歴史的な成功をかちとった全国連第18回大会

(2009年05月13日)

  「新たな水平社の創立」を宣言
4月11日、12日に開催された、全国連第18回大会は、代議員をはじめとした大会参加者の二日間にわたる熱烈な討議をへて本部が提起した運動方針、および役員人事を満場一致で採択、歴史的な成功をおさめました。
本大会において提案された運動方針は、部落大衆の差別にたいする怒りとたたかいの意志、その力を圧倒的に信頼して、恐慌と戦争、差別の渦巻く大変な情勢 にたいして、徹底糾弾闘争の復権を軸に、「新たな水平社の創立」を熱烈に呼びかけました。全参加者は、二日間にわたる全体集会、分散会での徹底的な討議を もって、この道を進むことを確信も固く誓い合ったのです。
しかし、本大会を成功させた本当の力は、昨年17回大会いらいの1年間の必死の格闘のなかでつくりだした新しい隊列、新しいたたかいの力に他なりませ ん。実際に、本大会における運動方針は、基調報告としての運動方針の提起だけでなく、全国連の各地におけるたたかいのなかでつかみとった教訓が生の言葉で 語られ、それらがひとつになって提起されるものでした。
差別事件の激増にたいして、実際に差別糾弾闘争をたたかっている現場からの熱烈なアピール。県下の全部落へのキャラバンを通して、住宅闘争を全国闘争と してたたかう新たな方針を打ち立てようと格闘している現場からの提起。全国連の同盟員が労働者といっしょになってつくりだした河内合同労組と信州合同労組 のふたつの労働組合の登場。反戦、反差別をつらぬく新しい共同闘争をめざす「8・6ヒロシマ」のアピール。そして、全国連を牽引していく青年の組織|全国 青年部結成のアピールなど。そのすべては、17回大会いらいの1年間の実践のなかでわたしたちが自力でつくりだした財産です。「あらたな水平社の創立」と は、わたしたちが実際に、この1年間の必死の格闘のなかでつくりだしてきたものが、これからどう発展していくのかを鮮やかに示すものに他ならないのです。
全国連は、昨年の第17回大会において、革共同との断絶と、自前の運動の再構築をかかげて新たな出発を誓いました。そして、この1年間の苦闘を通して、 ついに、わたしたちは、部落解放運動ほんらいの姿をとりもどしたのです。「融和主義を粉砕し、新たな水平社の創立へ」という本大会における運動方針は、こ んにちの情勢にたいする全国連の回答であるとともに、広島差別事件糾弾闘争を非妥協でたたかってきた全国連の主体的な格闘の到達点でもあります。恐慌、不 況、戦争と部落差別の激増という大変な情勢をひっくりかえして、部落解放運動の新たな発展をつくりだしていくために、確信も固く、この道を進もうではあり ませんか。

同盟員のなかにみなぎる確信
本大会の歴史的成功は、なによりも、代議員をはじめとした参加者の感想や意見にあらわされています。
「いままでの大会で一番よかった」「感動した。これからの実践で自分にできることは何でも協力したい。」
「議案書で『新たな水平社』ということが言われていたが、大会や分散会の討論でよくわかった」
「去年は革共同との決別や再出発ということで手探りという感じだったが、今年はものすごくはっきりした。この道を進む」
「分散会がよかった。やっぱり全国連しかない」
「新しく参加した部落の婦人から差別事件の報告が行われたが、涙が出た。どこの部落でも、差別とたたかうという気持ちは枯れてない。やっぱり、差別糾弾というのが部落解放運動の魂なんや」
「キャラバンという方針はものすごく大事。どの部落でも、うちらと同じように住宅家賃値上げ、追い出しに直面して、たたかいを求めている。こういう人々と結びついてたたかっていかなあかん。」
「信州合同労組はすごい。自分の地域でも労働組合をつくりたい」
「全国青年部結成への青年のアピールがよかった。全国連の未来を感じる」
これらは、大会直後に取材できたほんの一部でしかありません。しかし、それだけでも、本大会が大会参加者の胸を打ち、奮い立たせる感動的な大会だったこ とを物語っています。また、感想の多くが、きわめて実践的で、大会内容が参加者の活動の指針になっていることもわかります。本大会において提起された運動 方針が、部落大衆の日々の実践と完全にかみあったものとなり、これが、いまや全参加者の確信となったことが示されているのです。

新たな府県からの参加
本大会には、拠点部落に加えて、新たに三府県、4部落から部落大衆が参加しました。また、拠点部落から新しい層の参加もありました。
わたしたちは、昨年の17回大会いらい、部落解放運動の原点に立ち返って、あらためて、全国6千部落、三〇〇万部落大衆の全体を対象とした運動をつくる ことを目標にしてきました。そして、住宅闘争における「兵庫キャラバン」や山口でのキャラバンをはじめとして、実際に全部落への呼びかけを始めました。
この成果が、端緒的にではあれ大会に結実したということです。新たな参加者の地域には、いずれも本部派の組織があり、大会に参加した人たちは、本部派を 乗り越えて部落解放運動を再生させたいという気持ちをもって悩み、苦しみながらたたかっている人たちです。この人たちが、昨年の17回大会いらいの1年間 のわたしたちのたたかいに接して、「いまや部落解放運動の組織は全国連しかない」と確信して、大会に結集したのです。
しかし、これらは、ほんの始まりです。全国6千部落の組織化は、本大会をもって本格的に取り組まれていかなければなりません。しかし、本大会において確認された運動方針の実践は、全国6千部落を網羅する巨大な全国連の建設をもたらすに違いありません。

分裂策動をはねのけて成功
本大会には、昨年の17回大会につづいて、残念ながら、西郡支部、杉並支部、品川支部の3支部が参加しませんでした。この3つの支部は、いずれも革共同 の人たちが牛耳っているところであり、革共同が支部組織を引き回して、大会の成功を妨害し、全国連の分裂をたくらんだのです。
しかし、もはや、このようなたくらみに動じる全国連の同盟員は一人としていません。この3支部を引き回した分裂策動が、広島差別事件糾弾闘争から逃れた いという革共同の浅はかな願望にもとづいた手口でしかないことは、いまや、全国連の全同盟員の認識となっています。そもそも、大会に出てきて、部落大衆の まえで堂々と意見を述べることもできず、ただただ革共同の新聞だけでしか自分たちの主張を言えないような人たちなど、部落大衆から完全に見透かされていま す。
すでに明らかなように、本大会において、大会成功への圧倒的な確信が全同盟員にみなぎり、本部を中心とした圧倒的な全国連の団結がうちたてられました。 そして、このもとに新たな部落大衆の結集がはじまっています。このような卑劣なたくらみが通用する余地など、もはやミジンもないのです。ぎゃくに、全国連 のなかには、西郡、杉並、品川3支部における部落大衆の決起を軸にした支部組織の再建への意志がみなぎっています。わたしたちは、西郡支部青年部による西 郡支部の再建(刷新)を先頭にして、必ず、革共同とそれに追随する連中を部落から一掃し、全国連の支部組織を再建していく決意です。

ただちに大会方針の全面的な実践へ
わたしたちは、あらためて、大会内容の全面的な実践へと踏み出すことを訴えるものです。
そのひとつは、大会において確認した運動方針を、支部レベル、府県ブロックレベルでの具体的な実践方針に徹底的にねりあげ、ただちに着手することです。 県下の全部落へのキャラバンの方針、その観点からの拠点部落の丸ごとの組織化の方針。労働と生活、差別の実態調査と、大衆の要求にもとづく運動方針の作成 など。本大会の運動方針は、きわめて具体的です。参加者の感想にあるように、この方針が、大会の討議をへて全同盟員の確信となっています。全国連のなかに かつてない機運がみなぎっているのです。同盟員の確信を組織の力に転化していく鍵は、方針の具体化であり、その実践です。全国連の全組織をあげて、ただち に全面的な実践に取り組もうではありませんか。
ふたつめは、広島差別事件の東京における真相報告集会の開催にむけて、中央本部を先頭として、その組織化に踏み込んでいくことです。東京での真相報告集 会は、広島差別事件糾弾闘争をいまひとつの段階に押し上げていくと同時に、差別糾弾をつらぬく階級的な共同闘争を大きく発展させていく画期的な取り組みと なります。本年における基軸的なたたかいとして、全組織をあげて取り組もう。
みっつめに、当面、5・23狭山全国統一行動に総決起しよう。狭山第3次再審の担当裁判官門野は、本年度で定年、退官が予定されています。つまり、裁判 所は年内決着の体制を敷いていると見るべきであり、年内の棄却が迫っているということです。わたしたちは、あらためて狭山第3次再審の戦闘態勢をうち固 め、棄却阻止、再審貫徹への1年間決戦にうって出なくてはなりません。その突破口こそ5・23の全国統一行動です。
そして、本年前半期の総力を結集して、8・6ヒロシマを反戦・反差別の共同闘争として大成功させようではありませんか。
(『部落解放新聞』 第218号 2009年5月10日)
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