(投稿) 350万人の肝炎患者に支援を!

(2009年02月13日)

  「薬害肝炎」に対する補償を要求してたたかっておられる読者より投稿をいただきました。重要な提起であり掲載します。

「薬害肝炎」「C型肝炎」「インターフェロン」といった文字や言葉を見聞きされたことがあると思います。一昨年秋から昨年春頃まで、新聞やテレビで大きく扱われていたので、まだ記憶に新しいと思います。
ところで、肝炎という病気は酒、アルコールの飲み過ぎが原因だと思っていませんか。それはとんでもない間違いです。多く見積もってもアルコールによる肝炎は肝炎全体のわずか10%ぐらいしかなく、それに生まれつき肝臓の機能が弱い人をのぞくと肝炎の80%はウイルスによる感染症です。
そのウイルスはどこで感染したかというと、集団予防接種での注射器の連続使用がほとんどで、あとは外科手術などでの輸血。そして薬害肝炎の裁判で問題になった止血剤(出産時の出血を止める薬)からです。現在、B型肝炎150万人、C型肝炎200万人、あわせて350万人もの肝炎患者がいます。実に36人に1人が肝炎の患者になるわけです。
私たちは国の感染症対策、薬事政策、血液事業の誤り、そのもとでの不適切で不衛生な医療行為によって肝炎ウイルスに感染させられた犠牲者です。しかも、肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、症状が悪くならないと(命に危険がおよばないと)自覚症状がでない臓器なので、ある日気がつけば「肝硬変」「肝ガン」に進行しているケースが多くあります。
医師から肝炎だと告げられ、治療に入らなければ命の保障がないと言われ、自分に責任がないのに高額な医療費を支払い、筆舌に尽くせぬ副作用とたたかい、しかも、治療したからといって全員が治るわけでもありません。何度も治療に挑戦してもウイルスが除去できない人がたくさんいます。こんな理不尽なことはありません。
一方で、病気への無理解によって肝炎患者への差別や偏見が渦巻いているのも事実です。私たちの地域で実際にあった事例として「会社の食堂の食器を別にされた」「自宅に生卵を投げつけられた」果ては、「C型肝炎理由に職場を解雇された」などがあります。
肝硬変、肝ガンで年間4万人を越える人が亡くなっていますが、その9割はC型肝炎が原因です。つまり、毎日約100人が国の医療行為の犠牲で命を落としつづけているのです。なぜこれが社会問題にならないのでしょうか。
私たちは今、国に恒久的な「肝炎対策基本法(肝炎患者支援法)」の1日も早い制定を求めて全国で行動しています。ともにたたかいましょう。
(田平 恵・仮名)
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