5・21東京高裁ー東京高検に要請行動

(2008年06月27日)

 
5月21日、全国連は、5・23石川一雄さん不当逮捕45ヵ年を糾弾し、狭山第3次再審闘争勝利にむけた全国統一行動の第1弾として、東京高裁、検察庁にたいする要請・糾弾行動をおこないました。東京高裁を包囲・糾弾するデモ行進から、事前集会、東京高裁への要請行動、検察庁への要請行動をたたかいぬきました。
以下、報告。

●事前集会
・司会(小林中執)

・本部(楠木事務局長) 45年。石川さんが1人でがんばり、無実の叫びをあげてきた。石川さんの無実の叫びにこたえる。再審・無罪をかちとる。裁判所に自己批判させる。あたりまえのことにこだわる。
裁判も煮詰まってきた。門野体制打倒! 新証拠をださせなければならない。本日、全国連を中心に差別糾弾闘争で狭山をたたかう人々が参加。全国大会に招待しても来なかったような共闘は、本日は招待していない。彼らは広島差別事件糾弾を否定し、差別糾弾闘争を否定して、狭山闘争でも分裂行動をおこなっている。おかしな話である。広島差別事件糾弾、差別糾弾闘争を否定して、狭山を語るのはあまりにも矛盾している。45年前の5・23、石川さんの問題を誰も取り組めなかった。45年前の見殺しを、またくりかえすのか!分裂行動を断じて認めない!
本日、全国統一行動の最初をかざる要請行動から、5・25狭山現地行動〜6・1広島へ。本日、荒本では。村で生まれ育った人を滞納を理由に追い出そうとしていることにたいして行政闘争をたたかっている。5・23には子ども会のゼッケン登校がたたかわれる。狭山、広島、住宅、そしてG8サミット粉砕へ、たたかっていこう!

・基調(小森糾弾闘争本部長) 5・23狭山統一行動のためにの文書を読んでください。5・23は特別の日。5・23ですぐにイメージするのは、石川さんが手錠姿で連れて行かれる写真です。あの姿が、私たちと権力者との関係を示している。45年たったが、変わっていない。ますます差別が激しくなっている。私たちは狭山闘争で反撃し、狭山闘争で勝利しよう。本部派では狭山はたたかえない。私たちは国家ぐるみの差別犯罪を徹底糾弾しよう。第3次再審は2年になる。弁護団は新たな証拠を出す。私たちは、さらに多くの人に狭山差別裁判糾弾を訴えていこう。革共同による狭山闘争を分裂させようとする策動を許さない。5・23統一行動から、10・26狭山中央闘争へ。

・要請行動についての方針提起(井橋中執) 昨年の5・23に門野体制になって、いっそうかたくなな態度になった。私たちの要請に一切こたえない。30分たつと、話し中でも席をたって帰ろうとする。今回から、担当官が猪浦から蓮尾にかわる。「あなたもそういう対応をするのか?」と、追及してきたい。要請行動は、お願いに来ているのでない。要請文、あるいは口頭で、差別裁判を強行するヤツらを糾弾しよう!
検察では、受け答えはするがゼロ回答。門野裁判長は別の事件で、一見、民主的な決定をした。「捜査官のメモを開示せよ」との命令をし、これが確定した。これを検察はどう考えるのか、追及したら、検察の係官は「一般的には証拠開示は広がる。しかし、狭山事件は再審であり、刑訴法の改正の前の事件だから適用しない」という。一定の民主的判決を出すときは、危ない! 寺尾判決のときもそう。
検察も、差別論告を取り消していない。糾弾しよう! 証拠開示をせよと断固糾弾しよう!

・決意表明
▼茨城県連(山口副委員長) 茨城県連も現地調査、千葉刑包囲を大々的にたたかってきた。そのころは元気も良かった。石川さんが外に出たからいいではすまされない。各支部で原点に戻って運動をやろうと、支部単位で学習会をしている。これからも、がんばる。

▼長野県連 5/23に狭山学習集会。徹底糾弾としてたたかう。広島2・24DVDの学習も。差別糾弾でたたかう。6・22県連大会から9月真相報告集会へ。
(婦人部から)県連大会にむけ婦人部は全力でたたかう。9月真相報告集会へ。

▼狭山支部の青年 5・25現地行動へ! 決戦としてやる。首都圏は全力を。本物の市民の会をつくる。本物の共闘関係をつくっていく。
「前進」に狭山現調の記事。この2年間、学生らに自分も現地調査や狭山の闘いを一緒にやろうと訴えてきた。「学館のことで忙しい」と無視されてきた。ところが、こっそりとやってきて、写真だけとって帰って行った。「部落解放運動のことなんかやってられない」というやつらが…、利用主義は許せない! 5・25から6・1へ、全力でたたかう。

▼江戸川支部の青年 広島で青年が差別された。今回はたたかわないといけない。これを機に狭山闘争もたたかう。

▼けしば杉並区議 革共同の妨害、それに対して原点を守りぬいてたたかう全国連に胸が熱くなった。70年代の狭山闘争、自分も参加しており、そのときの熱い思いがよみがえる。5・23、45年目の今日から胸をはって参加できる。部落差別をゆるさない闘いを共にたたかう。

▼富士見市民の会 石川さんのことを思えば無念の思いが、日1日と強くなる。無念をはらすために全国連と共にたたかう。

・行動方針提起(内本中央委員)

●東京高裁要請行動
対応者 蓮尾訟廷管理官(猪浦管理官から交代)ら3人
1)高裁の担当者がかわって初めての要請行動。蓮尾管理官の狭山についての認識、部落差別についての認識をといただす。
▼(要請団)5・23は特別の日。1063年の石川さん不当逮捕から45年。石川さんは1日も休むことなく、連日、無実を訴えつづけている。蓮尾さんはどの程度、狭山事件について理解しているのか?
また、部落差別について、22年間にわたって夫が妻に、出身を理由に暴力を振り居続けてきた。「お前の股ぐらから出てきた子どもを、恐ろしくて跡取りにはできない」などの差別をし続けてきたという事件が明らかになっている。また同じ兵庫で、三田市で部落の公民館の周辺に、「部落民死ね」と書いたB5の紙を18枚もおかれる事件があった。部落差別に附いての認識はどうか?

▽蓮尾管理官 部落差別についての私の認識ですか。この場でお答えできません。…そういう場ではありません。
(要請団から、「なぜこたえないのか!」怒りの声があがる。)

▼…いまの話は、一般的な話を聞いているのではない。いま、話したことを聞いて、あなた自身が、どう思うのか?

▽蓮尾管理官 兵庫の事例ですか? お答えできません。

▼私たちは請願法にのっとってやっている。私たちは、直接、裁判官に請願をしたい。ほかの省庁では直接あっている。いまどき、直接会えないのは、裁判所だけである。私たちが100歩ゆずって、係官が対応ということであれば、その係官が誠実に伝えてくれているのか、問題になる。この人がどういう心証の持ち主なのか、分からないで、誠実に伝えてもらえるかどうか判断できない。

▽蓮尾管理官 裁判体には私から伝えます。訟廷管理官として私がやります。

▼どこの世界でも、初対面の人には、「私は…です」と一定、心証をいう。それがなくて、どう信頼関係ができるのですか。当然でしょう。
▼私たちを人間だと思っているのか?
▼私たちが、要請文をもってくる。あるいは、ポストに入れる…。何のこたえもない。こたえが欲しいから要請行動が始まった。何のために要請行動ができたのか?
▼第4刑事部に直接行くしかないのか。

▽蓮尾管理官 担当部でこたえることはできません。

▼これでは、あなたは本当に要請行動を担当する人か、うたがわしい。初対面の人に、いま聞いたことぐらいは、いままでの係官はいっていた。初対面から門前払い!

2)要請文
・本部、長野、荒本、茨城、寝屋川、狭山から読み上げ。
・富士見市民の会が口頭で要請 (要旨)無実で逮捕されてから石川さん、ご家族は、1日も心休まる日がなかった。裁判所は、石川さん、ご家族のことを考えたことはあるのか? 自分たちに都合が悪いものは隠し、市民をだます裁判所は許せない。裁判所は石川さんに土下座して謝れ。1日も早い再審の実現を!

3)次回への課題
▼蓮尾さんの私たちへの認識に疑問を感じる。どんなひきつぎを受けてきたのか? 次回聞きたい。裁判体としての決定以前に、請願法にのっとってやっている。それが、こんなあつかいはないでしょう! 相手に非礼のないよう、偏見のない態度で話を聞くように。あなたの態度は失礼である!

▽蓮尾管理官 答は、一緒です。要請の話は裁判長に伝えます。


●東京高検要請行動
1)要請行動担当官が、小林事務官に変わる。担当検事も変わったことがあきらかにされる。

▼狭山事件の担当検事も変わった?
▽小林事務官 4月から、坂口検事に変わりました。坂口順造検事です。…移動は、やむ得ないことと理解して欲しい…。

2)要請
▼45年前、別件で逮捕。5・21は逮捕の口実とされた筆跡をとられた日。45年かかって、何の解決もしていない。石川一雄さんは汚名をきせられたまま。私たちは真実を明らかにする。真実を明らかにする責任は、裁判所にも、検察にもある。証拠開示がなされていない。この20年間、検察の開示はない。あまりにも不誠実だ。高裁の門野裁判長の別件、通貨偽造事件の捜査メモの開示命令が最高裁で確定した。検察の意見は?膨大な証拠をいっさいださないということを根本的に改めて頂きたい。真実を明らかにする責任がある!

▼要請文…本部、長野、寝屋川、荒本、狭山、茨城県連が読み上げ。茨城は、各支部から提出。
▼けしば議員が口頭で要請 証拠の開示が強く要請されている。刑訴法がかわって、開示の範囲が広がっている。ところが、狭山事件は再審で過去のもの、刑訴法の改正が適用されないと検事が言ったということを知った。そんなことはない! この偽りを指摘する!

3)次回への宿題
⓵証拠開示について
▼要請で指摘の件、成塚さんからのひきつぎは? 検事の見解はどうか?
▽小林事務官 引き継いでいる。検事の見解のことは聞いていなかった…。

⓶検事の要請行動への出席について
▼以前、矢野検事が要請行動に出席している。しょっちゅうではないが、検事自らも出ることもあり得るといっていた。坂口検事は?
▽小林事務官 まちがいなく、時間の都合がつけば出るという確約はできない…。
▼第3次再審も煮詰まってきている。次の要請のときには検事に出て欲しいと伝えて欲しい。
▽小林事務官 かしこまりました。
▼さっきの件。検事の見解は? 狭山事件は現在争っている件です。刑訴法の改正の影響がないということはありえない。その点も、是非聞かせて欲しい。

⓷部落差別についての検事の認識
▼どんどん検事が変わる。どんな人かイメージができない。内田証言…部落差別である。(兵庫の差別の例)…部落差別についてどんな認識をもっているのか?
▽小林事務官 あってはならないこと。
▽石橋事務官 茨城の出身。そういう地域があるということを聞いたことがある。いま、差別があるかは分からないが、薄らいではいるとは思っているが…。
▼検事にも聞いてみて

▼半年に1回、担当検事がかわる。不安になる。狭山事件の認識、証拠の管理、おそらくないのでは? 実際は事務方で責任をもって管理しているのでは?
以前の山口事務官は、よくご存じであった。証拠も見たといっていた。あなた方も、狭山ではどんな証拠があるのか、ご存じなのでは?

▽小林事務官 検察官が管理をされているものと理解して欲しい。

▼具体的なところで要請していったときに、一定程度、あなた方で対応してくれるのではと期待したい。

▽小林事務官 具体的なことは、当該である検察官=弁護団で…

⓸一審、差別論告の取り消しについて。
▼差別論告であり、坂口検事は取り消す気はあるのか? 当時の集中見込み捜査も、検事が指揮している。そのうえに論告がある。取り消すべきと、何度も要請してきた。まだ取り消されていない。差別的認識が今も、検察にあると判断せざるをえない。きちんと取り消すべき。

▽小林事務官 要請されている件について、きちんと検察官につたえる。100%回答があるとは確約できませんが…。


総括集会
・井橋中執から要請行動の報告
・関西各支部からの決意
・小森糾弾闘争本部長からまとめ
・団結ガンバロー

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