拡大中央委員会を開催(1・17〜18)

(2009年01月19日)

 

拡大中央委員会 狭山ー差別糾弾闘争の高揚を軸に三大闘争の飛躍をかちとろう!

昨年の総括と2009年のたたかいの課題
部落解放同盟全国連合会書記長 中田 潔

(1月17日〜18日、部落解放同盟全国連合会は、第17期第2回拡大中央委員会を開催し、第18回全国大会をはじめ2009年のたたかいの方針について、討議・決定しました。)

新たな挑戦を開始した2008年のたたかい 
1年間の総括では、私たちは広島差別事件にたいする糾弾闘争をとおして革共同と決別し、差別糾弾闘争を基軸とした三大闘争の前進をきりひらいてきました。
革共同とのやり合いのなかで、自分たち自身の部落解放運動の組織、大衆組織としての組織の整備、共同闘争を含め三大闘争のたたかい方の見直し、自力自闘での一からの出発をすすめてきました。
ひとつは組織整備と組織建設のたたかいです。本部のもとに、中央執行委員会、各県連・支部執行委員会を援助し補助する機関として組織部をつくり、関西では組織部会議が定例化され組織建設のたたかいが進んでいます。
さらに、共同闘争の再出発、再構築をかちとりました。強調したいのは、狭山第3次再審闘争と広島差別事件糾弾闘争を軸にした差別糾弾闘争をたたかうこと で、新たな共同闘争の陣形をつくりだしてきたことです。広島差別事件の真相報告集会では、広島、長野で実行委員会ができ、革共同を批判・糾弾する陣形が広 がりました。それは同時に、反戦・平和を求める運動として「8・6広島反戦集会」をかちとる核になりました。全国連は、その旗振り役を積極的にになってき ました。ここに、改憲と戦争、差別とたたかう共同闘争のあたらしい土台をきづきました。
要求闘争では、住宅決戦において「住宅追い出し」攻撃という大攻撃に、全部落をあげた反撃の陣形をつくりだすことに挑戦をはじめました。兵庫県キャラバ ン、広島でのシンポジウムの成功、暮れに高裁判決をうけた山口でも県下の部落にはいっていこうとしています。また、「同和住宅家賃値上げ反対闘争を支える 会」が大学教授、労働組合,闘う人士によって結成され、住宅闘争が生存権のかかった社会的問題として広がりはじめました。さらに、昨年は部落の労働者層の 組織化にむけた本格的な挑戦をはじめました。とりわけ青年労働者の組織化に踏み込んだことが、勝利として総括できます。
総じて、全国連は「飛鳥会」問題にはじまる国家権力の部落解放運動の根絶攻撃、「背後からの襲撃」というべき革共同の差別主義的腐敗・敵対をはねかえ し、部落解放運動をまもりぬきました。そして、今、この激しい時代のなかで、全国連がどういう部落解放運動を確立するのか、注目が集まっています。09年 の決戦、第18回全国大会をむかえるにあたって、全国連が部落解放運動のすべてをひきうける路線・方針をうちたてましょう。

部落解放運動にとって正念場の情勢
09年決戦をはじめるにあてって、今日の情勢について確認します。
まず、世の中全体、世界情勢です。昨年9月いらい、「100年に1度の危機」と麻生首相みずから叫ばざるをえないような帝国主義の世界経済の崩壊がはじ まっています。アメリカや日本の帝国主義は生き残りをかけて、一方では国内の人民へ犠牲をおしつけつつ、他方で他国を押しのけてでも生き延びる戦争への道 にのめりこんでいます。日本での「派遣」をはじめとした労働者の切り捨て、「田母神」問題のような改憲へのより反動的な動きがおこっているのは、まさにこ のためです。
きりすてられる労働者、民衆も耐え難い現実に怒りをあらわに反乱を起こしはじめています。今や、支配者の側も民衆の側も、「明日をも知れぬ」時代となっています。
部落はどうなる
この時代、部落と部落大衆はどうなるのでしょうか。それは、恐るべき大失業と生活苦が押しよせてくるということです。世の中全体をおおう首切り・失業 は、部落の労働者にこそそのもっとも激しいしわ寄せをしてきます。さらに、同和事業の全廃、とりわけ「21年度問題」といわれる住宅家賃のさらなる値上げ がおそいかかってきます。それが、同時に部落差別の大洪水を引き起こすということです。大失業と戦争の危機がもたらす社会不安のはけ口として部落差別が吹 きあれ、また支配階級はその危機をたてなおすためにたえず差別を強化してきました。今まさに、この時代をむかえたのです。部落解放運動として正念場の情勢 です。

融和主義を打ち砕き、三大闘争で勝利しよう
このなかで、唯一たたかえる路線は、差別糾弾闘争を基軸にした三大闘争路線しかないことは、より鮮明になってきています。
兵庫キャラバンでは、ビラまきだけで十数人の新しい大衆が集会にくるということがおこりました。運動している側に「ビラをまいてもこないのじゃない か…」「伝わっていないのではないか…」との思いがありました。実はこれが運動のカベだったのです。私たちはあらためて、部落全体のなかにはいり、部落大 衆の実情、意識にかみこんでいくことが求められています。
ところで、解同本部派は昨年発表した「行動指針」にあきらかなように融和団体へと転向しています。大阪では、同和対策事業はつぶされ、一般対策もなく なっていくなかで、「解放会館」から事務所も撤去されています。部落解放運動の支部それ自身が残れない、むしろ部落解放運動の色をぬいて行政の承認をもら える範囲のことしかやれません。当然、部落大衆の切り捨てがすすんでいます。
私たちは三大闘争を武器にして、この激動の情勢に勝ち抜いていかなければなりません。水平社が、水平社を組織していったときのように、私たちが新たに運 動と組織をつくっていくことが必要です。全国連の三大闘争をもって5万人組織をつくるということを明確にしてたたかいましょう。

狭山再審に勝利しよう! 第18回大会の成功へ
とりわけ、差別糾弾闘争の高揚です。狭山闘争、広島差別事件糾弾を軸にした糾弾闘争の高揚と発展をかちとっていくことが、なによりの全国連としての課題です。この糾弾闘争の発展を軸にして、三大闘争の具体的方針をうちたてていきます。
なにより狭山第3次再審をめぐっては、狭山中央闘争や署名運動、高裁要請行動など狭山闘争としての狭山闘争を鋭くたたかっていきます。それとともに住宅 キャラバン、広島差別事件糾弾闘争のもちこみ、部落の労働者層のより積極的な組織化、こういうたたかいを通して数年をかけた狭山全国行進へのたたかいの第 1年目にしていきます。
これと一体に、広島差別事件真相報告集会を首都・東京で実現していきます。それは革共同と全面的なやり合いとなり、革共同を孤立させていくたたかいとなります。そのなかで、「解放共闘」の復活、新たな共同闘争をより大きくつくりだしていきます。
さらに、関西以西では住宅闘争でもって全国連が今活動している支部(地域)での組織拡大と、全国連の支部のないところへ攻勢的に組織化することを開始します。兵庫キャラバンとしてやりはじめたことを、広島でも、山口でも、大阪でもはじめていきます。
全国青年部の結成を
最後に、今年は全国青年部の結成を何としてもかちとります。狭山闘争や差別糾弾闘争への決起をよびかけるとともに、青年の仕事、生活の悩みをつかみとり、共にたたかっていきます。
すべての部落のきょうだいは、全国連に結集し、4月11日〜12日、全国連第18回全国大会の成功をともにかちとりましょう。

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