来年度からの住宅制度改悪を許すな!

(2008年11月18日)

 

兵庫キャラバン 「部落民追い出し家賃」絶対反対
■これいじょう好き放題にされてたまるか!
国は昨年末にまたもや公営住宅法施行令を改悪し、来年4月からほぼ全国の同和(改良)住宅で新しい値上げがはじまろうとしている。今回の値上げは、「これ以上好き放題されてたまるか!」という制度の改悪だ。
(写真は、西宮・芦原地区に署名・宣伝行動にはいるキャラバン隊)

今回の改悪の特徴は、・家賃算定基礎額が変更になり、旧区分の境界にいる人が収入も増えていないのに著しい値上げになる。・部屋の広さ基準が70平方 メートルから65平方メートルに切り下げられ、一律0・7%の値上げになる。・利便性係数を0・5〜1・3までの間に設定することになり、行政裁量で家賃 を下げれるように国の解説には書いてあるが、係数の引き下げについては厳密な基準を例示しており、家賃をさげることはほぼ不可能。・入居収入基準の大幅な 引き下げが行われた、の4点を大きな特徴とする。
最大の問題は、入居収入基準の大幅な引き下げだ。国は、「既存入居者の72%には影響ない」などと言っているが、とんでもない。
■部落民には居住の自由すらないのか
そもそも、同和(改良)住宅は、永く続く部落差別をなくすために、運動の力で建てさせた住宅だ。今回の改悪では、政令月収が、公営住宅で158、000円(改良住宅では、裁量階層を含めても139、000円)を超えると入居できない。
自分の家や土地を立ち退いて、改良住宅に入居したとき、誰しもが「これで安心して一生暮らせる」と思った。しかし、次々と法律が変えられ、少しでも収入 が増えると、自分が生まれ育った地区に住むことすらできなくなる。こんな法令は根本的に間違っている。部落民には、居住の自由すらないのか!
激変緩和などにだまされてはならない。こんな改悪は根本的にやめさせるべきだ。新制度への移行を5年間延長することを決めた自治体もある。
  わたしたちは応能応益制度の導入いらい、「応能応益は部落差別! 家賃値上げ絶対反対! 応能応益白紙撤回!」を掲げたたかってきた。決戦に突入した西宮・芦原、広島をはじめとする同住連の仲間とともに、根本的に応能応益制度を撤回させよう!

住宅からの追い出し許すな 兵庫県キャラバンはじまる
【芦原支部】11月2日、芦原地区で第3回署名キャラバンを行いました。芦原地区の供託者の改良住宅からの追い出しを阻止しようと、中田書記長を先頭に関西各地からの応援も得てのとりくみです。
今回は、宣伝カーも用意して、芦原地区内での「署名、入会、カンパ・メッセージ」のとりくみと共に、兵庫県内の同和(改良)住宅へも広くこの問題を持ち込みました。
この間のビラを読んでいてくれて、カンパを用意して待っていてくれた婦人、たたかいをもっともっと大きくしてほしいとの希望を寄せる壮年などに新しく出会うことができました。
参加してくれた関西の仲間からは、「次は番町、南武庫之荘やな」との希望が強く出されました。ますます全県下に、芦原地区住民の住宅追い出し阻止署名と「21年問題」を持ち込んでたたかいを切り開いていきます。

10・12神戸・番町で集会 署名・ビラに多くの反響
【番町支部準備会】10月12日、『番町に住みつづけたいんや』を合い言葉に、来年度からの新たな家賃値上げ(改良住宅の家賃上限の撤廃、減免打ち切り)に反対し、応能応益制撤回を求める番町住民集会が開かれました。集会には、ビラを見た多くの番町住民が参加してくれました。
集会に先立ち全戸に配布した署名が郵送で続々と返送されてきています(現在200筆)。よせられた署名には「年金生活なので家賃が上がると生活がやっていけません」「心血注ぎ日々ご奮闘の皆様に心深く感謝しております」などのメッセージもありました。住民の署名や集会参加は、私たちに大きな励ましを与えてくれました。
集会では「公営住宅全体に闘いを広げていけばこの闘いは必ず勝利できる。追い出しはわしらが許さへん。どんな判決があろうとどっしりと住みつづけたらいいんや」など、力強い発言に大きな拍手がわきました。番町の住民からも「話を聞いていて、神戸市に対する怒りで胸がいっぱいになった。拡声器でムラ中に話を聞かせたかった」など様々な思いが寄せられました。
10月22日には第二次住宅裁判の判決が出ました。年利11%の延滞金の支払いを命じると共に、神戸市の請求の一部を消滅時効により棄却するというものです。私たちは判決を聞いたその足で神戸市役所前の怒りの抗議行動にたちあがりました。応能応益の正体が部落の解体であることが明らかになった今、部落大衆は必ず立ち上がります。家賃値上げ反対闘争の新たな高揚をかちとります。

広島・住宅裁判への反動判決弾劾!
一軒の明け渡しも絶対に認めないぞ

【広島支部】10月10日、最高裁は、福島・都・小河内地区の住宅裁判に、明け渡しを含めた反動判決を下しました。この決定を、私たちは絶対に許すことはできません。
10月24日、住民は緊急集会をひらき反撃をはじめました。原告団長の李金異さんは「改良住宅には永遠にすむ権利がある。私たちの言っていることが正しいと言い切り、誇りをもってたたかおう」と熱い思いを訴えました。同和住宅家賃値上げ反対闘争を支える会・副代表の森島吉美さんは、「やるべきことは一軒も明け渡さず、ずっと今までの家賃で住みつづけることです」と呼びかけられました。
そして今後の行動方針として、ただちに広島市との直接のたたかいにはいることが確認されました。
10月30日、さっそく市との交渉がもたれました。明け渡し判決をうけた婦人は「このままでは生きていけない。市は死ねというのか」と、激しく市を弾劾しました。ほかにも、「絶対にでていかない!」「もとの家を返せ!」と怒りの声がとび、完全に住民が主導権をにぎった交渉となりました。
たたかいはこれからです。広島支部は同住連と連携し、一軒の明け渡しも許さず、より大きな団結をつくっていきます。



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