委員会の審議を経て大会に提案され、大会での承認をもって正式に決定される。

(2)処分内容
①除名処分
岡邨洋(西郡支部長)、辻西幸子(同支部書記長)、末光道正(同支部事務局長)、久原正子(同支部会計)の、西郡支部役員4名。田中れい子(杉並支部長)、松田元司(同支部書記長)、西田尚史(同支部会計)の、杉並支部役員3名。佐々木幸子(品川支部長)、小林晃(同支部副支部長)、佐々木仙史(同支部会計)の、品川支部役員3名。
以上の、計10名の同盟員を、全国連規約第7章、第26条にもとづき除名処分とする。

②3支部にたいする承認取り消し
西郡支部、杉並支部、品川支部について、全国連規約第7条にもとづき、支部の承認を取り消す。

(3)処分の理由

①全国連にたいする分裂策動

1)除名処分の理由の第一は、処分対象者10名が、全国連の団結を破壊し、組織の分裂を策動している事実にある。

上記した10人は、2008年の1月に開催された拡大中央委員会いこう、本部方針にたいする反対を主張し、自覚的に全国連の分裂を策動してきた。もちろん、本部方針にたいして反対の意思表示をしたり、その主張を全国連内外に示すことに何ら問題はない。

しかし、彼らの行為は、たんに自己の主張を示すことではなく、自己の主張が通らなければ組織の規律に従わず、好き勝手にふるまうというものであり、自己の主張を認めないものにたいしては、「権力の手先」「転向分子」などと、何らの論証もなく勝手なレッテル張りをおこない、敵視するという、分裂行為そのものである。以下、具体的に明らかにする。

2)彼らの分裂策動を示す第一のことがらは、2008年の第17回大会、および2009年の第18回大会の2大会にたいする破壊策動である。

上記10名が役員を構成する西郡支部、杉並支部、品川支部の3支部は、2大会への参加をボイコットした。もちろん、この10名が、個人的理由において大会に参加しないことをとやかく言うつもりはない。だが、彼らは、全国連中央本部の方針にたいする反対を主張して、大会の開催そのものに異議をとなえ、当該3支部の全同盟員の大会参加の権利をも奪ったのである。

また、彼らは、大会だけでなく、中央執行委員会、中央委員会などの、全国連の機関会議のことごとくにも参加をボイコットしている。仮に、中央本部の方針に反対であれば、大会や機関会議において異議をとなえ、みずからの主張を堂々と述べればいい。そもそも、全国連規約第10条にあるように、大会こそが全国連の最大の意志決定の機関なのであって、中央本部方針といえど、大会における決定なしに決まることなどありえない。

つまり、彼らの行為は、自分たちの主張が批判され、否決されるであろう場から逃げ出したということに他ならないのである。逃げ出すのは勝手である。しかし、自分たちが逃げ出したことを正当化するために、支部同盟員の大会参加という基本的な権利を奪うことは絶対に許されない。全国連の同盟員(支部員)は、彼らの「私物」ではないのである。

3)彼らの分裂策動を示す第二のことがらは、以上のように、一方において、組織の民主的な意志決定の場である大会や機関会議をボイコットするとともに、その裏で、「支部大会」や「集会」、あるいは「支部ニュース」などにおいて、「全国連本部は転向した」「本部を打倒する」などと主張し、公然たる分裂策動を行ってきたことにある。

くりかえすが、何を主張するのも自由である。だが、全国連という組織の一員なら、本部方針と違う意見があれば、あるいは「本部を打倒する」というのであればなおさら、なぜ、大会や機関会議に出てきて堂々と主張を述べないのか。言いたいことだけは好き勝手に主張して、それが通らなければ、組織の規律などどうでもいい、好き勝手に行動するというようなことが許されるとすれば、全国連の組織だけでなく、労働組合など、およそ、どのような組織における団結も成り立たない。

また、西郡支部においては、2008年6月に行われた「支部大会」において、上記4名の主張とは違う意見を持っている支部員3名が参加しようとしたことにたいして、これを暴力的に阻止し、支部員の支部大会参加という当然の権利を踏みにじったことが報告されている。つまり、この4名による支部運営じたいが規約を無視した非民主的なものであり、完全な組織の私物化に他ならないのである。

以上から、彼らがいかに組織人として失格であるかは明白である。この10名が、全国連という組織の一員としての最低のラインを踏み外していることは、もはや疑問の余地がない。

②差別者の手先となって部落解放運動そのものの破壊を策動

1)理由の第二は、彼らの主張の内容にある。
上記10名の処分対象者の言動の核心は、革共同による部落差別事件にたいする全国連の糾弾闘争に、彼らが反対しているということにある。そして、部落差別事件を引き起こし、これを開き直る革共同を擁護して、部落大衆による糾弾から革共同を守ろうということに他ならない。「本部が転向した」「権力に屈服した」などの様々な主張は、結局のところ、全国連(本部)が「革共同を糾弾している」「革共同と共闘関係を断ち切った」からだと言うことなのである。

実際に、彼らの主張は、広島差別事件にたいして、「でっち上げだ」と主張している点で完全に一致している。

しかし、では、いったい何をもって「でっち上げだ」と主張するのか。とどのつまり、「革共同がそう言っているから」ということでしかない。彼らは、一度として、差別を受けた当該のAさんの訴えをまともに聞いたことがないのである。全国連の第17回大会における、広島差別事件糾弾闘争の決定は、全国各地区(各支部)でのAさんに来てもらった学習会で、部落大衆が、直接にAさんの訴えを受け止めて糾弾の意志をうち固めて打ち立てられた方針であった。部落差別が起こったときに、もっとも重要なことは、差別された当事者の悔しさ、怒りを受け止め、共有することにある。これは、水平社いらいの部落解放運動のもっとも基本的な姿勢に他ならない。

ところが、この10名は、差別されたAさんの訴えにはいっさい耳を傾けず、差別した張本人である革共同の主張にのみ耳を傾け、差別者の言い分をそのまま代弁しているのである。これが、「広島差別事件はでっち上げだ」とする主張の正体に他ならない。彼らが革共同の信奉者かどうかは知らないが、部落差別にたいして、差別された部落民の訴えを踏みにじり、差別した者の主張を代弁するなどという行為は、部落解放運動に泥をぬり、部落解放運動をその根本から否定するものに他ならない。このような者が「全国連」を名乗ることなど絶対に許されない。

2)言うまでもなく、全国連とは、部落差別とたたかう組織であり、差別にたいする糾弾こそが、全国連の団結の命である。これを否定し、差別者を擁護することは、その一点において、もはや全国連とは相容れない。いかなる意味においても、部落解放運動とは呼べないのである。

2009年4月7日付けの「西郡支部声明」なるものには、「そもそも動労千葉の労働運動とともに革命をめざす解放運動をつくっていくのが全国連創立の目的だった。」などという、じつに陳腐な主張が書かれている。この主張は、全国連の創立にいたる苦難の道のりや、全国連創立以降のたたかいを何一つ知らない者が書いたとしか思えないものだが、しかし、このような、全国連創立の原点、全国連創立にいたる苦難のたたかいの歪曲は、断じて許されない。

「全国連創立の目的」は、差別糾弾闘争の復権、部落民自主解放のたたかいと団結の復権にこそあった。そして、このたたかいの基軸こそ狭山闘争(狭山差別裁判糾弾闘争)であり、この勝利をどんなことをしてもかちとることをめざして、全国連は創立されたのである。この創立の原点は、荒本、寝屋川、長野、福岡を先頭にした本部派との血みどろの処分闘争を経てつかみとったものであり、同時に、全国連の旗の下に結集した部落大衆と労働者の共通の確認であった。このことは、全国連の創立大会以降の議案書などを見れば、一目瞭然である。

もちろん、全国連は、「動労千葉」や「革命」を否定するものではない。だが、「動労千葉」「革命」がまずありきなどとは考えないし、それに従属するようなものとして創立した覚えもない。また、現在にいたる全国連のたたかいの全過程において、このような陳腐な考え方が存在した事実もない。さらに、そもそも、西郡支部じたいが、住宅闘争を土台にして、八尾市議会における差別暴言糾弾闘争を通した、差別糾弾闘争の復権をめぐる大衆的な討論を通して結成されたはずである。いったい、どこから、上記したような「動労千葉、革命至上主義」的な考え方が持ち出されてきたのか。

じつは、これこそ、他でもない、革共同の主張そのものなのである。「動労千葉とともに革命をめざす」とは、実際には「革共同の言うことを聞く」という意味である。いまや、上記10名は、身も心も差別者の側においており、また、差別者=革共同は、この10名が牛耳る3支部を衝立にして、全国連による糾弾闘争から逃れようとしているのだ。こうして、部落解放運動の組織が、あろうことか差別者の衝立として利用されるという、驚くべき事態が起こっているのである。いまこそ、これを、断ち切るべきときである。

③除名処分と支部の再建

1)以上の理由から、全国連中央執行委員会は、上記10名の言動が、全国連規約第26条に該当する、きわめて悪質な同盟破壊行為であると判断し、この10名にたいする除名処分を提起するものである。もはや、全国連や部落解放運動の世界に、彼らの居場所はない。

2)支部の承認取り消し

なお、上記10人が支部役員となっている「西郡支部」、「杉並支部」、「品川支部」の3支部については、全国連規約第7条にもとづいて、「支部の承認」を取り消すものとする。

これによって、いったんは、全国連の上記3支部はなくなることになるが、これは、除名処分対象者によって私物化されてきた支部を解体し、本来の支部の主人公である部落大衆のもとに取り戻すということを意味する。それゆえ、あらためて早急に、本部の責任において3地域における全国連同盟員の再登録を行い、再登録した同盟員じしんの手で新たな執行部を選出して、支部の再建を行うものとしたい。

(4)西郡支部4名について

①同盟費の意図的な未納

1)上記した処分理由に加えて、西郡支部の4名については、上記の理由の他に、全国連同盟費の意図的な納入のボイコットという、重大な組織規律違反がある。
西郡支部の同盟費は、2006年の支部結成いらい現在にいたるまで、一円も支払われていない。実に3年半にわたって、一度として支払われていないのである。同盟費の未納は、それじしんが重大な組織規律違反である。

2)西郡支部の同盟費について。
西郡支部の「支部登録書」は2006年6月に出されている。この登録書は、当時の長崎幸治支部長名で出されたもので、支部員は「170世帯、272人」と記載されていたが、支部員(同盟員)登録は提出されておらず、誰が同盟員かは不明であった。
この後、同年7月9日に、辻西幸子氏(支部書記長)より、「来年4月に選挙(八尾市議選)を控えているので、同盟費を減額してほしい」という相談があり、本部で検討した結果、「選挙が終わるまで同盟費を免除する」こととし、辻西書記長とも合意した。
ところが、2007年4月に八尾市議選が終了していこうも、一度として同盟費は支払われていない。支払いについての意思表示も、相談もない状態のまま現在にいたっている。同盟費についての相談は、後にも先にも、この2006年7月9日の減額の相談一回きりであった。

3)その後、2008年の全国連第17回大会の前に、中央本部は大会代議員数の確定のために西郡支部に「支部員登録」の提出を求めた。同時に、滞納している同盟費の支払い請求も行った。これは、全国連加盟の全支部に等しく請求したものである。
西郡支部からは、2月28日付けで新たな支部登録書の提出があったが、そこには、同盟員の氏名については執行委員として16名の記載があるだけで、あとは「同盟員100世帯」としか記載されておらず、同盟員登録はこの時点においても明らかにされていない。
しかし、本部としては、西郡支部の申請通りに100世帯分の同盟費の支払いを請求したが、西郡支部からは、なにひとつの回答もなかった。

4)周知のように、その後、西郡支部は、全国連中央本部の方針が気に入らないという理由で第17回大会への参加をボイコットした。しかし、「部落解放新聞」と「狭山闘争ニュース」について、代金の一部は大会ボイコット後も、6度にわたって振り込まれている。この際、本部は、再三にわたって「同盟費の支払いについて検討をお願いする」旨を送っているが、これにたいする回答はないままである。
さらに、西郡支部は、2009年の第18回大会についても参加をボイコット、その後は、「部落解放新聞」等の代金についても未納のまま現在にいたっており、同盟費についても依然として何の回答もないままとなっている。

5)これらの事実が示すものは、一般的な滞納というものではなく、西郡支部による同盟費の意図的な未納、つまり、まったく支払う意志がないと言うことである。
もちろん、他の支部においても同盟費の滞納はある。しかし、それらの支部においては、本部との協議によって、滞納の解決のための方針を立案するなどの具体的な対処が行われており、同盟費を支払うという意志は明確なのである。
ところが西郡支部においては、支払う意志そのものがまったくないと言わざるをえない。事実、2007年4月いこう、再三にわたる本部からの要請にたいして、一度として支払ったこともなければ、支払うという意思表示を行ったこともない。そればかりか、何一つの回答もないままなのである。まさに、意図的な同盟費支払いのボイコットである。

②全国連規約5条にたいする違反

1)同盟費の支払いは、全国連の規約第5条に記載された同盟員のもっとも基本的な義務である。これに違反することは絶対に許されない。
口先で何を主張しようとも、また、本部方針とは違う意見があろうと、それはもちろん自由である。しかし、規約を守ることは同盟員としての絶対的な義務であり、これに反することは許されないのである。諸事情によって同盟費を支払えないことが起こることはあっても、支払う意志のないものに全国連の同盟員を名乗る資格はもはやない。

2)言うまでもなく、団結とは、抽象的な確認によってつくられるものではなく、具体的な約束の履行によってこそつくられる。それが組織の規約なのである。同盟費(労働組合であれば組合費)の支払いは、組織として団結する場合のもっとも基本になる約束に他ならない。だからこそ、これが恣意的に扱われることのないように、同盟費の額についても大会決定事項とし、その収支明細は大会だけでなく、年に2回行われる拡大中央委員会においても明らかにされてきた。また、全国連の全同盟員は、創立いらい18年間にわたって、一人の例外もなく、全国連の運動の発展のために歯をくいしばって同盟費の支払いを貫徹してきたのである。

3)よく知られていることだが、労働組合にとっては、組合費の未納は第一級の規約違反として即統制事案とされる。この場合の未納期間も、たいていの場合、3ヶ月とされている。つまり、短期間であっても、組合費の未納は、組織の団結を損なう重大な規約違反として弾劾されるのである。それは、組合費を納めることによって組合員としての団結が具体的に保障されるからであり、「みんなは一人のために、一人はみんなのために」という階級的団結のもっとも基本的、基礎的な要が組合費の納入にあるからである。組合員が組合費をおさめること、同盟員が同盟費を納めることは、組織という団結体を形作っていくうえで、絶対的な土台であり、当たり前のことなのである。
全国連中央本部は、西郡支部による同盟費の未納問題について、じつに3年半にもわたってねばり強く、ていねいに解決のために努力してきた。本来、もっと早い段階で統制事案とされるべきところを、西郡支部による自覚の形成と改善を信じて、見守ってきたのである。
しかし、ことここにいたって、もはや彼らには同盟規約を守る意志などまったくないと断じざるをえない。西郡支部は、結局のところ、一度も、一人の同盟費をも支払った事実がなく、この意味では、実質的に彼らは全国連の同盟員であるとはいえないのである。

4)なお、伝え聞くところによると、西郡支部内において、同盟員から同盟費の徴収が行われていたことを示す情報もある。これがどの程度の規模や頻度で行われていたのかは不明だが、もし事実だとすれば、支部員はまじめに同盟費を支払っていたことになり、逆に西郡支部の執行部は、この同盟費を「横領」に等しい犯罪行為によって私物化していたことになる。断じて許されない。本部として、早急に調査したい。

③西郡支部役員による階級的犯罪について

1)また、上記の4人のうち、辻西幸子、末光道正、久原正子の三氏は、いずれも八尾北医療センターの経営母体である医療法人「健進会」の理事である。ところが、本年10月7日に大阪府労働委員会によって出された命令によって、彼らが河内合同労組にたいする不当労働行為を働いたことが明らかとなり、河内合同労組にたいする謝罪が命令されている。

この命令書によると、彼らは、八尾北医療センター職員であるA君(全国連西郡支部員)にたいして河内合同労組からの脱退を強要、「労組を脱退しなければ解雇する」旨の脅迫を行い、そればかりか、八尾北医療センター労働組合のメンバーと共謀した集団的ないやがらせをたびたびA君に加えて、ついにはA君に精神的疾患を負わせるまでにいたっているのである。岡邨洋氏は、「健進会」の理事ではないが、この集団的ないやがらせにつねに加わっていた。

不当労働行為は、重大な階級的犯罪である。いやしくも全国連の同盟員ともあろうものが、労働組合をつぶそうとする権力や資本の手先となって不当労働行為を働くなどということは、全国連の権威や名誉を著しく損なうばかりか、階級的共同闘争を綱領的な立脚点としている全国連の組織と運動を破壊するに等しい行為に他ならない。本来、これだけで彼らは全国連から除名され、階級闘争の戦列から永久に追放されて当然なのである。

2)さらに、この西郡支部役員の4名は、西郡における住宅闘争の破産にたいするみずからの責任を回避するために、奈良のきょうだいたちが心血を注いでたたかいとった住宅闘争の地平にたいして、「行政に屈服した。白旗をあげた。」などという、驚くべきデッチあげを行い、全国連の内外において奈良のきょうだいたちへの敵視を組織しようとした事実がある。
言うまでもなく、奈良における住宅闘争は、行政にたいする連日の座り込みや、対市長宅デモなどの大衆的実力闘争を基礎にして、行政を追いつめ、事実上、裁判結果のみならず、応能応益制の家賃制度そのものを空洞化させる勝利をたたかいとっている。そして、これを通して、供託に立ち上がった部落大衆の団結を保持、発展させ、同住連運動のリーダー的存在となっているのである。いったい、この、どこが「白旗をあげた」ことになるのか。事実の歪曲、デッチあげもはなはだしいかぎりである。
もちろん、一般的に、組織内において、運動方針の違いが起こることはありうることであり、場合によれば「屈服方針」というようなものが出てくることもありうる。しかし、そうした場合において、「○○は白旗をあげた」などと規定し、敵視を組織するなどというようなことが許されるであろうか。断じて否である。もし、ほんとうにそう思っているのなら、住宅闘争をともにたたかう同志として、同じきょうだいとして、親身になって方針を変更するために働きかけるべきである。
ところが、西郡支部の上記4名は、住宅闘争をたたかう奈良のきょうだいたちとの何一つの討議も、相談もなく、勝手に「白旗をあげた」などと決めつけ、西郡支部内や全国連の内部、共闘関係者にこれを吹聴して、奈良のきょうだいたちへの敵視を組織しようとしたのである。もちろん、このような試みは、「西郡で『奈良は白旗をあげた』と聞いたが本当か」という質問にたいする奈良の住宅闘争の正しい紹介によって、たちまちのうちに、それがデッチあげだということが暴かれるものでしかなかった。奈良における住宅闘争の地平は、このようなケチ付けなどで、揺らぐようなものではないのだ。だが、いかに、「たわいのない」デッチあげであろうと、このような行為は、断じて許されない。
しかし、問題は、これが、非同志的な、仲間にたいする中傷というようなものにとどまらず、じつは、同住連運動にたいする悪質な破壊策動だということにある。実際に、彼らは、奈良のきょうだいたちにたいする中傷とあいまって、西郡における住宅組合を、総会も、会議もなしに勝手に解散させ、「支部に吸収する」ということを行っている。そして、「支部」のやり方に従わない人々はほったらかしにしてしまったのである。これによって、当初は300人以上もいた組合員はわずか20人足らずに激減、住宅闘争は壊滅的な状況となった。じつは、奈良の住宅闘争にたいする中傷は、その責任をごまかすためにでっち上げられたものに他ならない。
彼らに言わせれば、「絶対反対派が少数でも残ったことに意義がある」と言うことになるのかも知れないが、詭弁にしかすぎない。住宅組合は、全国連支部の私物ではない。住宅組合じしんの大衆的な団結と、意志の決定があるのである。全国連の組織が、同住連や住宅組合の運動に勝手な方針を押しつけ、分裂を持ち込む行為を行うことなど、断じて許されない。住宅闘争を破壊する、一個の犯罪である。

5)いじょうのように、上記10名は、その行為においても、主張においても、全国連とはまったく相容れない存在、部落解放運動の敵対者そのものである。このような者が、全国連の名前をかたることなど、もはや、絶対に許されない。この10名にたいする除名処分は、部落解放を願うすべての部落大衆や、階級的共同闘争の発展のために格闘してきた労働者に歓呼の声をもって迎えられるものと確信する。
また、この処分によって、上記した10名の「全国連同盟員」あるいは「支部役員」なるものは、全国連とはまったく無関係な存在となり、彼らによる「全国連支部」の詐称はもはや許されないことを、ここに明記するものである。

6)補足
なお、上記の決定について、決定を行った中央執行委員会での討議のなかで出された意見について、紹介しておく。
それは、「西郡支部と杉並支部については文句なしだが、品川支部について、この2支部と同列に扱うのは心情的に忍びない」というものである。この意見は、意見を提出した中央執行委員だけでなく、多くの中執に共通する意見でもあった。

このように、品川支部については、西郡、杉並両支部のきわめて自覚的な全国連にたいする破壊策動と同列に扱うかどうかは意見の分かれるところであったが、客観的事実において、品川支部の言動は西郡、杉並両支部と軌を一にしたものであることは明白であり、「全国連の団結を守り、発展させるためには、きっぱりとした態度をとるべきである」という点で完全に一致し、上記した処分内容となった。

以上


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