差別をぶっちぎるための新たな第一歩 6・1広島真相報告集会の報告

(2008年06月29日)

  広島真相報告集会 地元・広島から差別糾弾の烽火

6月1日、広島国際会議場でおこなわれた「差別をぶっちぎるための新たな一歩 6・1広島真相報告集会」に、福島町のきょうだいを先頭に中四国の部落のきょうだい、全国からかけつけた同盟員、在日の仲間をはじめさまざまな差別、抑圧とたたかう人びと250人があつまりました。

集会のオープニングで、私たちの思いをわがことのように受け止めてくれた在日の仲間が、チャンゴの15分にわたる演奏でその思いを表現してくれました。
広島の青年から元気な力あふれる司会のあいさつ、そして、広島支部の丸山婦人部長の開会挨拶がはっせられ、真相報告集会ははじまりました。
はじめに、Nによる「糾弾は相手の人格を否定する」という差別発言のテープの再生がおこなわれました。差別を告発する金平玲さんの声には一切耳をかさず、差別をひらきなおる発言に、会場全体から怒りがこみ上げました。
金平玲さんが登壇。学習会当日の学生らの差別発言を生々しく報告すると共に、これまで受けてきた差別への悔しさを語り、「相手に変わって欲しいから糾弾しているのだ。差別をぶっちぎろう」と涙をこらえつつ訴えました。
それを受けて、実行委員会提起として壇上に立った森島吉美さんは、この間の革共同が送りつけてきた文書や機関紙誌を「全部、読んだ」として、「彼らは部落の人『障害者』を人と思う思想ではない。彼らは人の足を踏みつけておいて、その踏みつけた足をどけないで、『それにがまんしろ』といっている」と弾劾し、「差別とたたかう人を守ろう」と訴えました。
これを受け、「金平玲さんと共にたたかう会」の設立趣意書が採択され、会が発足しました。

糾弾方針を論議

休憩をはさんで、森島さんを進行役として、金平久美子さん(玲さんの母さん)、李金異さん(福島・都・小河内地区住宅家賃値上げに反対する住民の会)、松井邦雄さん(元広島市議会議員)、全国連の楠木事務局長、番町支部青年のK君によるパネルディスカッションがおこなわれました。討議のなかで、福島地区の住宅をめぐるたたかい、太田川闘争の写真がスライドで映し出されました。
このあと中田書記長のまとめ、金平通雄全国連広島支部書記長の方針提起、広島支部青年による決議文の採択のあと、布上孝・全国連中執の「団結えいえいおー」で集会をおえました。

差別の悔しさ、分かって欲しいから糾弾する
●金平玲さん本人のアピール

学生らは、態度そのものが差別者だった。「部落民は黙って従え!」といっているのです。仲間だと思っていたが、心の奥底は差別者だった。
今まで、どれだけ悔しい思いをしてきたのか? ウチのおばあちゃんは、どんなにしんどくても病院には行かなかった。ぼろの服を着ているから、みんなに笑われたくないから行かなかった。生きるか死ぬかというときに、「お金がない」「ぼろを着て部落だと馬鹿にされる」…なんでそんな心配をしなくてはいかないのか?
「福島? くさいところね…」。何回そんなっことをくりかえしてきたのか? すごく悔しい。太田川闘争のとき身を挺してトロッコを止めたたかった人らが、なんで「ものとり」になるのか!
私が糾弾をするのは、相手に気づいて欲しいからです。どうでもいいヤツなら相手にしない。相手に変わって欲しいと思ってるからこそ糾弾すのです。最後まで、訴えていきたい。笑いながら、泣きながら、今こそ差別をぶち破っていきましょう。


部落差別にたちむかって、差別をなくすために声をあげよう
●実行委員会の提起 森島吉美さん(広島修道大学教授)

革共同は僕にいろんな資料、機関紙の最新号…どっさりと送ってきました。全部読みました。ひどいですね! 彼らは被差別部落の人とか「障害者」を人とは思わないですよ。「われわれの前に来たら部落という自覚をやめろ。障害者という自覚を消せ」というのです。「労働者の団結の前には、部落であることやめてくれ。部落という自覚をもっていたら革命家になれない。克服の努力をしろ」と、彼らは、玲さんに迫ったのです。
誰が、そんなことに納得できますか。差別する側の人間が、その差別意識を克服して、はじめてたたかう仲間になれると思いませんか? 差別する側の人間がこの問題を克服しないかぎり、いっしょになんかなれませんよ。彼らはその克服する努力がいやだから、「お前らが努力せよ」と…。それを思いつきでなく、みんなで考えた方針として出だしたんです。

差別とたたかう人を守ろう!
玲さんたちは人権サークルで「冊子」をつくりました。富山県のYさんという、「障害者」で部落の人が6・1に熱い思いをよせています。完全介護を受けなければならない彼が、その介護者を「差別集団の仲間」と書いてあります。彼を支えるなかまは、文書を公表しないでくれといいました。しかし本人は公表を喜んでくれました。本人はたたかうと言っているのです。Yさんを守りましょう。よけいな判断はいりません。たたかおうとする人間を守っていきましょう。
差別にたいする感性が鈍ってきたら、自分の子どもが大変です。真相報告かを境にもう一回、出なおそう。差別問題に素直に立ち向かって、差別をなくすために声をあげていこう。それを待っている人がたくさんいます。
住宅闘争もそうです。現実に差別があるのですから、これを元に戻さなければ、ほんとに同じスタートラインにたってたたかえないですから。それが、なんで「ものとり」なのですか? 差別をしたんですよ。人の足をふみつけて、皆さんが足を踏みつけられているんじゃないですか。踏みつけた彼らは、踏みつけた足をどけないで、さあお前、それにがまんしてたたかえといっているのですよ。住宅闘争は、踏みつけた足をどけてくれと言っているのです。ものとりでもないんでもない!

6・1パネルディスカッション パネルディスカッション、会場からの発言より
▼丸山静美さん(広島支部婦人部長)
差別がつづいています。私たちは差別をなくすために、今日、6・1真相報告集会にあつまりました。楽しい会にしましょう。(開会あいさつ)

▼金平久美子(広島支部・玲さんの母)
今日の集会は私自身が新しい出発をする集会です。今まで、解放運動に熱心だった人がおとなしくなった。私たち1人1人の意志とハートで作り直していく。

▼李金異さん(住民の会)
太田川放水路をつくるとき、半強制的に移転させられた。すべてのものをとられて、小さな市営住宅に入れられた。何回も役所にだまされてきた。私たちは応能応益制度とたたかい、国・行政とたたかってきた。これにたいして革共同は「ものとり主義」と罵倒しました。許せません。また、「中田書記長はリーダーとしてふさわしくない」といったことも許せない。第17回大会の方針でたたかおう。

▼松井邦雄さん(元広島市議会議員)
集団疎開からかえり、原爆で親を亡くした少年が靴磨きをしていた。くだらない戦争をしてはらない。これが私の闘いの原点です。12年間、議員をしていた。役所は役員なら2〜3年たてばポストが変わる。太田川闘争でも、文書を交わすわけでなく、適当なことを言ってだましてどけていった。役所の態度は変わっていない。これは許せない。

▼K君(番町支部の青年)
玲さんのこと、腹立たしくて言葉にならない。友達に裏切られたこともあるが仲間がいたから乗り越えられてきた。人と人だから、ぶつかることもある。しかし、気づいて変わっていくこともできる。玲さんと共にがんばっていく。

▼吉岡剛志さん(西郡支部)
西郡支部から青年部長、執行委員を解任される処分を受けた。何が原因か? 玲さんが受けた差別を僕は許せない。「住宅闘争はものとり主義」と、僕らみんなに言われている。ところがウチの支部は、おこったことをみんなに知らせない。いつの間にか2・24の真相報告集会に、西郡の集会をぶつけ、僕が参加しなかったから処分するといってきた。「反省文」を出せと言ってきたが、僕には解放運動をたたかっている誇りがある。きっぱりと断り、処分に反対し、差別を糾弾して公開質問状をだし、たたかっている。

▼中田書記長(集会のまとめ)
各地で真相報告集会をやり、仲間をふやしていく。革共同が謝罪しないかぎり、「革共同が存在する場所がない」という状況をつくりだそう。玲さんは悔しい思いでがんばってきた。玲さんの明るさ、強さも、それはお母さんや、お父さんがたたかいつづけてきた成果だ。解放運動がたたかわれてきた成果だ。若い人がたたかいをひきついでいこう。今後、東京、各地で真相報告集会を開催しよう。

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